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からす ニュース検索結果

2021.8.10  【今週はこれを読め! SF編】江戸川乱歩をドストエフスキーへ還流する、文学的メビウスの環

巻頭に配された「アントンと清姫」、巻末を飾る書き下ろし作品「ドグラートフ・マグラノフスキー」。もうタイトルを見ただけでワクワクするではないか。文学とSFのセンスに優れた名手、高野史緒による超絶リミックス作品集である。全六篇を収録。

2021.7.22  【今週はこれを読め! ミステリー編】ヴァランダー・シリーズ最後の書『手/ヴァランダーの世界』

――これはクルト・ヴァランダー・シリーズ最後の出版物である。このシリーズはこの本をもって終了する。

2021.6.1  【今週はこれを読め! SF編】マイリンク、シェーアバルト、ブラックウッド......夢幻の境地に踏みいる

『幻想と怪奇』は雑誌の体裁だが書店の扱いは書籍だ。毎号、特集形式を取っているので、実質的にアンソロジーといってよい。こんかいはドイツ幻想小説の紹介者として名高い種村季弘さんの未発表翻訳が発見され、それをきっかけに企画が練られたそうだ。

2021.5.28  作家の読書道 第229回:蛭田亜紗子さん

2008年に第7回「女による女のためのR‐18文学賞」大賞を受賞、10年に『自縄自縛の私』(受賞作「自縄自縛の二乗」を改題)を刊行してデビューした蛭田亜紗子さん。現代人の日常を描く一方で、『凜』では大正期、開拓時代の北海道を舞台に過酷な環境を生きる男女を描き、最新作『共謀小説家』では明治期に小説執筆にのめりこんだある夫婦の話を描くなど、幅広い作風で活躍中。では蛭田さんが親しんできた作品とは? リモートでたっぷりおうかがいしました。

2021.5.26  【今週はこれを読め! エンタメ編】おもちさん83歳の日々〜朝倉かすみ『にぎやかな落日』

私があと30年生き長らえることができれば、主人公のおもちさんと同年代になる。

2021.5.12  【今週はこれを読め! SF編】人虎伝説が残る1930年代マレーシアを舞台にした謎と冒険

著者は中国系のマレーシア人で、幼少時代をいくつかの国ですごしたという。ハーバート大学を卒業し、経営コンサルタントやスタートアップ企業での勤務を経て、2013年、長篇The Ghost Brideでデビュー。本書『夜の獣、夢の少年』は第二長篇で、2019年に発表された。どちらの作品も、ニューヨークタイムズ・ベストセラーになっている。

2021.5.11  【今週はこれを読め! SF編】人虎伝説が残る1930年代マレーシアを舞台にした謎と冒険

著者は中国系のマレーシア人で、幼少時代をいくつかの国ですごしたという。ハーバート大学を卒業し、経営コンサルタントやスタートアップ企業での勤務を経て、2013年、長篇The Ghost Brideでデビュー。本書『夜の獣、夢の少年』は第二長篇で、2019年に発表された。どちらの作品も、ニューヨークタイムズ・ベストセラーになっている。

2021.4.7  【今週はこれを読め! エンタメ編】過去から続く因縁と秘密〜遠田潤子『紅蓮の雪』

つらくなるのはわかっているのに手に取ってしまう、それが遠田潤子の小説だ。本書は、主人公・伊吹の双子の姉である朱里の葬儀のシーンから幕を開ける。朱里は「伊吹、ごめん」とだけ書かれた書き置きを残して、町外れにある城の石垣から飛び降りたのだった。伊豆の老舗旅館の跡取り息子である大学の先輩との婚約も整い、幸せそうに見えたのに。両親からの愛情を与えられずに育った姉弟として、お互いを一生守ると約束したのに。

2021.2.10  【今週はこれを読め! エンタメ編】年ごとに移ろいゆく家族の日常〜藤谷治『睦家四姉妹図』

「定点観測小説」が好きだ。定点観測小説というのはたったいま考えた名称だけれども、場所(=小説の舞台)が固定された状態で、同じキャラクターが年齢を重ねていくor違う登場人物たちが入れ替わり立ち替わり出てくるといった作品を念頭に置いている。ぱっと思いついたものでは、半世紀の間に同じアパートの五号室に暮らした歴代の住人たちが登場する『三の隣は五号室』(長嶋有)とかイングランドの荒野に建つ屋敷の人々を次世代まで描いた『嵐が丘』(エミリー・ブロンテ)とか(テイストはえらく違いますけど)。

2021.1.23  作家の読書道 第225回:町田そのこさん

2020年に刊行した『52ヘルツのクジラたち』が未来屋小説大賞、ブランチBOOK大賞を受賞するなど話題を集めている町田そのこさん。少女時代から小説家に憧れ、大人になってから新人賞の投稿をはじめた背景には、一人の作家への熱い思いが。その作家、氷室冴子さんや、読書遍歴についてお話をうかがっています。

2021.1.5  【今週はこれを読め! SF編】多様な傾向を集めつつ、懐かしい印象すら受ける間口の広いアンソロジー

もっとも新しい十年紀のSF傑作選。思わず身がまえてしまうが、心配はご無用。収録されている作家の人種・経歴・セクシャリティは多様で、作品の傾向もバラエティに富んでいるものの、飛びぬけて先鋭的な表現・主題・論理はほとんどない。ある程度SFに馴染んでいる読者にとっては、むしろ懐かしい印象すら受けるくらいだ。

2020.12.29  【今週はこれを読め! ミステリー編】私立探偵スカダーの長い歩み『石を放つとき』

私立探偵小説のすべてがここに詰まっている。

2020.11.4  【今週はこれを読め! エンタメ編】両角長彦『ある実験 一人選べと先生が言った』を一気読み!

マイケル・キートンが演じたときの「バットマン」がよかったと思うのだが、それはジャック・ニコルソンのジョーカーが好みだったからかもしれない。

2020.10.24  作家の読書道 第222回:武田綾乃さん

学生時代に作家デビュー、第2作「響け!ユーフォニアム」がいきなりアニメ化され人気シリーズとなった武田綾乃さん。さまざまな青春を時にキラキラと、時にヒリヒリと描く武田さんはどんな本を読み、どんな思いを抱いてきたのか。お話は読書についてだけでなく、好きなお笑い芸人や映像作品にまで広がって…。意外性に満ちたインタビューをお楽しみください!

2020.10.20  【今週はこれを読め! SF編】稀覯書や古文書をめぐる怪奇譚、黴の匂いと書架の陰翳

著者マンビーは1913年にロンドンで生まれ、ケンブリッジ大学卒業後、古書店やオークションカンパニー勤務を経て陸軍に編入、フランス戦線で捕虜になり、収容所で怪奇小説を書きはじめた経歴の持ち主。職業作家ではなく、趣味で創作に手を染めたわけだ。作品数は少なく、49年刊行の本書に収録された14篇がすべてのようだ。その後は、書誌学者として業績を重ねた。

2020.10.13  【今週はこれを読め! SF編】物珍しさではなく、作品そのものの価値で語られるべき充実のアンソロジー

イスラエルSFのアンソロジー。原著はアメリカで2018年に刊行されたが、編者のふたりはイスラエル人だ。

2020.9.9  【今週はこれを読め! エンタメ編】誰もが輝くバスケ小説〜藤岡陽子『跳べ、暁!』

バスケットボールって、ほんとうにハードなスポーツだというイメージがある。ほぼずーっと走りっぱなし、手も足も使う、ジャンプ力も要求される。未経験者からすると、こんなにいっぺんにいろんなことをしなければならないのが信じられない。しかも、チームワークまでが重要になってくるのだ。

2020.8.6  【今週はこれを読め! エンタメ編】幸せは一種類じゃない!〜桂望実『結婚させる家』

理想のあり方、というものがある。ある、というか、一般的にそれが理想だとみなされているテンプレートがある。その最たるものが、理想の家族像ではないだろうか。両親が揃っている、子どもはふたりくらい、できれば庭付きの一軒家、といったあたりが最も必要とされる条件に違いない。

2020.6.23  【今週はこれを読め! ミステリー編】追い詰められた者の小説『その手を離すのは、私』

逃亡者、あるいは追い詰められた者の小説というべき作品である。

2020.5.28  【今週はこれを読め! ミステリー編】人間の残酷さを浮かび上がらせる作品集『おれの眼を撃った男は死んだ』

シャネル・ベンツ『おれの眼を撃った男は死んだ』(東京創元社)には、優れた短篇に与えられるO・ヘンリー賞を2014年に獲得した「よくある西部の物語」を含む10の小説が収められている。知っている限りベンツが邦訳されるのはこれが初めてだ。テネシー州メンフィス在住で、ローズ・カレッジで教鞭を執っているという以外の経歴はわからない。

2020.4.15  【今週はこれを読め! エンタメ編】痛快女子バディ物語『ピエタとトランジ〈完全版〉』登場!

「痛快」という言葉がこれほど似合う小説に出会ったのは久しぶり。本書は連作短編集で、ふたりの女子(と呼んでいてもいいのかどうかわからない年齢になるまで彼女たちの仲は続いていくのだけれど)のクールで熱い物語が展開していく。

2020.3.26  【今週はこれを読め! エンタメ編】最高の青春ライバル小説〜安壇美緒『金木犀とメテオラ』

「もう1作みたい」という言い方を、世間ではわりとよくする気がする。例えば芥川賞・直木賞といった文学賞の選考会で授賞を見送ったときの、「もう1作様子を見てから判断したい」という申し開き的な意味で。あるいはM-1やキングオブコントといった、予選で1本目・決勝で2本目のネタを披露するような大会において。こちらは「(もう1作みたいと思ったので)高い評価をつけた」という場合もあれば、「(もう1本みたかったのに)たいへん惜しい結果だったという場合もある。私も『天龍院亜希子の日記』を読んだときに、「もう1作読みたい!」と強く思ったものだ。「次の作品もおもしろいに違いない」という確信に近い予感によるものだったが、本書を読んで自分の読みに狂いはなかったと大満足である。

2020.2.10  【今週はこれを読め! ミステリー編】染み入るような警察小説『カタリーナ・コード』

染み入るような、という表現はこういう小説のために使うべきなのだろう。

2020.2.9  夏目漱石の小説 12作品の自筆原稿が所在不明「文化遺産が…」

文豪 夏目漱石が書いた代表的な小説のうち半数にあたる12作品について、自筆原稿の所在が確認できなくなっていることが分かりました。調査を行った専門家は、自筆原稿は作品の成立過程をたどる貴重な資料だとして「かけがえのないものであり、大切に受け継いでいくことが必要だ」と指摘しています。

2020.2.4  【今週はこれを読め! SF編】ハイテク廃棄物のディストピア、最周縁から世界を批判する哀しきモンスター

現代中国SFの話題作。サイバーパンクの系譜を引く近未来ディストピアを、アクション・ノワールの味わいに仕上げている。さながらパオロ・バチガルピの好敵手といったところだ。

2019.12.28  作家の読書道 第213回:河﨑秋子さん

東北と北海道で馬と暮らす人々を描いた物語『颶風の王』で注目され、単行本第二作『肉弾』で大藪春彦賞を受賞、新作短編集『土に贖う』も高い評価を得ている河﨑秋子さん。北海道の酪農一家で育ち、羊飼いでもあった彼女は、どんな本を読み、いつ小説を書きはじめたのか。これまでのこと、これからのことを含め、たっぷりと語っていただきました。

2019.12.25  【今週はこれを読め! ミステリー編】仕掛けに満ちたミステリー『闇という名の娘』

ああ、こういうミステリーをしばらく読んでなかったな。

2019.11.23  作家の読書道 第212回:呉勝浩さん

2015年に『道徳の時間』で江戸川乱歩賞を受賞、2018年には『白い衝動』で大藪春彦賞を受賞。そして新作『スワン』が話題となり、ますます注目度が高まる呉勝浩さん。小学生のうちにミステリーの面白さを知り、その後は映画の道を目指した青年が再び読書を始め、小説家を目指した経緯は? 気さくな口調を脳内で再現しながらお読みください。

2019.10.15  【今週はこれを読め! SF編】異常な光景の描写と巧みなストーリーの背後に、アメリカの歪みや傷を映しだす

四つの中篇を収録した作品集。空想的要素の度合いとその扱いは、作品ごとに違っている。

2019.10.9  【今週はこれを読め! エンタメ編】読まずにいられない小説〜遠田潤子『廃墟の白墨』

遠田潤子の小説を好きか、と聞かれたらなんと答えればよいのか迷う。手放しで共感できる登場人物も少ないし、描かれる状況も積極的に身を置きたくないシチュエーションがほとんどだ。だから、私にとって遠田作品は好き嫌いとは異なる次元にある。読まずにいられないから読むものなのである。

2019.10.1  【今週はこれを読め! SF編】有無を言わせぬ怒濤の展開! 正調ワイドスクリーン・バロック!

ブライアン・W・オールディスが激賞、この作品のために「ワイドスクリーン・バロック」なるサブジャンル呼称を提唱までした話題作がついに翻訳された。

2019.9.24  【今週はこれを読め! SF編】第三種接近遭遇テーマの王道。怒濤のサプライズ・エンディングに仰天。

トー・ブックス(TOR Books)といえば、アメリカのSF&ファンタジイ界にあって1980年代より数々の話題作を送りだしてきた大手出版社。そのトーがボッドキャスト・ドラマのレーベルTOR LABSを立ちあげ、最初にリリースしたのがマック・ロジャーズ制作のSteal the Starsだった。これをナット・キャシディがノベライズしたのが、本書『物体E』(原題はポッドキャスト版と同じくSteal the Stars)である。

2019.9.21  【今週はこれを読め! ミステリー編】何が起こるかわからない『11月に去りし者』

小説は思いがけないことが起こるからおもしろい。

2019.9.3  【今週はこれを読め! SF編】手強い異存在との意思疎通と、未知の文明の調査

人気ミリタリーSFシリーズ《星系出雲の兵站》第二部の開幕篇。たんに地上の戦争を宇宙へと移植したアクションストーリーではなく、現実的な天文物理をふまえた条件と、SFならではの「異質な知性」に関わるアイデアが、この作品の大きな価値だ。そして表題に「兵站」とあるように、ハデな戦闘よりもそれを支える生産力、前線まで物資を届ける補給計画、戦時下の政治などに重点を置いて、いくつものエピソードが重ねられる。まことにシブいSFである。

2019.8.30  独占インタビュー「ラノベの素」 タンバ先生『最強出涸らし皇子の暗躍帝位争い』

独占インタビュー「ラノベの素」。今回は2019年9月1日にスニーカー文庫より『最強出涸らし皇子の暗躍帝位争い』が発売されるタンバ先生です。帝位争いが激化する帝国内において、出涸らし皇子とバカにされる一人の皇子が、双子の弟を帝位につかせるために暗躍を始めるファンタジーシリーズ。作品の裏側や内容についてはもちろん、2つの顔を有する主人公の暗躍の魅力、そして本作の見どころについてお聞きしました。

2019.8.30  【今週はこれを読め! ミステリー編】生命を懸けた脱出ゲーム『名探偵の密室』

名探偵が自らの生命を懸けた脱出ゲームに招待される。

2019.8.19  【今週はこれを読め! ミステリー編】不安に満ちたサスペンス『ケイトが恐れるすべて』

初めての街で暮らすとき、誰もが現実感を少し失う。

2019.8.6  【今週はこれを読め! SF編】アイデアとロジックの名手!

草上仁、ひさしぶりの作品集である。草上さんは〈SFマガジン〉をホームグラウンドとしてコンスタントに作品を発表しているのだが、このごろの長篇偏重の出版事情のせいか、なかなか一冊にまとまらなかった。コアなSF読者およびプロ作家のあいだでは、草上作品の評判は高く、こんかいの『5分間SF』はかねてより待ち望まれていた、ちょっと大袈裟にいえば慈雨のような一冊である。YOUCHANの装画もシャレている。

2019.7.17  芥川賞に今村夏子さん 直木賞に大島真寿美さん

第161回芥川賞と直木賞の選考会が東京で開かれ、芥川賞は今村夏子さんの「むらさきのスカートの女」、直木賞は大島真寿美さんの「渦 妹背山婦女庭訓 魂結び」(うず/いもせやまおんなていきん/たまむすび)が、それぞれ選ばれました。

2019.5.28  【今週はこれを読め! SF編】感覚情報翻訳者が活躍する凝った構成のミステリ連作

デビュー作『風牙』につづく、《感覚情報翻訳者(インタープリンタ)》シリーズ。感覚情報翻訳者とは、レコーディングされた記憶に潜行(ダイブ)して、そのままではノイズのかたまりのようなデータを、意味のある映像へ成形するプロフェッショナルである。誰でもできる技術ではなく、生まれもっての資質が問われる。HSP(ハイパー・センシティブ・パーソン)と呼ばれる共感能力だ。この物語の主人公である珊瑚はグレード5。百万人にひとりしかいないトップレベルの能力者だ。

2019.5.25  作家の読書道 第206回:江國香織さん

読書家としても知られる江國香織さん。小さい頃から石井桃子さん訳の絵本に親しみ、妹さんと「お話つなぎ」という遊びをしていたけれど、その頃は小説家になることは考えていなかったとか。さらにはミステリ好きだったりと、意外な一面も。その膨大な読書量のなかから、お気に入りの本の一部と、読書生活の遍歴についておうかがいしました。

2019.4.13  【今週はこれを読め! ミステリー編】感情を激しく揺り動かす圧巻のスリラー『終焉の日』

まるで暴れ馬のたてがみにしがみついているような乗り心地、読み心地であった。

2019.3.5  【今週はこれを読め! SF編】ティプトリー風の表題作から中国伝奇アクションまで

ケン・リュウ三冊目の日本オリジナル短篇集で、二十篇を収録。さまざまな傾向の作品を書きわける安定したストーリーテリングの作家だが、内戦や難民、差別、格差など現代的な問題を(作品によって濃淡はあるものの)設定と深く結びつくかたちで織りこんでいるのが特色といえよう。

2019.2.12  【今週はこれを読め! ミステリー編】予断を排して『種の起源』を読むべし!

あらゆる予断を排して物語の中に身を投じたほうが絶対に楽しめる。

2019.1.29  【今週はこれを読め! SF編】異なる生態系のなかで、人類が進むべき未来を探る惑星開拓史

環境破壊によって滅びつつある地球を脱出したひとにぎりの人々は、百五十八年の人工冬眠を経て、酸素と水が豊富にある惑星へとたどりつく。彼らはその惑星を【平和/パックス】と名づけた。地球より重力が二十パーセント強く、六台あった着陸ポッドのうち二台が墜落。その事故によって、唯一の食料合成機が破壊される。いやおうなく、現地で食べものを調達しなければならない。最初の試練だ。

2019.1.18  独占インタビュー「ラノベの素」 上川景先生『撃ち抜かれた戦場は、そこで消えていろ』

独占インタビュー「ラノベの素」。今回は2019年1月19日にファンタジア文庫より『撃ち抜かれた戦場は、そこで消えていろ』が発売となる上川景先生です。第31回ファンタジア大賞にて「大賞」を同作で受賞し、満を持してファンタジア文庫よりデビューされます。人間の存在も、功績も、成果も、結果も、痕跡も、干渉も、そのすべてを消し去る悪魔の弾丸を手にした少年兵と、繰り返す戦争に暗躍する亡霊(ゴースト)の物語を描いた本作。主人公と共に一発の弾丸で変遷する世界を追いかける作品の内容や見どころについてお聞きしました。

2019.1.15  【今週はこれを読め! ミステリー編】血が滾る冒険小説『拳銃使いの娘』

血が滾る、としか言いようのない小説である。

2019.1.8  【今週はこれを読め! SF編】日本SFの新しいプラットホーム、ここから始まる。

SF出版では海外SF紹介から出発した東京創元社だが、2007年に日本SFの名作再刊に手を染め、2010年以降は創元SF短編賞(募集は前年から)によって次々と新しい才能を発掘してきた。いまや新鮮な日本SFの最重要供給源である。

2018.12.25  【今週はこれを読め! SF編】破滅と再生の寓話、イヴを畏れるアダム

『紫の雲』は、翻訳が待ち望まれていた古典である。作者M・P・シールは1865年生まれ47年歿のイギリス作家、二十世紀になる直前から作品を発表しはじめた。この経歴は、年代の上ではH・G・ウエルズとぴったり重なる。

2018.12.4  【今週はこれを読め! SF編】ガンマ線バーストでも終わらない世界のために

第六回ハヤカワSFコンテスト優秀賞受賞作。六篇の連作からなり、遠い未来が舞台だ。もはや人間は肉体にしばらておらず、思うがままに精神をアップロードできる(これが表題の「トランスヒューマン」たる所以)。「童話」をうたっているのは、誰もが知っているような童話を下敷きにしているからだ。

2018.11.9  【コラム】 アニメ化決定!「俺を好きなのはお前だけかよ」最速インタビュー! シリーズ最新「俺好き10巻」情報も!

電撃文庫のラブコメ「俺を好きなのはお前だけかよ」のTVアニメ化が発表!シリーズ構成と脚本を原作者:駱駝先生が担当され、アニメ公式サイトには『原作とは違うアニメだからこそ!』が。アニメは原作から改変するのかなどお訊きしました!(取材・文:かーずSP、協力:MyDearest、平和)

2018.10.25  【書評】『青少年のための小説入門』久保寺健彦 - 横丁カフェ

心からおもしろいと思える小説と出会ったとき、私は文庫と文芸書の担当の書店員なので、その小説を店頭であの手この手で売ろうとすることができます。おもしろい!伝えたい!売りたい!という、すごくワクワクした気持ちで売場をつくりますが、思ったように売れないときもあります。おもしろい、売りたい、そんな気持ちが強いときこそ、あと何が足りなかったんだろう......と悔しさと無力感を感じてしまうことがあります。

2018.9.25  【今週はこれを読め! SF編】天才でマッドなお姉さんと、知性の普遍構造を解きあかす宇宙計算機

第五回創元SF短編賞を受賞してデビューした高島雄哉の、これが最初の単行本。受賞作を表題として、その続篇ふたつを併録している。一篇ごとに完結しているが、内容は深く関連しあっているので、すべて通して長篇とみなしてもかまわない。

2018.8.22  【今週はこれを読め! エンタメ編】心を動かされる恋愛小説〜フォースター『モーリス』

最近のニュースで、衆議院議員による"LGBTは『生産性』がないので支援する必要はない"といった内容の発言が大きな話題になった。この件に関していろいろ思うことはあるが、私が最も気になっているのは、この議員が自分の子どもさんや将来生まれるかもしれないお孫さんたちがLGBTであると自覚する可能性をまったく考えないのだろうかということだ。仮にそうなった場合、子や孫に「たとえ『生産性』がなくても、あなたは私の大切な子ども(孫)よ」と言うのだろうか。

2018.8.10  【今週はこれを読め! ミステリー編】頼りない男の犯罪小説〜ジョー・ネスボ『真夜中の太陽』

まだ気がついていない読者のために書いておくが、ジョー・ネスボはミステリー界の宝だ。

2018.7.24  2017年度の市場規模は電子書籍、電子雑誌合わせて2500億円を突破! 2022年には3500億円規模に 『電子書籍ビジネス調査報告書2018』7月30日発売

インプレスグループでIT関連メディア事業を展開する株式会社インプレス(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:小川 亨)のシンクタンク部門であるインプレス総合研究所は、電子書籍市場の動向を調査し、電子書籍に関する調査結果を発表いたします。また、本調査結果の詳細は、新産業調査レポート『電子書籍ビジネス調査報告書2018』(https://book.impress.co.jp/books/1118501010)として発行し、2018年7月30日(月)に発売(予約受付中)いたします。

2018.7.21  【今週はこれを読め! ミステリー編】痴話喧嘩から始まるどんでん返し『ブルックリンの少女』

喧嘩して恋人に投げつけた言葉がひどい結果を産んでしまう。

2018.7.13  【今週はこれを読め! ミステリー編】虚実入り混じる執筆牢獄小説『さらば、シェヘラザード』

これはミステリーというか、へんてこりんな小説である。

2018.7.11  【今週はこれを読め! エンタメ編】惹かれあう女子二人の書簡小説〜三浦しをん『ののはな通信』

生涯ただ一度しか経験できないような、その人のことを思うと何も手につかなくなるほどの恋。

2018.7.5  作家・西尾維新、言葉紡いだ15年 原点の京都で展覧会

「京都の二十歳」として出現し、独自の作品世界と驚異的な速筆で活躍する小説家の西尾維新。デビュー15周年を記念する展覧会「西尾維新大辞展~京都篇(へん)~」(展覧会公式サイト http://exhibition.ni.siois.in/別ウインドウで開きます)が7日、京都市の京都文化博物館で開幕します。会場を一冊の辞典に見立て、作品に登場するフレーズやアニメーション原画などの展示で、100冊を超える著作の魅力を紹介。作家その人に、展覧会への思いや執筆秘話を聞きました。

2018.7.4  【今週はこれを読め! エンタメ編】男の心情が描かれた作品集〜山内マリコ『選んだ孤独はよい孤独』

どちらかというと私は"男だから○○""女だから□□"という分け方に関心がなく、"結局は個人差ではないか"と考えているが、そうはいっても男女の違いというものが存在することは理解しているつもりである。以前ある作家による"完全に男子しかいない空間において、異性の目を意識していない彼らがどんなことをしゃべっているかを聞いてみたい"といった内容のエッセイを読んだことがあるけれども、ひとりでも異性が含まれる場においては確かに自分も無意識に話す内容を変えているのかも、と思い至った。

2018.6.25  独占インタビュー「ラノベの素」 広ノ祥人先生『あまのじゃくな氷室さん 好感度100%から始める毒舌女子の落としかた』

独占インタビュー「ラノベの素」。今回は2018年6月25日にMF文庫Jより『あまのじゃくな氷室さん 好感度100%から始める毒舌女子の落としかた』第3巻が発売となった広ノ祥人先生です。口では毒舌、本音では主人公のことが大好きすぎるヒロインの氷室さん。本音の声が主人公にだだ漏れる中、毒舌が思わぬ展開を引き起こしている本シリーズについて、氷室さんの毒舌と本音の考え方や、気になる第3巻の展開についてお聞きしました。

2018.6.23  作家の読書道 第195回:伊吹有喜さん

『四十九日のレシピ』、『ミッドナイト・バス』、『なでし子物語』など心温まる作品を発表、最近では直木賞候補にもなった『彼方の友へ』も話題となった伊吹有喜さん。幼い頃から読書家だった彼女の愛読書は? 時代小説にハマったり、ミステリ小説を応募していたりと、現在の作風からすると意外にも思える変遷を教えてくれました。

2018.6.20  【今週はこれを読め! エンタメ編】胸を打つ映画会社の同期会〜古内一絵『キネマトグラフィカ』

2018年現在、映画館で映画を上映する際のしくみがどうなっているのか正確には理解していないが(いや、昔もできていなかったが)、映写機が使われることがほとんどなくなったことは知っている。また、映画館の多くがシネマコンプレックス形式になっていること、名画座の数がどんどん減っていること等々、映画を取り巻く状況は昭和の時代からするとだいぶ変わった。

2018.6.5  【今週はこれを読め! SF編】大きくうねる戦局のなか、不可解な状況にさらされる兵士たち

《航空宇宙軍史》は谷甲州のライフワークともいえる長大な連作だ。軍事組織「航空宇宙軍」を擁する地球側と外惑星連合との緊張は外惑星動乱のかたちで堰を切る。日本SF大賞を受賞した『コロンビア・ゼロ』は、第二次外惑星動乱の勃発に至る経緯を描いていた。本書『工作鑑間宮の戦争』は、それにつづく時期の物語として、六篇のエピソードを収録している。

2018.5.16  作家の読書道 第194回:石井遊佳さん

新潮新人賞を受賞したデビュー作『百年泥』が芥川賞を受賞、一躍時の人となった石井遊佳さん。幼い頃から本を読むのが好きだった彼女が愛読していた本とは? 10代の頃は小説を書けなかった理由とは? インドのチェンナイで日本語教師となる経緯など、これまでの来し方を含めてたっぷり語ってくださいました。

2018.5.12  【今週はこれを読め! ミステリー編】刑事ヴァランダー・シリーズ前日譚『ピラミッド』

作家が小説を書くのにはさまざまなやり方がある。

2018.5.9  【今週はこれを読め! エンタメ編】救われ救う短編集〜小嶋陽太郎『放課後ひとり同盟』

崩壊しそうな家庭に息が詰まりそうで、空に向かって足を蹴り上げ続ける。心と体の性別が一致せず、タールのような黒い液体が湧いてくる気がする。家庭に自分の居場所を見つけられず、実の母や義理の妹や飼い犬にまで反発を感じずにいられない。自分を助けてくれた同級生に似た女の子を探しながら生きている。兄や友だちの体の中に渦巻く黒いぐるぐるが見えてしまう。すべて『放課後ひとり同盟』に収録された5つの短編における、悩める登場人物たちのことだ。

2018.5.8  【今週はこれを読め! SF編】ボーイ・ミーツ・ガール物語のサイバーパンク的展開

冒頭の場面が印象的だ。ロンドンの川沿い、朽ちゆく街区の十四階建てのビルの屋上に腰かけている少年ハンター・ナッシュ。数ブロック先、さびれたスカイライン越しに、金持ちが住む高級マンション群がそびえている。ハンターのうちに滾っているのは、無軌道な衝動だ。なにかをしたい、しかし、なにをしていいかわからない。行き場のない気持ちは、ビルとビルのあいだを跳び越えるスリルへと向かう。たった五メートル、思い切ってジャンプするだけだ。

2018.5.7  訃報:加古里子さん92歳=絵本作家「だるまちゃん」

「だるまちゃんとてんぐちゃん」などで知られる絵本作家で児童文化研究家、加古里子(かこ・さとし、本名・中島哲=なかじま・さとし)さんが2日、慢性腎不全のため亡くなった。92歳。葬儀は近親者で営んだ。後日、出版社が合同でしのぶ会を開く。

2018.4.4  【今週はこれを読め! エンタメ編】"本造りの裏方"印刷会社のお仕事小説〜安藤祐介『本のエンドロール』

高校野球を見ていて、まっすぐに引かれたグラウンドの白線に涙したことはありますか? 私はある。「球児たちの晴れ舞台のために何事もなく大会が行われるようぬかりなく準備をするスタッフによって、高校野球は支えられているのだ!」と胸を打たれたのだ。と書いてみて、我ながら涙もろいにもほどがあるとあきれる気持ちもなくはない。しかし、私と同じようなガラスの涙腺をお持ちの方も、さすがに野球場の白線では泣けないという方も、本書の最後にある「エンドロール」をご覧になったらきっと込み上げるものがあるのではないだろうか。

2018.4.3  大泉洋「主役の話がちゃんと自分にきたことに安堵しております(笑)」2018年本屋大賞ノミネート作、塩田武士『騙し絵の牙』映画化始動!

塩田武士:著、大泉洋:写真(モデル)の小説『騙し絵の牙』(KADOKAWA)の実写映画化が始動することが明らかとなった。

2018.4.3  【今週はこれを読め! SF編】アメリカ、それは最後のフロンティア

それはとほうもないライト・ショウだった。

2018.3.29  誉田哲也最新作! 大人になりきれない大人に贈る、青春ガールズバンド小説

剣道に青春を捧げる2人の女子高生を描き出した『武士道シックスティーン』で知られる誉田哲也氏が、今度はガールズバンドに青春を捧げた女子高生たちを描き出す。

2018.2.21  作家の読書道 第191回:原田ひ香さん

2007年に『はじまらないティータイム』ですばる文学賞を受賞してデビュー、『東京ロンダリング』や『人生オークション』、最新作『ランチ酒』などで話題を呼んできた原田ひ香さん。幼い頃、自分は理系だと思っていた原田さんが、小説家を志すまでにはさまざまな変遷が。その時々で心に響いた本について、教えてもらいました。

2018.2.5  【今週はこれを読め! ミステリー編】残酷さと恐怖をくぐりぬけた者たちの物語『蝶のいた庭』

「おそろしく寒い夜でした。雪が降っていて、ほとんどまっ暗でした----大晦日の夜のことです。この寒い夜のなか、ひとりの貧しい少女が帽子もかぶらず裸足で通りを歩いていました」

2017.12.20  【今週はこれを読め! エンタメ編】不器用な主人公の再生の物語『エレノア・オリファントは今日も元気です』

アラサーの独身女性。仕事はそこそこ、恋愛はなかなかままならない。ある一定以上の年代の人なら、小説・映画ともに大人気となった「ブリジット・ジョーンズの日記」を連想されるのではないだろうか(なんてこと! 「ブリジット・ジョーンズ」は本が出たのが約20年前、映画公開ですら15年以上も前だなんて!)。

2017.12.12  異世界転生「JKハル」:早川書房が「ネット発の官能小説」を書籍化したワケ (1/3)

早川書房が12月に刊行した『JKハルは異世界で娼婦になった』。ネット発、異世界転生、官能小説という一風変わった小説だ。なぜあの早川書房が『JKハル』を書籍化したのか? 直撃した。

2017.12.11  第7回 本屋が選ぶ時代小説大賞発表!

「 オール讀物2017年12月号 」より転載

2017.11.18  阿部和重×伊坂幸太郎「私小説として読んでいただいてもいい。僕ら二人が世界を救ったんです!」奇跡の合作小説『キャプテンサンダーボルト』待望の文庫化!

純文学のフィールドで活躍する阿部和重と、エンターテインメント小説界の雄として知られる伊坂幸太郎。二人が合作小説『キャプテンサンダーボルト』を電撃刊行したのは、2014年11月のことだった。本屋大賞にもノミネートされ話題を集めた同作がこのたび、上下巻の文庫版に。この機会に改めて、合作の成果を二人にうかがい、胸を張ってもらった。

2017.11.1  【今週はこれを読め! エンタメ編】いっぷう変わったお仕事小説〜青山七恵『踊る星座』

例えば女優という肩書きだけでもすごいのにモナコの国王に見初められて王妃にまでなったグレース・ケリーレベルまでいかずとも、一般人の人生も十分さまざまな事件にあふれている。

2017.10.24  【今週はこれを読め! SF編】偶然性と運命のアラベスク、あるいは過去からの迷い弾

レオ・ペルッツの作品は、無理やり分類すれば幻想小説、奇想小説、歴史小説などといえなくもないけれど、ぼくがいちばんしっくりくるラベルは「アンチミステリ」だ。

2017.10.20  【今週はこれを読め! ミステリー編】埋もれた人生を探っていくインドリダソン『湖の男』

大事な本を一冊お薦めし忘れていたのである。いかんいかん。アーナルデュル・インドリダソン『湖の男』(東京創元社)は今年の必読書の1冊だ。

2017.10.6  郡上八幡の美しい風景がきらめく青春恋愛小説 『……なんでそんな、ばかなこと聞くの?』 鈴木大輔インタビュー

『文句の付けようがないラブコメ』などのヒットシリーズで、関連書籍の累計発行部数300万部を超える人気ライトノベル作家・鈴木大輔さんが、初の一般文芸作として『……なんでそんな、ばかなこと聞くの?』を刊行。幻想的で死の影が色濃く漂う青春恋愛小説に込めた思いを聞いた。

2017.9.29  【今週はこれを読め! ミステリー編】閉じた親子の愛情の物語〜エーネ・リール『樹脂』

どの家にも扉がついている。そこを開けて覗き込むことは家族以外には許されていない。だから、どの家庭にもその扉の中だけの真実がある。

2017.9.20  作家の読書道 第186回:澤村伊智さん

日本ホラー小説大賞を受賞したデビュー作『ぼぎわんが、来る』(「ぼぎわん」を改題)が話題を集め、その後の作品も評判を呼んで日本ホラー小説界期待の新星として熱く注目されている澤村伊智さん。実は幼少の頃から筋金入りの読書家です。愛読してきたレーベル、作品、作家について、がっつりお話くださいました。読み応え満点!

2017.9.15  【今週はこれを読め! ミステリー編】15歳が世界と出会うロード・ノヴェル『東の果て、夜へ』

一人前の大人になるというのは、子供の自分を殺すことでもある。

2017.8.28  今この瞬間の「絶対」をつないでいけば、いつかそれは永遠になる――初恋を通じて少年たちの成長を描く『ぼくらはその日まで』

9月6日発売の『ダ・ヴィンチ』は「恋する私たちは、ちょっとおかしい」という特集が組まれるが、恋をすれば「僕たち」もちょっとおかしくなる。

2017.8.24  【書評】『墓地を見おろす家』小池真理子 - 横丁カフェ

夏ですね、暑いです。鼻のうえまでマフラーで覆っても凍えたあの道、思いも寄らぬ箇所から差し込んでくるすきま風に感動さえ覚えさせられたこの建物、たかだか数ヶ月前の思い出が嘘のように暑いです。

2017.8.15  【今週はこれを読め! SF編】十年目を迎え、ますます好調な年刊傑作選。

創元SF文庫の《年刊日本SF傑作選》の十冊目。プロパーSFから文芸誌に掲載された奇想小説、ときに同人誌やネットで発表された秀作をピックアップする視野の広さが嬉しい。

2017.8.1  【今週はこれを読め! SF編】風の名前を聞け。語られた神話としての人生。

異世界ファンタジイにしろ魔法学園小説にしろ、どうしてこうも長いシリーズが好きなのか。せっかく作りあげた設定やキャラクターを大切にしたい(読者の側からすれば「長くひたっていたい」)と思う気持ちはわかるが、それに値する設定やキャラクターがそうあるものではない。

2017.7.31  お見合い相手は皇帝だった…!? 皇帝に見初められた少女が「自信を取り戻す」中華版シンデレラストーリー!

「本気になるのが怖い」――『茉莉花官吏伝 皇帝の恋心、花知らず』(石田リンネ/KADOKAWA)の主人公、晧茉莉花(こう・まつりか)は、人並み以上の「記憶力」を持っていながらも、目立つことを嫌い、常に一線を引いている後宮の女官だ。

2017.7.25  独占インタビュー「ラノベの素」 昼熊先生&暁なつめ先生『この素晴らしい世界に祝福を!エクストラ あの愚か者にも脚光を!』

独占インタビュー「ラノベの素」。今回は2017年8月1日にスニーカー文庫より『この素晴らしい世界に祝福を!エクストラ あの愚か者にも脚光を! 素晴らしきかな、名脇役』が発売となる昼熊先生と暁なつめ先生です。「このすば」の人気キャラクター総出演による公式外伝の内容はもちろん、執筆者と原作者それぞれの立場からみた外伝誕生の秘話など、様々なお話をお聞きしました。

2017.7.14  【今週はこれを読め! ミステリー編】警察捜査小説の原点となった犯罪実話集『彼女たちはみな、若くして死んだ』

「......どこのカレッジの名を挙げてくれてもいい。あらゆる女子大の学生が姿を消している。娘たちが、なぜ姿を消すかわかるか?」フォードは葉巻をしまって片方の手をあげ、指を追って数えはじめた。「理由はひとつではない。成績がふるわない。級友とうまくいかない。家庭内にいざこざがある。犯罪に巻き込まれた。自立したい。そして、男。理由は六つ。答はこの中にある」(法村理絵訳)

2017.6.8  『自生の夢』飛浩隆

お客様が「○○に関する本が欲しい」といったあいまいな形で本をお探しの際に、「なぜその本を必要としているのか」という"理由"の部分は、おすすめすべき本を正確にお探しするのにたいへん有用な情報ではあるものの、こちらからいきなりお伺いすることはしないようにしている。

2017.6.7  【今週はこれを読め! エンタメ編】『続あしながおじさん』が新訳で登場!

"1作目を超える続編は存在しない"というのは、半ば共通認識のように受けとめられている。

2017.6.6  「涙をボロボロ流して読んだ!」"夢見る心を蘇らせる"!! 女子高生×神様コンビの感動ストーリー

夢を描くことは、特出した才能を持つ人間だけに与えられた特権ではない。

2017.5.24  【今週はこれを読め! エンタメ編】心のぶつかり合いに圧倒される〜柚木麻子『BUTTER』

男の方が数が多いからなのか、女の犯罪者に対して世間の注目度はがぜん高くなる気がする。

2017.5.23  本の記事 : 小説も料理も適量って難しい 柚木麻子「BUTTER」 - 中村真理子

作家、柚木麻子さんの新刊『BUTTER(バター)』(新潮社)は、首都圏連続不審死事件をモチーフにした長編小説だ。法廷やブログで被告が見せた欲望を抑えない生き方は、世の女性たちを戸惑わせた。「被害者の家族や周りの女性が気になって書き始めた」という。

2017.5.10  罪から逃れるために次々と殺しを重ねた男が逃れ着いたのは――。馳星周、大傑作『夜光虫』から20年。その後を描いたミステリーファン待望の続編!

台湾プロ野球界で八百長に手を染めた元スター選手が、巨大な陰謀に巻きこまれ、地獄の底へと突き落とされてゆく……。馳星周が1998年に発表した長編『夜光虫』は、灼けつくような欲望と暴力衝動を脈打つ文体で描き切った日本ノワール小説史に残る傑作だった。

2017.5.6  村上春樹さんは2時間のトークイベントで何を語ったのか?【WEBメディア単独取材ロングver.】

4月27日、新宿サザンシアターにて村上春樹さん13年ぶりとなるトークイベントが開催された。

2017.4.25  【今週はこれを読め! SF編】未知との遭遇、10のスタイル

副題が示すとおりのテーマ・アンソロジーだ。「ファーストコンタクト」とは、地球外生命体との接近遭遇である。ファースト、すなわち最初の接触なので、お互いのことがわからず、手探りになるし誤解や疑心暗鬼を生じる。その過程で、人類の文化や知性が相対化される。

2017.4.19  作家の読書道 第182回:塩田武士さん

グリコ・森永事件に材をとった『罪の声』で話題をさらった塩田武士さん。神戸新聞の記者から作家に転身した経歴の持ち主と思ったら、実は学生時代からすでに作家を志望していたのだそう。大阪でお笑い文化に多大な影響を受けながら、どんな小説に魅せられてきたのか。影響を受けた他ジャンルの作品にもたっぷり言及してくださっています。

2017.4.3  ラノベ選びのポイントは表紙と帯?ライトノベルの流行を読み取るマーケティング創作術

「年間約2200冊」。これは昨年に出版されたライトノベル(文庫本、単行本)の刊行数だ。

2017.3.27  「はじまりの季節」に前向きな力を与えてくれる1冊。芥川賞作家が贈る、18のユニークな道標

2017年3月5日初版第一刷発行。そう巻末に記載されている『ぼくの死体をよろしくたのむ』(川上弘美/小学館)は、雑誌上で川上弘美が執筆した計18のストーリーを収録した短編小説集です。

2017.3.16  『人間じゃない』綾辻行人

1987年9月5日。

2017.3.15  作家の読書道 第181回:岡崎琢磨さん

デビュー作『珈琲店タレーランの事件簿』が現在第5巻まで刊行される人気シリーズとなっている岡崎琢磨さん。ノンシリーズ作品も順調に刊行され、作風を広げている注目の若手ですが、実は大学時代まで音楽の道を志していたのだそう。そんな岡崎さんが作家を目指すまで、そして作家になってから読んできた本とは? 

2017.3.15  【今週はこれを読め! エンタメ編】恋愛と性別の関係を考えさせる 春見朔子『そういう生き物』

どうして生殖行為には快楽がセットになっているのだろうかとずっと不思議だった(というか、今も不思議である)。

2017.3.8  【今週はこれを読め! エンタメ編】現代版お姫様物語アンソロジー〜『リアルプリンセス』

「リアルプリンセス」なる立場の人を厳密に規定するとしたら、現実社会においてはごくごく少数の方々しか当てはまらないだろう(よくわかっていないが、王族や皇族の未婚の女性といったら世界で200人くらいのものじゃないの? アメリカ合衆国なんてあんなに広い国だけど1人もいないわけだし)。6つの物語のヒロインたちは、そのような限定的な存在ではない。あなたでも、そしてわたしでもあり得る。

2017.3.6  76年に一度だけ、君に会える――。ハレー彗星をめぐる、新境地恋愛SF。『月刊天文ガイド』連載作品が単行本化!!

とてもステキなお話だった。せつなさと爽やかさと、そしてちょっとミステリアスな雰囲気を漂わせる『麻布ハレー』(松久淳、田中渉/誠文堂新光社)は、『月刊天文ガイド』というややマニアックな雑誌に連載されていた小説が単行本化した作品だ。

2017.3.2  『ひとごろしのうた』松浦千恵美

毎月、早川書房さんとは次月新刊の部決のための会議を行なっているが、新刊案内だけでは上手く内容が掴めず発注数を絞ってしまった書籍が実は今回ご紹介する作品である。(著者の松浦さん、すみません!)

2017.2.27  「温泉と文学」熱く 芥川賞作家3人が別府大学でシンポ

別府市の別府大学で26日、「温泉と文学」をテーマにしたシンポジウム(大分合同新聞社後援)があった。玄月(げんげつ)さん(52)、吉村萬壱(まんいち)さん(56)、藤野可織さん(37)の芥川賞作家3人が温泉地との関わりについて意見を交換。湯煙たなびく泉都の魅力についてもざっくばらんに語り合った。

2017.2.17  ショートショート作家・田丸雅智が"ゴールドコースト"をテーマに書き下ろし! 3組のカップルが織りなす不思議な愛のストーリー

2017年2月1日(水)から3月31日(金)の期間限定で、スペシャルサイト「Love Story from Gold Coast」が公開されている。

2017.2.15  蒼井優と阿部サダヲが最低男女役に! 沼田まほかる『彼女がその名を知らない鳥たち』実写化決定に期待の声

沼田まほかるによる小説『彼女がその名を知らない鳥たち』が、2017年秋に蒼井優と阿部サダヲのダブル主演で映画化されることが明らかになった。

2017.2.15  【今週はこれを読め! エンタメ編】キラキラした冒険と友情と恋の日々〜小嶋陽太郎『ぼくのとなりにきみ』

10代の若者たちがこんなにキラキラしているなんて、自分が10代のときにはわからなかった。

2017.1.25  構想12年、取材11年、執筆7年! 直木賞受賞作、恩田陸『蜜蜂と遠雷』大型重版で累計発行部数27万部に!

2017年1月19日(木)に発表された第156回「直木三十五賞」。同賞の受賞作『蜜蜂と遠雷』の大型重版が決定した。

2017.1.24  【今週はこれを読め! SF編】ベスター第一長篇、第一回ヒューゴー賞、伊藤典夫初の長篇翻訳

『破壊された男』は記念すべき第一回のヒューゴー賞受賞作。1952年に〈ギャラクシー〉に三回分載で発表され、それが対象になった。当時のSFファンにとってはあくまで雑誌が主流であり、連載がかならず単行本になるという発想がなかった。その雑誌にしてもアメリカSF界にリーディングマガジンとして長らく君臨した科学技術主流の〈アスタウンディング〉の座を、よりソフィスティケートされた小説に力を入れる新興の〈F&SF〉や〈ギャラクシー〉が脅かしはじめた時期だ。実際、同じ年のヒューゴー賞の商業誌部門は〈アスタウンディング〉と〈ギャラクシー〉の同時受賞となった。

2017.1.21  学園一の美少女を殺したのは…? "イヤミス"の傑作『暗黒女子』映画予告編公開に大反響!

読んだ後に嫌な気持ちになるミステリー・通称"イヤミス"の傑作として人気を誇る小説『暗黒女子』が映画化され、2017年4月1日(土)より公開されることが明らかとなった。公開されている予告編には、「怖すぎてたまらん!」「登場人物達のアク強っ! こりゃそそるわ」と大反響が上がっている。

2017.1.18  【今週はこれを読め! エンタメ編】移動図書館の日常ミステリー〜大崎梢『本バスめぐりん号。』

車そのものが本屋さんになっていて、たくさんの本を積んでいろんな場所にやって来る。今はなきテレビ番組「宮崎美子のすずらん本屋堂」(BS11)を見ていて、そんな素敵な書店があると知った(それはそうと、「すずらん本屋堂」ってなんで終わっちゃったの!? 我らが「本の雑誌」編集長・浜本茂さんもしばしば出ていらしたのに。復活を熱烈希望)。本好きにとってはまさに「鴨がネギしょってやって来た」状態ではないか! 

2017.1.17  【今週はこれを読め! SF編】イカロス、キリスト、そしてデヴィッド・ボウイ

デヴィッド・ボウイ主演映画の原作で、小説じたいは1963年が初刊、映画は76年の製作。

2017.1.6  デビューから10年を振り返る、湊かなえ初エッセイ集! デビュー前の未発表脚本も収録!

「湊かなえ」という小説家にどんな印象を持っているだろうか。

2016.12.19  作家・川村元気インタビュー:「恋愛のない時代の恋愛小説を書きたかった」

映画、小説と次々にヒットを飛ばす川村元気。今年『君の名は。』の大ヒットで注目を集めた彼が次にリリースしたのは恋愛小説。もちろん、普通の恋愛小説を彼が書くはずもなく……。

2016.12.6  『サラバ!』を経て、見えてきた新たな世界――。又吉直樹 ×西 加奈子『i(アイ)』刊行記念対談【前編】

直木賞受賞作『サラバ!』から2年。問い続けた末に生まれてきた新作『i(アイ)』は、"今"という時代に生きる意味を突きつけてくる一冊だ。

2016.12.5  「響け!ユーフォニアム2」監督・石原立也×原作者・武田綾乃対談

吹奏楽部の部員たちがコンクールに向けて練習に励み、熱い思いをぶつけ合う「響け!ユーフォニアム」。武田綾乃による原作小説は宝島社より刊行されており、テレビアニメも第2期が10月より放送中だ。

2016.11.29  SUNDAY LIBRARY:著者インタビュー 丸山正樹 『漂う子』

小説の形でしか書けないことを何とかして掬い上げたい

2016.11.27  松坂桃李×堤幸彦のタッグが帰ってくる! 「視覚探偵 日暮旅人」連続ドラマ化でファン歓喜!

主演・松坂桃李、演出・堤幸彦で、2015年11月に放送されたスペシャルドラマ「視覚探偵 日暮旅人」が連続ドラマとして2017年1月から放送されることが決定した。

2016.11.16  作家の読書道 第178回:宮内悠介さん

デビュー作品集『盤上の夜』がいきなり直木賞の候補になり、日本SF大賞も受賞して一気に注目の的となった宮内悠介さん。その後も話題作を発表し続け、最近ではユーモアたっぷりの『スペース金融道』や、本格ミステリに挑んだ『月と太陽の盤』も発表。 理知的かつ繊細な世界観はどのようにして育まれたのか。読書の変遷をたどります。

2016.11.16  リアル書店は消えるのか、模索する現場の本音

インターネット通販と電子書籍の普及から、経営に行き詰まった多くの書店が街から姿を消している。1999年に2万2,296店あった書店数は、2014年には1万3,943店に急減。「リアル書店」はこのまま消えていく運命にあるのか? 現場はどう生き残り策を模索しているのか? 立場の異なる書店の声を聞いた−−。

2016.11.9  【今週はこれを読め! エンタメ編】謎の絵画をめぐる成長小説〜青谷真未『ショパンの心臓』

芸術の秋! 隔週でお届けしている"音楽本スペシャル"、今回は第2回(最終回になる可能性もありますが...)。

2016.11.3  台湾で起こった密室殺人、鍵は日本の漫画!? 日本文化オマージュ満載の第三回島田荘司推理小説賞受賞作

中国語で書かれた未発表の推理小説に贈られる島田荘司推理小説賞。御手洗潔シリーズなどで人気の島田荘司が協力し、世界中から作品を募集するこの賞は、過去三回を数えている。すでに第四回の作品募集も開始されており、新しい才能が世界中に羽ばたくチャンスを提供し続けている。

2016.10.13  あなたの未練、お食べします――『はたらく魔王さま!』の和ケ原聡司が朗読劇で脚本に初挑戦&11月に上演決定!

勇者に追い詰められ、異世界への逃亡を余儀なくされた魔王サタン。たどりついた先は現代日本で、魔力を失いただの人間になっていた!? 生きていくには働かねばならぬ。

2016.10.7  【今週はこれを読め! ミステリー編】殺し屋オーラヴの魅力が詰まったネスボ『その雪と血を』

──人は何をきっかけに、自分は死ぬのだということを理解するのか。(中略)もちろん理由は人それぞれだろうが、おれの場合は親父が死ぬのを見たから、それがどれほど平凡で物質的なことかをまのあたりにしたからだ。蠅がフロントガラスにぶつかるみたいなものだった。

2016.10.5  【今週はこれを読め! エンタメ編】新米編集者の悪戦苦闘成長小説〜小嶋陽太郎『こちら文学少女になります』

こちらは文学中年になります。あ、これはタイトルへのアンサー。(ん? これどっかで見たなあ。あ、このコーナーで著者のデビュー作『気障でけっこうです』が取り上げられたときだ! ...ということで、よろしければ2014年12月第3週のバックナンバーをお読みになってみてください)。

2016.9.14  【今週はこれを読め! エンタメ編】小説もエッセイも楽しめる嬉しい一冊〜柳広司『柳屋商店開店中』

幼少の頃よりスパイに憧れの気持ちを抱いていた私にとって(このあたりのいきさつにつきましては、よろしければ2014年11月第2週や15年3月第2週のバックナンバーをお読みになってみてください)、『ジョーカー・ゲーム』(角川文庫)シリーズはまさにどストライクの作品群。

2016.9.2  もしかしたらアニメ化も期待できるかも!? 日本と異世界の交流を描く"2.5次元"Web小説『幻想交流』

漫画や映画などで、登場人物がその世界・物語が作りものであることを肯定する表現手法を、メタフィクションという(たとえば、「自分は主人公だから、最後は助かる」と発言するなど)。

2016.8.30  書籍読み放題「Kindle Unlimited」で作家の稼ぎ方はどう変わるのか? 鈴木みそ氏らが日本独立作家同盟のイベントで討論

NPO法人日本独立作家同盟は28日、緊急討論会「Kindle Unlimitedは独立作家の福音か?それとも悪夢の始まりか?」を都内で開催した。漫画家の鈴木みそ氏ら、セルフパブリッシングの分野で活躍する講師を招き、書籍の定額読み放題サービスの在り方について語り合った。

2016.8.27  図書館で官能小説の朗読会 女性館長「ため息や擬音も」

岐阜県飛驒市図書館(同市古川町本町)で27日、朗読会「官能小説朗読ライブ」が開かれる。月替わりで続けている「おとなの時間」企画の一環で、エロチックな描写がある短編小説を、3人の女性が1編ずつ朗読する。

2016.8.24  【今週はこれを読め! エンタメ編】古い印刷が伝える温かさと手ざわり〜ほしおさなえ『活版印刷三日月堂』

活版印刷と言われても、最近の若い方にはまったくピンとこない技術であろう(世界三大発明のひとつと言われているのに! うちの息子らはかろうじて活版印刷の知識はあったが、ガリ版を知らなかった)。

2016.8.19  業界初の試み! 芥川賞受賞作『コンビニ人間』のサイン会を"コンビニ"で実施!

『コンビニ人間』の芥川賞受賞を記念して、2016年8月24日(水)に著者・村田沙耶香のサイン会が開催される。コンビニ店頭での芥川賞受賞作家のサイン会は、もちろん今回が業界初の試みだ。

2016.8.17  【今週はこれを読め! エンタメ編】実用とエンタメの"笑える闘病記"〜新井素子『ダイエット物語......ただし猫』

健康だけが唯一の取り柄だった私の自信が揺らぎ始めたのは、40代に入った頃だった。

2016.8.10  ネット発、3億PVを記録したモンスター作品がコミカライズ! プログラマー目線で描かれる、一風変わった異世界転生モノがおもしろすぎる件

ここ数年、「なろう系」と呼ばれるジャンルの小説が次々とヒットしている。「なろう系」とは、「小説家になろう」に代表されるような無料小説投稿サイトにて注目を集め、書籍化され市場に流通された作品のこと。

2016.8.9  続きは読み手のイマジネーション次第―一瞬で読める「書き出し」だけの小説集とは?

約2年前、小説家志望でさまざまな新人賞に作品を投稿していた頃、私は奇をてらって、出だしだけの小説という切り口で短編小説を書こう考えていた。どこがおもしろいのかわからず、すぐにやめてしまったが、まったく同じ切り口の書籍が出版されている。

2016.8.4  『ぼくは明日、昨日のきみとデートする』に次ぐ、切ない運命に涙があふれる!「あやかし」と「人間」が織りなす恋愛小説が「泣ける」「胸きゅん」と大反響! 重版出来!

あやかしと人間の恋愛模様を描いた、切なくて心温まる小説がある。泣けると大反響のライト文芸『あやかし恋古書店~僕はきみに何度でもめぐり逢う~(TO文庫)』(蒼井紬希/TOブックス)だ。

2016.8.2  36歳未婚・彼氏いたことなし。コンビニのバイトは18年目……芥川賞受賞作『コンビニ人間』が『火花』に次ぐ記録達成!

2016年7月19日(火)に発表された第155回芥川賞受賞作、村田沙耶香の『コンビニ人間』の勢いが止まらない。

2016.7.27  【今週はこれを読め! エンタメ編】賃貸アパートの一室の様々な人生〜長嶋有『三の隣は五号室』

三号室の隣は、四号室ではなく五号室。これって「『四』は『死』に通ずる」というので四号室を作っていないってことですよね? 昔はこういう施設多かった気がするが、最近あまり見ないような。なぜ三号室の隣が五号室なのかまったくピンときていない(あるいは、五号室の隣は当然四号室だと勘違いしている)登場人物もいたし。

2016.7.25  「ライトノベル作家」に夢はありますか? 投稿サイト出身作家に聞く(1)

 自作小説を出版社に投稿し、新人賞を取ったり、編集者の目に留まって作家デビュー。そんなデビューの仕方は今、大きく崩れようとしているのかもしれない。

2016.7.22  作家の読書道 第174回:彩瀬まるさん

2010年に「女による女のためのR‐18文学賞」読者賞を受賞、2013年に長篇小説『あのひとは蜘蛛を潰せない』で単行本デビューを果たした彩瀬まるさん。確かな筆致や心の機微をすくいとる作品世界が高く評価される一方、被災体験をつづった貴重なノンフィクション『暗い夜、星を数えて 3・11被災鉄道からの脱出』も話題に。海外で幼少期を過ごし、中2から壮大なファンタジーを書いていたという彼女の読書遍歴は?

2016.7.22  楽天ブックス: 著者インタビュー -あんびるやすこさん「『なんでも魔女商会21 おきゃくさまはルルとララ』 『ルルとララのコットンのマカロン』」

女の子が大好きなものといえばドレスにお菓子、そして魔法!そのすべてが盛り込まれた作品で、小学生を中心に絶大な支持を集めているあんびるやすこさん。少女たちが活躍する夢と希望に満ちた物語は、今や母親世代や男の子たちのハートも掴んでいます。絵本から読み物へと移っていく年代に、「読書の楽しさを教えてくれる」と大人気のシリーズに込めた思いをうかがいました。

2016.7.15  『Re:ゼロから始める異世界生活』『ゼロの使い魔』をはじめ1200作品が50%オフ! MF文庫J 夏の"電子"学園祭フェア開催

TVアニメも絶好調な『Re:ゼロから始める異世界生活』や伝説的作品『ゼロの使い魔』などを要するレーベル「MF文庫J」。

2016.7.9  原田マハのベストセラー小説を連ドラ化 スピーチライター描く

原田マハさんのベストセラー小説「本日は、お日柄もよく」(徳間文庫)がWOWOWで連続ドラマ化されることが9日、明らかになった。

2016.7.6  世界観の変更を迫りたい、もっと強く 小説で、"すごい経験"をしてほしい

"物事はこういうふうにも考えられるんだ"──最後のページを閉じた瞬間、自らの内に起こるそんな覚醒。登場人物に寄り添い、あるいは俯瞰し、ストーリーを夢中で巡ってきたはずなのに、意識は自分に向かっている。それが白石作品の摩訶不思議さである。

2016.7.2  ラノベがやばい!! 新ヒットのキーワードは 異世界、エルフ、嫁、奴隷!?

近年ライトノベル周辺ではWEB小説と呼ばれるジャンルが盛り上がっている。「小説家になろう」をはじめとした小説投稿サイトや個人サイトなどに掲載されていた作品を書籍化したもので、『魔法科高校の劣等生』(電撃文庫)、『ダンジョンに出会いを求めるのは間違っているだろうか』(GA文庫)などのビッグヒットも生まれている。

2016.6.26  人と人と、歌と歌を重ねることによってふと見えてくるものがあるんですよね――北村薫(1)

――今年は日本ミステリー文学大賞の受賞、おめでとうございます。…といいつつ、現在の最新刊はミステリーではなく、『うた合わせ 北村薫の百人一首』(2016年新潮社刊)なので、そのお話からがよいのかな、と。これは現代短歌をふたつずつ並べてその解釈を楽しむ内容。解釈の面白さに加えて、改めて豊富な知識に圧倒されました。

2016.6.15  作家の読書道 第173回:西崎憲さん

作家、翻訳家、アンソロジスト、ミュージシャンと、さまざまな顔を持つ西崎憲さん。昨年は日本翻訳大賞を立ち上げ、今年は文芸ムック『たべるのがおそい』を創刊など、活動の場をどんどん広げていく西崎さんの原点はどこにある? その読書遍歴はもちろん、各分野に踏み出したきっかけもあわせておうかがいしました。

2016.6.13  「第10回 らぶドロップス恋愛小説コンテスト」&異世界転生恋愛小説「第1回 ムーンドロップスコンテスト」同時開催決定!

パブリッシングリンクが主催する「第10回 らぶドロップス恋愛小説コンテスト」が2016年6月1日(水)からスタート。同時に、異世界転生恋愛小説を募集する「第1回 ムーンドロップスコンテスト」も開催されている。

2016.6.7  【今週はこれを読め! SF編】竜の神話と生物学のロジック、篠田節子のサイエンス・フィクション

篠田節子はこれまでも、毒性を有する変異カイコが猛威をふるう『絹の変容』、新種日本脳炎を媒介する軟体動物が蔓延る『夏の災厄』と、描線がくっきりとしたパニックSFを送りだしてきた。『竜と流木』はそれらにつづく最新作である。人間に仇なす生物の量感でみれば、こんかいはほとんど怪獣小説といってよい。

2016.6.7  ディストピア小説、受けるワケ 「若者が自決広める扇動」「男が人工子宮で出産」

新聞や雑誌の文芸批評で、「ディストピア小説」と呼ばれるジャンルが注目されている。

2016.5.23  第3回「暮らしの小説大賞」受賞作決定! 大賞は神奈川県の限界集落に住む女性の作品

"暮らし"と"小説"をつなぐ存在になるべく、選考委員に暮らしのスペシャリストを迎え、2013年6月からスタートした新しい文学賞「暮らしの小説大賞」。

2016.5.19  短編小説「名医」直筆原稿を発見 野呂邦暢の未発表作品か [長崎県]

諫早市を拠点に活動した芥川賞作家、野呂邦暢(1937~80)の未発表とみられる直筆原稿が見つかった。「名医」と題された短編小説で、芥川賞受賞作「草のつるぎ」とは趣が違うエンターテインメント性のある作品。

2016.5.18  (世界×文学)北欧ミステリー、社会派ぞろい 不正義、真っ向から追及

北欧ミステリーの人気が定着し、ジャンルとして語られるようになってきた。特徴は、苦悩しつつ犯罪に向き合う社会派ミステリー。松本清張作品のように、日本の読者には懐かしい「真面目さ」がある。今年の翻訳ミステリー大賞は北欧の作家が選ばれ、評価も高い。

2016.5.17  【今週はこれを読め! SF編】解放されたパンドラ、温かい憧れと衝動的な飢え

人類を脅かす異形のものに、異形の力を備えながらなおも人間性を失っていない存在(いわばハイブリッド)が立ちむかう。

2016.5.13  「人工知能の小説は面白くなっていくのか?」気鋭の若手が白熱協議!

今、小説の世界に激変が起きている。2010年に登場した小説投稿コミュニティ「E★エブリスタ」では、これまでに200万点以上もの作品が発表され、すでに500点以上もの作品が書籍化。映画化・コミック化など、多メディア展開される作品も多いという。

2016.5.13  『ゴシップガール』好きにオススメ! LAのクラブが舞台!不安定な友情を描く、ハリウッド×青春×ミステリー小説

16ケ国語に翻訳され、世界同時発売。作者は「ニューヨーク・タイムズ」ベストセラー作家のひとりで、ヤングアダルト向け小説のヒット作多数。物語の舞台はLA・ハリウッドのナイトクラブ、主人公はライバル同士のティーンエイジャーで、若手有名女優の失踪を巡るミステリー。

2016.5.4  【今週はこれを読め! SF編】疑似科学を支点に、人間性が揺れ世界が軋む

宮内悠介の連作《疑似科学》シリーズが一冊にまとまった。扱われる「題材」はさまざまだが。それぞれの疑似科学は積極的な否定も肯定もされず、その渦中や周囲でおこるできごとのうちに人間性の軋みや哀しみ、不可解な感情や感覚が描きだされる。

2016.4.25  伊坂幸太郎×佐々木敦「面白い小説は"文学"ではないのか?」 エンタメと文学のあいだ

佐々木 拙著『ニッポンの文学』では、2010年代の小説の世界はどうなっていくのか、ということに言及したエピローグで伊坂さんのことを取り上げさせていただきました。

2016.4.21  「ケータイ小説は終わった」なんて大間違い! 今も16万部のヒットを生み出すスターツ出版に聞く

Yoshiの『Deep Love』がヒットしたのが2002年、美嘉の『恋空』書籍化が2006年。Wikipediaにはケータイ小説の「ブームは終わった」と書かれている。たしかにかつてのように100万部、200万部クラスの作品はなくなった。

2016.4.18  宝具作成の力を手に、異世界に転生した少年と駆け出し美少女勇者の織り成すラブコメ異世界冒険譚『緋天のアスカ』

「MFブックス」「アリアンローズ」のフロンティアワークスが 、ライトノベルを卒業した大人の男性に贈る、新しいライト文芸レーベル「ノクスノベルス」。

2016.4.13  【今週はこれを読め! エンタメ編】稀代の目利きのアンソロジー『楽しい夜』偏愛ベスト3+1

2015年12月第1週に取り上げた『コドモノセカイ』(よろしければバックナンバーをお読みになってみてください)同様、岸本佐知子氏の編訳によるアンソロジー。『コドモノセカイ』の各作品には文字通り"子ども"という共通項があったけれども、あとがきによれば本書は「テーマを決めずに、そのときどきに見つけた面白い翻訳小説を不定期に翻訳」していた連載を中心にまとめたものとのこと。

2016.4.9  日本初公開となる貴重なシンデレラの絵本やグッズを150点紹介「シンデレラの世界展」

19世紀から20世紀中頃にかけて、アメリカで出版された貴重なシンデレラの絵本や、印刷物を展示する「シンデレラの世界展」が2016年4月23日(土)~6月22日(水)まで「日比谷図書文化館」で開催される。

2016.4.4  乃木坂46・高山一実による初の長編小説連載がスタート!

雑誌『ダ・ヴィンチ』5月号(4月6日発売)より、女性アイドルグループ・乃木坂46の高山一実による小説連載が隔月でスタートする。タイトルは「トラペジウム」だ。

2016.4.3  二階堂ふみが無邪気でエロい"金魚"を演じる『蜜のあわれ』 原作本が売れている!

4月1日から全国公開されている映画『蜜のあはれ』。

2016.3.31  かこさとしさん、90歳 続々新刊「もっと書きたい」

「だるまちゃんとてんぐちゃん」「からすのパンやさん」など、3世代にわたって読み継がれてきた作品で知られる絵本作家加古里子(かこさとし)さんが31日、90歳の誕生日を迎え、卒寿の祝賀を受けた。創作への情熱は変わらず、4月には2冊の新刊が出る。

2016.3.22  【今週はこれを読め! SF編】ロボットの教養小説、SFを対象化するSF(みたいな小説)

ロデリックはミネトンカ大学のコンピュータ・サイエンス科で開発されたロボットだ。

2016.3.19  万城目学の2年半ぶりの長編は、自伝的小説!? 作家志望の雑居ビル管理人が巻き込まれた世界の一大事とは?

「なりたい自分」を追い求める日々のなかで、誰もが恐れるのは、自分のあがいてきた時間が無駄になることではないだろうか。

2016.3.5  志賀直哉:手紙など1万超、遺族が近代文学館に寄贈 父との不和、赤裸々に

日本近代文学館(東京都)は4日、作家・志賀直哉(1883〜1971年)の遺族から原稿や草稿、書簡や写真など1万1886点の寄贈を受けたと発表した。

2016.3.5  池井戸潤が描く企業の不祥事隠蔽 ―働く意味を見失った普通の人々

歯車のひとつに過ぎない従業員の間違った行動で、企業は途端にうまく回らなくなる。

2016.2.28  島田雅彦インタヴュー:「文学は自然界と同様に多様性が命だ」

ローリングストーン日本版 アーカイヴ・インタヴュー

2016.2.25  芥川・直木賞受賞者が贈呈式で感謝 本谷有希子氏「人に恵まれた」

『第154回芥川賞・直木賞(平成27年度下半期)』の贈呈式が25日、都内ホテルで行われ、芥川龍之介賞に選出された滝口悠生氏、本谷有希子氏、直木三十五賞の青山文平氏が出席し、受賞の喜びを語った。

2016.2.25  ピース又吉がきっかけ!? 俳句をSS作品として紡ぐ「五七五の小説工房」オープン!堀本裕樹×田丸雅智対談【前編】

定期的にWEB上で俳句を公募し、特選、秀逸、佳作を決定して選評をつけ、さらにその中から二句を選んでショートショート作品として紡ぐという、俳人の堀本裕樹さんとショートショート作家の田丸雅智さんがコラボレートする企画「五七五の小説工房」が2月25日に双葉社の文芸WEBマガジン『カラフル』にオープンする。

2016.2.23  【今週はこれを読め! SF編】パンデミック後の未来、FBI捜査官コンビが不可解事件を追う

『ロックイン』は近未来SFミステリ、それも相棒(バディ)ものだ。

2016.2.18  今年の『このミス』大賞は、異色の経済サスペンス! 株取引の天才「黒女神」は人の心も読み解く?

「世の中、金だけがすべてだ」とは言い切れないが、金がないと何もできないことは間違いない。

2016.2.9  【今週はこれを読め! SF編】ねじれた宇宙外交事情を背景としたウルトラマンの闘い

昨夏に刊行されたウルトラ怪獣アンソロジー『多々良島ふたたび』に続く、円谷プロ×早川書房の公式コラボ企画の第二弾。こんかいは書き下ろし長篇だ。

2016.1.27  人々の暮らしと共に蔓延していく穢れ! 小野不由美『残穢』の恐怖

小野不由美氏はデビュー以来、恐怖の物語にこだわり続けてきた作家だ。

2016.1.26  誕生から30年を迎える『かいけつゾロリ』の魅力とは!?

Twitter上で現在、「#あなたの大好きな児童文学教えてください」というハッシュタグが賑わっている。

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