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るうに関連する小説ニュースまとめ

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るう ニュース検索結果

2021.8.10  【今週はこれを読め! SF編】江戸川乱歩をドストエフスキーへ還流する、文学的メビウスの環

巻頭に配された「アントンと清姫」、巻末を飾る書き下ろし作品「ドグラートフ・マグラノフスキー」。もうタイトルを見ただけでワクワクするではないか。文学とSFのセンスに優れた名手、高野史緒による超絶リミックス作品集である。全六篇を収録。

2021.7.26  作家の読書道 第231回:佐藤究さん

今年『テスカトリポカ』が山本周五郎賞と直木賞を受賞、注目を集める佐藤究さん。幼い頃はプロレスラーになりたかった福岡の少年が、なぜ本を読み始め、なぜ小説を書き始め、なぜ群像新人文学賞受賞後に江戸川乱歩賞で再デビューしたのか。そしてなぜ資本主義について考え続けているのか。直木賞発表前の6月、リモートでおうかがいしました。

2021.7.20  【今週はこれを読め! SF編】夢の国を旅して"覚醒する世界"へと至る

原題はThe Dream-Quest of Vellitt Boe、物語がはじまる街の名はウルタールとくれば、ピンとくるひとも多かろう。この作品の霊感源はH・P・ラヴクラフトだ。

2021.7.13  【今週はこれを読め! SF編】伊藤典夫が手ずから選んで訳した英米SFの名作八篇

伊藤典夫さんと言えば、日本にジャンルSFが定着しはじめた1960年代から英米のSF動向を紹介、新鮮な作品の翻訳を担ってきた第一人者。その伊藤さんがこれまで翻訳したなかから、とくに思いいれの深い作品を選りすぐったアンソロジーが本書である。

2021.6.23  【今週はこれを読め! エンタメ編】過去にとらわれた男の旅〜遠田潤子『緑陰深きところ』

主人公の三宅紘二郎は、40年以上前に大阪・ミナミの外れで「河童亭」というカレー店を開いて、すでに70歳を過ぎた。

2021.6.18  【今週はこれを読め! ミステリー編】疾風怒濤のホラー西部劇『死人街道』

神を激しく憎みながらその憎悪の対象に祈りを捧げる以外の生き方を知らない男。

2021.5.26  【今週はこれを読め! エンタメ編】おもちさん83歳の日々〜朝倉かすみ『にぎやかな落日』

私があと30年生き長らえることができれば、主人公のおもちさんと同年代になる。

2021.5.21  【今週はこれを読め! ミステリー編】九歳の少年が出会う苛酷な世界『ブート・バザールの少年探偵』

少年が出会った世界には光が降りそそいでいたか。それとも。

2021.5.6  【今週はこれを読め! SF編】ゴールドラッシュの小惑星で繰りひろげられるアクションSF

ロバート・シルヴァーバーグ『小惑星ハイジャック』(創元SF文庫)

2021.4.14  【今週はこれを読め! エンタメ編】料理とおみくじで一歩を踏み出す短編集〜冬森灯『うしろむき夕食店』

食べ物の描写がおいしそうな文章は、もうそれだけでありがたい。食は大事。栄養学的な観点からももちろんだけれど、単純においしいものを食べたときの格別な幸せを思うだけでも、食事の大切さは決してないがしろにできないと思う。...という意見に賛同してくださるあなたに、ぜひおすすめしたい本がございますのよ。

2021.2.24  【今週はこれを読め! エンタメ編】かけがえのない日常を描く短編集〜奥田英朗『コロナと潜水服』

奥田英朗さんの小説を読むとたいてい心に浮かんでくるのは、「身につまされる」という言葉だ。奥田作品と一口にいっても読み心地は幅広くて、『最悪』(講談社文庫)のようなエッジの効いたものももちろんすごいのだが、個人的には『家日和』(集英社文庫)などのそんなに大きな事件は起こらないけれどもかけがえのない日常が描かれた小説が好きだ。そして、『コロナと潜水服』もそういった作品5編が集められた短編集である。

2021.2.19  【今週はこれを読め! ミステリー編】フィルム・ノワールのような警察小説『刑事失格』

一言で表すなら、フィルム・ノワールの気配をまとった警察小説である。

2021.2.2  【今週はこれを読め! SF編】AIの本質と人間の情動

郝景芳『人之彼岸』(早川書房《新☆ハヤカワ・SFシリーズ》)

2021.1.26  【今週はこれを読め! SF編】陰に隠れた幻想小説の水脈の発見

橋本勝雄編『19世紀イタリア怪奇幻想短篇集』(光文社古典新訳文庫)

2020.12.23  【今週はこれを読め! ミステリー編】満身創痍の探偵ハリー・ホーレを読むべし!

満身創痍という四文字がこれほど似合う男はいない。

2020.11.24  【今週はこれを読め! SF編】ハイテク汚濁都市にあらわれた神話的存在感を放つ女

作者サム・J・ミラーは2000年代に作家活動をはじめているが、本格始動は2012年。翌13年にシャーリイ・ジャクスン賞短篇部門を受賞、それ以降、いくつもの賞の候補になり、年刊傑作選収録の常連となっている。本書は2018年刊行の第二長篇で、ジョン・W・キャンベル・ジュニア記念賞を受賞した。

2020.10.15  独占インタビュー「ラノベの素」 大森藤ノ先生『ダンジョンに出会いを求めるのは間違っているだろうか』

独占インタビュー「ラノベの素」。今回は2020年10月15日にGA文庫より『ダンジョンに出会いを求めるのは間違っているだろうか』第16巻が発売された大森藤ノ先生です。TVアニメ第3期も10月より放送開始となる中、原作小説は新たな展開を迎える新章に突入します。2013年の『ダンまち』シリーズ刊行から約7年。過去から現在までを振り返り、作品との向き合い方や物語の立ち位置、そして本編から紐解くベル・クラネルをはじめとしたキャラクター達の成長に関するお話など、様々にお話をお聞きしました。ファン必見の『ダンまち』の今を語ります!

2020.10.13  【今週はこれを読め! SF編】物珍しさではなく、作品そのものの価値で語られるべき充実のアンソロジー

イスラエルSFのアンソロジー。原著はアメリカで2018年に刊行されたが、編者のふたりはイスラエル人だ。

2020.8.31  【今週はこれを読め! ミステリー編】鼻つまみものの刑事の危険な小説『笑う死体』

探偵は信用できないが、謎解きのためには作者を信頼するしかない。

2020.6.27  作家の読書道 第218回:藤野可織さん

不穏な世界を時に美しい言葉で、時に奇想を炸裂させた設定で描き出す藤野可織さん。2013年には『爪と目』で芥川賞を受賞、最近では女性2人が破滅に向かう世界で活き活きと冒険する『ピエタとトランジ<完全版>』が評判に。この世界観を生み出す背景に、どんな読書遍歴があったのでしょう? 小説だけでなく、影響を受けた漫画や好きな映画や俳優についてもたっぷり教えてくださいました。

2020.6.23  【今週はこれを読め! ミステリー編】追い詰められた者の小説『その手を離すのは、私』

逃亡者、あるいは追い詰められた者の小説というべき作品である。

2020.6.10  【今週はこれを読め! ミステリー編】小説の暴力性を描く『念入りに殺された男』

暴力の小説であり、小説の暴力性についての物語でもある。

2020.5.28  【今週はこれを読め! ミステリー編】人間の残酷さを浮かび上がらせる作品集『おれの眼を撃った男は死んだ』

シャネル・ベンツ『おれの眼を撃った男は死んだ』(東京創元社)には、優れた短篇に与えられるO・ヘンリー賞を2014年に獲得した「よくある西部の物語」を含む10の小説が収められている。知っている限りベンツが邦訳されるのはこれが初めてだ。テネシー州メンフィス在住で、ローズ・カレッジで教鞭を執っているという以外の経歴はわからない。

2020.5.26  【今週はこれを読め! SF編】7分間のお楽しみ。いずれ劣らぬ十一篇。

昨夏に刊行された『5分間SF』につづく、草上仁の短篇集。〈SFマガジン〉に1991年から2006年にかけて発表された十篇に、書き下ろしの一篇を加えた一冊だ。

2020.5.21  【今週はこれを読め! ミステリー編】達人ミネット・ウォルターズの性格劇『カメレオンの影』

ミステリーの興趣は性格喜劇、もしくは悲劇のそれにつながる。

2020.5.19  【今週はこれを読め! SF編】初期筒井短篇の社会批判と心理的題材

ユニークな海外SF翻訳によって、俄然、読者の期待を集めている竹書房が、日本SFにも乗りだした。第一弾は、筒井康隆初期短篇の再編集版。編者はファンにはお馴染みの日下三蔵さんだ。以前に編んだ『日本SF傑作選1 筒井康隆 マグロマル/トラブル』(ハヤカワ文庫JA)と対になる内容とのこと。

2020.4.29  【今週はこれを読め! エンタメ編】"最後の文士"の告白〜岩井圭也『文身』

主人公の庸一は、最初に就職した工場で自分の名前の漢字を聞かれて「凡庸の庸」と答えた。しかし、実際には凡庸どころの話ではない。須賀庸一という人間は、まぎれもなく希有な存在だと思う。

2020.4.23  【今週はこれを読め! ミステリー編】颯爽と八方破れな『弁護士ダニエル・ローリンズ』登場!

人生に絶望するにはまだ早い、と教えてくれる小説である。

2020.3.11  【今週はこれを読め! エンタメ編】リアルさに惹きつけられる絲山秋子『御社のチャラ男』

題名からして傑作の予感しかしない、と思った。「御社」と「チャラ男」のミスマッチ感は、作品自体の万華鏡めいたおかしみにも通じるものがある。

2020.2.19  【今週はこれを読め! エンタメ編】夢に向かって進む女子の物語〜柴田よしき『お勝手のあん』

ところは日本、ときは安政の世。だけど『お勝手のあん』は、まぎれもなく『赤毛のアン』の系譜につながる少女小説だった。時代の波に流されずに男女の別や身分の違いに抗って生きることに少しずつ目覚めていく主人公・やすの姿には、現代を生きる我々も勇気づけられる。

2020.2.10  【今週はこれを読め! ミステリー編】染み入るような警察小説『カタリーナ・コード』

染み入るような、という表現はこういう小説のために使うべきなのだろう。

2020.1.14  【今週はこれを読め! SF編】ラヴクラフトを切歯扼腕させる十六篇

H・P・ラヴクラフトの系譜に連なるフィクションは、ひとつの文芸ジャンルを形成するほどである。ご本尊はその気はなかったのだろうけれど、彼の死後、オーガスト・ダーレスによって体系化された「クトゥルー神話」が、合い言葉さえ唱えればだれでも入会できる結社というか、わかりやすいアイテムに満ちた二次創作製造エンジンのようなもので、それが自走的に機能しているのだ。

2020.1.7  【今週はこれを読め! SF編】横たわるグリオール以前と、死んだグリオール以後

『竜のグリオールに絵を描いた男』につづく、シリーズ第二短篇集。この欄で前作を取りあげたおりにふれたが(http://www.webdoku.jp/newshz/maki/2018/09/11/173735.html)、麻痺状態で横たわりながらも成長をつづける超巨大竜グリオールをめぐる物語だ。グリオールは人間を操るとひとびとは信じている。しかし、実際に竜の意志がテレパシー的に働いているのか、それとも人間の心にある呪術信仰による誘導なのか、あるいは運命論的な見立てで事後に物語化されるのか、判然としない。そこから醸しだされる靄のような感覚がじつにみごとだ。定型的なファンタジイ設定にはおさまらない世界である。

2020.1.6  冬アニメ『魔術士オーフェンはぐれ旅』原作者・秋田禎信さん&オーフェン役・森久保祥太郎さんインタビュー|森久保さんが現場一番の若手から若手を引っ張る座長へ

1994年に小説連載が始まり、1998年にアニメ化、2019年には舞台化と、長年に渡ってたくさんのファンに愛され、様々な展開を見せてきた『魔術士オーフェンはぐれ旅』。

2019.12.28  作家の読書道 第213回:河﨑秋子さん

東北と北海道で馬と暮らす人々を描いた物語『颶風の王』で注目され、単行本第二作『肉弾』で大藪春彦賞を受賞、新作短編集『土に贖う』も高い評価を得ている河﨑秋子さん。北海道の酪農一家で育ち、羊飼いでもあった彼女は、どんな本を読み、いつ小説を書きはじめたのか。これまでのこと、これからのことを含め、たっぷりと語っていただきました。

2019.12.18  【今週はこれを読め! エンタメ編】音楽が聴こえてくるような短編集〜恩田陸『祝祭と予感』

優れた音楽小説であり、さらに直木賞と本屋大賞の両方を受賞した『蜜蜂と遠雷』の愛読者にはたまらないファンブック的な要素も持ち合わせているのが本書。私にとっても『蜜蜂と遠雷』はその年に読んだ本のベストだったので(確か朝井リョウさんも同じ趣旨のことを語ってらして、意を強くしたものです)、『祝祭と予感』は期待を胸に読み始めたのだが、もう涙ものだった。

2019.12.10  【今週はこれを読め! SF編】複雑にもつれる多民族・多文化の未来史

アリエット・ド・ボダールは2006年から作品発表をはじめ、これまでにネビュラ賞、ローカス賞、英国SF協会賞を受賞し、各種の年刊SF傑作選へも多くの作品が採られている、旬の作家だ。彼女がデビュー直後から書きついでいるシリーズ《シュヤ宇宙》は、コロンブスと同時期に中国人がアメリカ大陸に到着し、独自の植民地文化を発展させた時間線上に展開する、長大なスケールの人類史だ。本書は、同シリーズこれまでに発表された31作品のうちから、9作品を選んで訳出した日本オリジナル短篇集だ。

2019.11.19  【今週はこれを読め! SF編】遍歴のなかで次々と物語内人物に重なる、ロマンチックな異界往還譚

アメリカの怪奇幻想文学史を概観した資料を読むと、日本ではさほど知られていないものの、〈ウィアード・テールズ〉以前の時期に活躍した重要作家としてかならず言及されている人物がいることに気づく。ひとりはロバート・W・チェンバース、もうひとりがこのジェイムズ・ブランチ・キャベルだ。

2019.11.12  【今週はこれを読め! SF編】「宇宙」と「時間」、対になった二冊のテーマ・アンソロジー

二冊組みのアンソロジー。いっぽうは「宇宙」、もういっぽうが「時間」がテーマだ。作品を寄せているのは、創元SF短編賞からデビューした俊英たちである。

2019.10.26  作家の読書道 第211回:又吉直樹さん

お笑い芸人として活躍する一方で読書家としても知られ、発表した小説『火花』で芥川賞も受賞した又吉直樹さん。著作『第2図書係補佐』や新書『夜を乗り越える』でもその読書遍歴や愛読書について語っていますが、改めて幼少の頃からの読書の記憶を辿っていただくと、又吉さんならではの読み方や考察が見えてきて……。

2019.8.30  独占インタビュー「ラノベの素」 タンバ先生『最強出涸らし皇子の暗躍帝位争い』

独占インタビュー「ラノベの素」。今回は2019年9月1日にスニーカー文庫より『最強出涸らし皇子の暗躍帝位争い』が発売されるタンバ先生です。帝位争いが激化する帝国内において、出涸らし皇子とバカにされる一人の皇子が、双子の弟を帝位につかせるために暗躍を始めるファンタジーシリーズ。作品の裏側や内容についてはもちろん、2つの顔を有する主人公の暗躍の魅力、そして本作の見どころについてお聞きしました。

2019.8.24  作家の読書道 第209回:吉川トリコさん

2004年に「ねむりひめ」で第3回「女による女のためのR-18文学賞」で大賞と読者賞を受賞した吉川トリコさん。以来、映像化された『グッモーエビアン!』や、あの歴史上の女性の本音を軽快な語り口で綴る『マリー・アントワネットの日記』、そして新作『女優の娘』など、女性、少女を主なモチーフにさまざまな小説を発表。その作風に繋がる読書遍歴を語ってくださいました。

2019.8.20  【今週はこれを読め! SF編】自由意志をめぐる鋭角的な思考実験を、青春小説のスタイルで語りきる

粒ぞろいの短篇集。収録作六篇がどれも年間ベスト級の傑作である。事実、「なめらかな世界と、その敵」「ゼロ年代の臨界点」「美亜羽へ贈る拳銃」「ホーリーアイアンメイデン」の四篇は、創元SF文庫の年刊日本SF傑作選(大森望・日下三蔵編)に採られている。あとの二篇は、ポストサイバーパンクの異色作「シンギュラリティ・ソヴィエト」と、書き下ろしの「ひかりより速く、ゆるやかに」。

2019.7.26  【今週はこれを読め! ミステリー編】英統治下インドでもがく警部と部下『カルカッタの殺人』

解けない謎があることのもどかしさを楽しさに変換してくれる警察小説だ。

2019.7.18  独占インタビュー「ラノベの素」 八目迷先生『夏へのトンネル、さよならの出口』

独占インタビュー「ラノベの素」。今回は2019年7月18日にガガガ文庫より『夏へのトンネル、さよならの出口』が発売された八目迷先生です。第13回小学館ライトノベル大賞にて「ガガガ賞+審査員特別賞」を同作で受賞し、満を持してデビューされます。「本当に欲しいもの」を手にするために、時空を超える摩訶不思議なトンネルに挑む少年少女の物語を描く本作。駆けた先に待っているものはなんなのか。本作の内容や作品の着想、キャラクターについてもお聞きしました。

2019.7.16  ピース又吉の恋愛小説『劇場』が映画化 主演・山崎賢人、ヒロイン・松岡茉優の同い年コンビ

長編デビュー作『火花』で第153回芥川賞を受賞したお笑いコンビ・ピースの又吉直樹の受賞後第1作となる小説『劇場』が、映画化されることが決定し、松竹とアニプレックスの共同配信で公開。行定勲監督がメガホンを取り、主演は山崎賢人(24)、ヒロインは松岡茉優(24)の"同い年コンビ"が務めることが発表された。

2019.7.9  【今週はこれを読め! SF編】何度も滅びて再興する三体世界の文明、それが地球にもたらすもの

質・量ともに中国の現代SFの隆盛がめざましい。その頂点に位置するメガヒット作が本書『三体』だ。もとはSF専門誌〈科幻世界〉に連載されたもので、2008年に単行本が刊行。続篇の『黒暗森林』『死神永生』と併せ、これまでに2100万部を売り上げたとも言われている。ケン・リュウの手による英訳版はヒューゴー賞を射止めた。おそらく今世紀に入ってからいままでのSFシーンにおいて最高の話題作だ。

2019.7.2  【今週はこれを読め! SF編】架空都市をめぐる36の断章

ギョルゲ・ササルマンはルーマニアのSF作家。1941年生まれだから、アメリカのサミュエル・R・ディレイニー(42年)、ジョー・ホールドマン(43年)、イギリスのクリストファー・プリースト(43年)、イアン・ワトスン(43年)と同じ世代にあたる。日本ならば田中光二(41年)、伊藤典夫(42年)。大ベテランだ。

2019.6.25  【今週はこれを読め! SF編】もはやそれほど危険ではないが、アイデア・ストーリーとして面白い

アメリカSFはその揺籃期(二十世紀の幕開けから1920年代)において、科学技術ホビイストあるいはティーンエイジャーむけの大衆文芸として発展してきた。その後、1930年代末の〈アスタウンディング〉誌でのキャンベル革命、1950年代初頭の〈F&SF〉や〈ギャラクシー〉での文芸的洗練があり、読者層も大きく広がるのだが、作品が扱うテーマや表現面における自己検閲(作家自身による、または編集者による)は根強く残っていた。SF界の風雲児ハーラン・エリスンは、そうした風潮に敢然と叛旗を翻し、このオリジナル・アンソロジーを企画した。

2019.6.11  【今週はこれを読め! SF編】実体と魔物に分かれたひとり。止められない戦争をいかに生きるか?

上田早夕里は小松左京の名を冠した公募新人賞からデビュー、その受賞経歴にふさわしく、人類史的スケールの視座から、しかしいっぽうで地に生きる個人の意志や情動を取りこぼさずに描く、骨太の作品を送りだして、読者の注目を集めてきた。そのいっぽう、《妖怪探偵・百目》や《洋菓子》など、別の領域の作品でも一定の評価を得ている。きわめて懐の深いクリエーターといえるだろう。

2019.5.28  【今週はこれを読め! SF編】感覚情報翻訳者が活躍する凝った構成のミステリ連作

デビュー作『風牙』につづく、《感覚情報翻訳者(インタープリンタ)》シリーズ。感覚情報翻訳者とは、レコーディングされた記憶に潜行(ダイブ)して、そのままではノイズのかたまりのようなデータを、意味のある映像へ成形するプロフェッショナルである。誰でもできる技術ではなく、生まれもっての資質が問われる。HSP(ハイパー・センシティブ・パーソン)と呼ばれる共感能力だ。この物語の主人公である珊瑚はグレード5。百万人にひとりしかいないトップレベルの能力者だ。

2019.5.24  【今週はこれを読め! ミステリー編】"世界一優秀な探偵"コール&パイク登場『指名手配』

あなたの世界にかぎ裂きができてしまい、涙にくれているとする。

2019.5.7  【今週はこれを読め! SF編】間近にあるディストピア、奪われた声をいかに取り戻すか

舞台は近未来のアメリカ。いや、近未来というよりも、現代というべきだろう。ここに描かれた事態は、アメリカでまさに進行中の悪夢だ。保守化、パターナリズム、押しつけの道徳、差別の正当化。

2019.4.27  作家の読書道 第205回:今村昌弘さん

2017年に鮎川哲也賞受賞作『屍人荘の殺人』でデビューした今村昌弘さん。意表を突くクローズドサークルの設定が話題となり、年末の各ミステリランキングで1位になり、本格ミステリ大賞も受賞。第2作となる『魔眼の匣の殺人』も期待を裏切らない内容で、今後の活躍が楽しみな新鋭です。でも意外にも、昔からミステリ作家を目指していたわけではなかったのだとか。ではどんな本が好きだったのか、そして作家を目指したきっかけは?

2019.4.2  【今週はこれを読め! SF編】いつか卑徒(ひと)になる日まで

酉島伝法のデビュー作「皆勤の徒」は衝撃だった。同作を巻頭に収めた同題の連作集は、第三十四回日本SF大賞を射止めた。選考委員ほぼ全員が一致しての受賞決定である。また、〈本の雑誌〉で二〇一五年におこなった「21世紀SFベスト100」(選者は鏡明、大森望、牧眞司)でも堂々の第一位に選出された。まさに怪物的作品といえよう。

2019.3.23  作家の読書道 第204回:上田岳弘さん

デビュー作「太陽」の頃から、大きな時間の流れの中での人類の営みと、個々の人間の哀しみや郷愁を融合させた作品を発表し続け、『私の恋人』で三島由紀夫賞、そして今年『ニムロッド』で芥川賞を受賞した上田岳弘さん。5歳の頃から「本を書く人」になりたかった上田さんに影響を与えた本とは? 作家デビューを焦らなかった理由など、創作に対する姿勢も興味深いです。

2019.3.5  【今週はこれを読め! SF編】ティプトリー風の表題作から中国伝奇アクションまで

ケン・リュウ三冊目の日本オリジナル短篇集で、二十篇を収録。さまざまな傾向の作品を書きわける安定したストーリーテリングの作家だが、内戦や難民、差別、格差など現代的な問題を(作品によって濃淡はあるものの)設定と深く結びつくかたちで織りこんでいるのが特色といえよう。

2019.2.12  【今週はこれを読め! SF編】幻想への航海、宙づりのままに残る謎

カール・エドワード・ワグナーが「LSDでぶっとんだメルヴィルが書いた『宝島』」と評した奇書である。ただし、表面的な筋を追うぶんには、ストレートな海洋幻想譚にすぎない。重要なのは、物語の向こう側にある何かだ。

2019.1.8  【今週はこれを読め! SF編】日本SFの新しいプラットホーム、ここから始まる。

SF出版では海外SF紹介から出発した東京創元社だが、2007年に日本SFの名作再刊に手を染め、2010年以降は創元SF短編賞(募集は前年から)によって次々と新しい才能を発掘してきた。いまや新鮮な日本SFの最重要供給源である。

2018.12.22  作家の読書道 第201回:古内一絵さん

映画会社に勤務したのち作家デビューを果たし、さまざまな舞台を選んで小説を執筆している古内一絵さん。ドラァグクイーンが身体にやさしい夜食を出してくれる「マカン・マラン」もいよいよ完結、今後の作品も楽しみなところ。では、どんな読書体験を経て、なぜ小説家へ転身を果たしたのか。その転機も含めて読書遍歴をおうかがいしました。

2018.12.20  韓国の小説シェア、日本がトップ 東野圭吾らブームに

韓国最大規模の書籍チェーン「教保文庫」によると、2018年に販売した小説のうち日本人作家のシェアが31%を占め、韓国の小説(29.9%)を初めて上回った。書籍全体のベストセラー10位以内に薬丸岳「誓約」や、東野圭吾「ナミヤ雑貨店の奇蹟」などミステリー小説が入った。

2018.12.18  【今週はこれを読め! SF編】ベテランから新人まで個性豊かな書き下ろしアンソロジー

もう何度も書いていることだが、ここ数年の日本SFは空前の収穫期にあって、ベテランから俊英まで多くの才能が質の高い作品を送りだしている。惜しむらくは本来の受け皿たるべきSF専門誌が隔月刊の〈SFマガジン〉しかなく、しかも連載中心になってしまっていることだ。一般誌やWebなどSFを受けいれる媒体は以前より広がっているものの、ジャンルの求心力となる場が圧倒的に少ない。

2018.12.4  【今週はこれを読め! SF編】ガンマ線バーストでも終わらない世界のために

第六回ハヤカワSFコンテスト優秀賞受賞作。六篇の連作からなり、遠い未来が舞台だ。もはや人間は肉体にしばらておらず、思うがままに精神をアップロードできる(これが表題の「トランスヒューマン」たる所以)。「童話」をうたっているのは、誰もが知っているような童話を下敷きにしているからだ。

2018.11.9  【コラム】 アニメ化決定!「俺を好きなのはお前だけかよ」最速インタビュー! シリーズ最新「俺好き10巻」情報も!

電撃文庫のラブコメ「俺を好きなのはお前だけかよ」のTVアニメ化が発表!シリーズ構成と脚本を原作者:駱駝先生が担当され、アニメ公式サイトには『原作とは違うアニメだからこそ!』が。アニメは原作から改変するのかなどお訊きしました!(取材・文:かーずSP、協力:MyDearest、平和)

2018.10.27  作家の読書道 第199回:瀧羽麻子さん

京都を舞台にした「左京区」シリーズや、今年刊行した話題作『ありえないほどうるさいオルゴール店』など、毎回さまざまな作風を見せてくれる作家、瀧羽麻子さん。実は小学生の頃は授業中でも読書するほど本の虫だったとか。大人になるにつれ、読む本の傾向や感じ方はどのように変わっていったのでしょうか。デビューの経緯なども合わせておうかがいしました。

2018.10.9  【今週はこれを読め! SF編】This could be heaven or this could be Hell

レーナ・クルーンはフィンランドの現代作家。これまでかなりの作品が翻訳されており、そのほとんどが広義の幻想小説だった。本書ははっきりとSFに分類できる作品だが、同時に寓話性も強い。ただし、一意的に解釈されるような寓意ではなく、意味を解くよりも読者が考えつづける契機となる寓意である。

2018.9.6  モデルはNHK!? 湊かなえ初の青春小説。高校の放送部によるドラマコンテストの熾烈な争い

初の新聞連載にして初の青春小説。湊かなえさんの新作『ブロードキャスト』は放送部を舞台に全国放送コンテスト出場をめざす高校生たちの熱血を描き出す。

2018.8.21  【今週はこれを読め! SF編】土地そのものとしての精霊、歴史の底から甦る異教の魅惑

日本版オリジナル短篇集。「解説」で植草昌実さんが述べているように、ブラックウッドはイギリス怪奇幻想作家のなかでは、早い時期から知られた作家で、それなりの数の作品が邦訳されている。本書は、新訳2篇、初訳3篇、つごう5篇の構成だ。

2018.8.10  【今週はこれを読め! ミステリー編】頼りない男の犯罪小説〜ジョー・ネスボ『真夜中の太陽』

まだ気がついていない読者のために書いておくが、ジョー・ネスボはミステリー界の宝だ。

2018.8.3  【今週はこれを読め! ミステリー編】背筋が寒くなる怖い話アンソロジー『怪異十三』

夏といえば〈幻想と怪奇〉でしょ、というあなたにお薦め。

2018.7.11  【今週はこれを読め! エンタメ編】惹かれあう女子二人の書簡小説〜三浦しをん『ののはな通信』

生涯ただ一度しか経験できないような、その人のことを思うと何も手につかなくなるほどの恋。

2018.6.22  【今週はこれを読め! ミステリー編】足枷だらけの警察小説『影の子』がいいぞ!

いかに状況を宙吊りにするか。それがサスペンスを書くための条件である。

2018.6.20  【今週はこれを読め! エンタメ編】胸を打つ映画会社の同期会〜古内一絵『キネマトグラフィカ』

2018年現在、映画館で映画を上映する際のしくみがどうなっているのか正確には理解していないが(いや、昔もできていなかったが)、映写機が使われることがほとんどなくなったことは知っている。また、映画館の多くがシネマコンプレックス形式になっていること、名画座の数がどんどん減っていること等々、映画を取り巻く状況は昭和の時代からするとだいぶ変わった。

2018.6.16  【今週はこれを読め! ミステリー編】少女の幽霊と孤島の殺人事件『空の幻像』

最果ての孤島とそこに伝わる幽霊伝説という絶妙の舞台で展開する、精緻極まりない謎解き小説。それがアン・クリーヴス『空の幻像』(創元推理文庫)だ。

2018.5.22  『二度目の人生を異世界で』、10月よりTVアニメ化決定!スタッフ情報公開

HJノベルスで刊行中の人気ライトノベル『二度目の人生を異世界で』が、TVアニメとなって、2018年10月より放送されることが決定!スタッフ情報やアニメティザービジュアルが公開された。

2018.5.22  【今週はこれを読め! SF編】赤目の男に変身する孔雀、山頂と地下をつなげる大蛇

ほんものの幻想文学。ぼくが読みたい幻想文学は「昼間の論理」「日常の辻褄」「類型的な物語」の彼方にあるものだ。『飛ぶ孔雀』は、一行目からその領域へと引きこんでくれる。

2018.5.12  【今週はこれを読め! ミステリー編】刑事ヴァランダー・シリーズ前日譚『ピラミッド』

作家が小説を書くのにはさまざまなやり方がある。

2018.5.9  【今週はこれを読め! エンタメ編】救われ救う短編集〜小嶋陽太郎『放課後ひとり同盟』

崩壊しそうな家庭に息が詰まりそうで、空に向かって足を蹴り上げ続ける。心と体の性別が一致せず、タールのような黒い液体が湧いてくる気がする。家庭に自分の居場所を見つけられず、実の母や義理の妹や飼い犬にまで反発を感じずにいられない。自分を助けてくれた同級生に似た女の子を探しながら生きている。兄や友だちの体の中に渦巻く黒いぐるぐるが見えてしまう。すべて『放課後ひとり同盟』に収録された5つの短編における、悩める登場人物たちのことだ。

2018.5.8  【今週はこれを読め! SF編】ボーイ・ミーツ・ガール物語のサイバーパンク的展開

冒頭の場面が印象的だ。ロンドンの川沿い、朽ちゆく街区の十四階建てのビルの屋上に腰かけている少年ハンター・ナッシュ。数ブロック先、さびれたスカイライン越しに、金持ちが住む高級マンション群がそびえている。ハンターのうちに滾っているのは、無軌道な衝動だ。なにかをしたい、しかし、なにをしていいかわからない。行き場のない気持ちは、ビルとビルのあいだを跳び越えるスリルへと向かう。たった五メートル、思い切ってジャンプするだけだ。

2018.5.1  独占インタビュー「ラノベの素」 北条新九郎先生『常敗将軍、また敗れる』

独占インタビュー「ラノベの素」。今回は2018年5月1日にHJ文庫より『常敗将軍、また敗れる』が発売された北条新九郎先生です。第11回HJ文庫大賞にて「大賞」を同作で受賞し、満を持してデビューされます。気になる「大賞」受賞作の内容はもちろん、規格外の主人公や「敗北」に込められた意味など作品の魅力について、お話をお聞きしました。

2018.5.1  【今週はこれを読め! ミステリー編】北アイルランドの"あぶない刑事"?『コールド・コールド・グラウンド』

もしかすると、これまで読んだなかでもっともあぶない刑事かもしれない。

2018.5.1  【今週はこれを読め! SF編】皇国の欺瞞、ナチスの残虐、アメリカの矛盾

第二次世界大戦で枢軸側が勝利し、アメリカが太平洋側の日本合衆国(USJ)と大西洋側のナチス領の分割され、両者のあいだで武力衝突を含む緊張が続いている。

2018.4.25  表現者たち:小説家・木下昌輝さん 人の業の実像に迫る

<ぐるっと兵庫・大阪・京都 カルチャー>

2018.4.19  【書評】『玄鳥さりて』葉室麟 - 横丁カフェ

この作品は、純愛と、そして自由とは何かを描いた小説だ──。

2018.4.5  エンタメ小説に相次ぐ新星作家、壮大な物語紡ぐ

エンターテインメント小説の世界に新星が登場している。デビュー第2作が文学賞に輝く作家が相次ぐ。人類の進化や迫真の活劇、海外の内戦が描かれた壮大さが魅力だ。

2018.2.20  【今週はこれを読め! SF編】ゲームをつづける町、バスを待つばかりの人生

創元SF短編賞を受賞してデビューした石川宗生の第一短篇集。四つの作品を収録している。どれも、型破りのシチュエーションから出発し、予想もつかない方向へと発展していく。奇想小説だけど、奇想だけに価値があるのではなく、それを転がしていく手つきがひどく独特なのだ。

2018.2.13  【今週はこれを読め! SF編】メタフィジカルな奇想と上品なユーモアのショートショート連作

ここ数年、ショートショートが新しい盛りあがりを見せていて、ファンとしては嬉しいかぎり。この分野では、星新一というあまりに偉大な存在がいて、かつてはその引力圏のなかに多くの作家や読者がいたのだが、最近ではやや状況が変わってきたようだ。

2018.2.6  【今週はこれを読め! SF編】月面都市に渦巻く陰謀、大仕掛けの破壊工作、息詰まるサバイバル

『火星の人』で一躍注目を集めたアンディ・ウィアーの第二作。こんどは月が舞台だ。

2018.2.5  【今週はこれを読め! ミステリー編】残酷さと恐怖をくぐりぬけた者たちの物語『蝶のいた庭』

「おそろしく寒い夜でした。雪が降っていて、ほとんどまっ暗でした----大晦日の夜のことです。この寒い夜のなか、ひとりの貧しい少女が帽子もかぶらず裸足で通りを歩いていました」

2018.1.24  作家の読書道 第190回:滝口悠生さん

野間文芸新人賞受賞作『愛と人生』や芥川賞受賞作『死んでいない者』をはじめ、視点も自在、自由に広がっていく文章世界で読者を魅了する滝口悠生さん。実は小さい頃はそれほど読書家ではなかったという滝口さんが、少しずつ書くことを志し、小説のために24歳で大学に入り学び、やがてデビューを決めるまでに読んで影響を受けた作品とは? その遍歴も含めて、たっぷりと語っていただきました。

2017.12.25  【今週はこれを読め! ミステリー編】たまらない孤独と恐怖が襲ってくる田辺青蛙『人魚の石』

童話作家として有名な小川未明は、日本文壇屈指の「怖い小説」の書き手でもある。

2017.12.11  第7回 本屋が選ぶ時代小説大賞発表!

「 オール讀物2017年12月号 」より転載

2017.11.18  阿部和重×伊坂幸太郎「私小説として読んでいただいてもいい。僕ら二人が世界を救ったんです!」奇跡の合作小説『キャプテンサンダーボルト』待望の文庫化!

純文学のフィールドで活躍する阿部和重と、エンターテインメント小説界の雄として知られる伊坂幸太郎。二人が合作小説『キャプテンサンダーボルト』を電撃刊行したのは、2014年11月のことだった。本屋大賞にもノミネートされ話題を集めた同作がこのたび、上下巻の文庫版に。この機会に改めて、合作の成果を二人にうかがい、胸を張ってもらった。

2017.11.10  【今週はこれを読め! ミステリー編】「何をされるかわからない」フランス・ミステリー『黒い睡蓮』

かつてフランス・ミステリーは「何をされるかわからない」ジャンルであった。

2017.11.7  【今週はこれを読め! SF編】ズレながら重なりあういくつもの可能性世界

クリストファー・プリーストは、もはやSF作家というより現代英文学を代表する小説家のひとりといったほうがいいだろう。

2017.10.31  今週はこれを読め! SF編】精神を共有する「ネクサス」が拓くのは、理想郷か地獄か

テレパシーによって心がつながりお互いの感覚まで共有される----これまでのSFで何度も描かれてきたアイデアだ。

2017.10.24  【今週はこれを読め! SF編】偶然性と運命のアラベスク、あるいは過去からの迷い弾

レオ・ペルッツの作品は、無理やり分類すれば幻想小説、奇想小説、歴史小説などといえなくもないけれど、ぼくがいちばんしっくりくるラベルは「アンチミステリ」だ。

2017.9.26  【今週はこれを読め! SF編】ふたつの人生とふたつの世界

歴史分岐SFは、素朴な機械論的時間観に基づくジャック・ウィリアムスン『航時軍団』をはじめ、さまざまなバリエーションが書かれてきた。

2017.9.22  【今週はこれを読め! ミステリー編】犯罪小説マニアの至宝が帰ってきた!〜『ゴーストマン 消滅遊戯』

──ロジャー・ホッブズ『ゴーストマン 時限紙幣』は、二十一世紀に入って書かれた犯罪小説の十指に入る傑作である。

2017.9.15  【今週はこれを読め! ミステリー編】15歳が世界と出会うロード・ノヴェル『東の果て、夜へ』

一人前の大人になるというのは、子供の自分を殺すことでもある。

2017.9.5  【今週はこれを読め! SF編】人間価値が低落した太陽系社会で「個人の死」は復権しうるか?

アダム・ロバーツはこれが本邦初紹介だが、2000年のデビュー以来コンスタントに作品を送りだし、中堅作家としての地位を確立している。SF賞の候補にもたびたびあがり、2012年発表の本書『ジャック・グラス伝』で英国SF協会賞とジョン・W・キャンベル記念賞の二冠を手にした。

2017.8.22  【今週はこれを読め! SF編】人類補完機構よりも古くから伝わる信仰、そして愛としあわせの物語

コードウェイナー・スミスのSF短篇をすべてまとめる《人類補完機構全短篇》も、この巻でぶじ完結。先行する二巻、『スキャナーに生きがいはない』と『アルファ・ラルファ大通り』は本欄でも紹介をしている。

2017.8.21  「天才・長身・イケメン」化学探偵が、文系読者も堪能できる謎解きを披露! 化学ミステリ『化学探偵Mr.キュリー』の読後感が爽やかすぎる!

学校で、個性的でおもしろい人たちと、刺激的な時間を過ごす。時間はあっという間に過ぎて、楽しかった思い出が心地よく胸に残る――。

2017.8.15  【今週はこれを読め! SF編】十年目を迎え、ますます好調な年刊傑作選。

創元SF文庫の《年刊日本SF傑作選》の十冊目。プロパーSFから文芸誌に掲載された奇想小説、ときに同人誌やネットで発表された秀作をピックアップする視野の広さが嬉しい。

2017.7.26  【今週はこれを読め! SF編】時間の因果を超える愛。たとえ宇宙が滅んでも。

梶尾真治は1971年のデビュー短篇「美亜へ贈る真珠」以来、時間テーマのロマンチックSFを多く手がけてきた。

2017.7.19  【今週はこれを読め! エンタメ編】世界が変わることを望んだ少年少女たちの物語〜虻川枕『パドルの子』

「パドル」とは何だろう。私がかろうじて知っていたのは、カヌーを漕ぐときの道具だったが、表紙を見る限り、この少年少女たちはカヌーイストに見えない(カヌー小説だったら、さすがにイラストでもアピールするだろう)。そう思いながらページを開けてみると、paddleという英単語の意味が掲載されていた。第1の意味は「水たまり」。

2017.7.18  【今週はこれを読め! SF編】風待町ろまん、少年の日の思い出、空から来た友だち

僕の名前は久延丕彦(ひさのべものひこ)という。足が少し不自由で人見知り、いつもひとりで遊んでいる。その日は、海岸で「宝探し」をしていた。空に太陽がこぼれおちたような光が見えたかと思うと、遠くでどーんと低い音が響く。しかし、まわりにはだれもいない。目撃したのは自分ひとりだ!

2017.7.16  今週の本棚・本と人:『茄子の輝き』 著者・滝口悠生さん

◆『茄子(なす)の輝き』 滝口悠生(たきぐち・ゆうしょう)さん

2017.7.11  【今週はこれを読め! SF編】J・P・ホーガンを超える壮大なSFミステリにしてO・ヘンリーの情緒

日本の宇宙科学研究開発機構の無人宇宙探査機〈ノリス2〉が、小惑星パンドラから持ち帰ったのは、四万年から五万年前と推測されるホモサピエンスの化石人骨だった!

2017.7.6  湖面に浮かぶ女子大生の死体は「自殺」か「他殺」か? 「隠していた事実」が浮かび上がる! "現代サスペンスの女王"最新作

真冬のような11月の早朝、凍える冷たさの湖の底で女子大生アリソンが遺体となって発見された。

2017.7.6  縄文時代に生きた少年の戦いと愛  人間の根源を描く歴史ロマン『二千七百の夏と冬』

北関東のダム建設予定地で、縄文人の古人骨が発見された。

2017.7.4  SUNDAY LIBRARY:著者インタビュー 柴田翔 『地蔵千年、花百年』

人間は矛盾の中で生きている そして、永遠には生きない

2017.6.27  【今週はこれを読め! SF編】ご先祖さまとの情事、過去へ未来へいそいそする艶笑譚

シルヴァーバーグはおびただしい著作のある作家だが、本書『時間線をのぼろう』は代表作のひとつといってよかろう。

2017.6.23  『真夜中のパン屋さん』ついに完結! それぞれが迎えた5年後の「朝」が物語をつなぐ――大沼紀子さんインタビュー【前編】

2011年に第1巻が刊行された『真夜中のパン屋さん』、通称「まよパン」シリーズ(大沼紀子/ポプラ社)。

2017.6.22  乱歩、恥じらいの生前整理? 同性愛研究など焼却か

作家の江戸川乱歩(1894~1965)が、妻や親交のあった人への手紙を大量に焼いていたことがわかった。

2017.6.6  【今週はこれを読め! SF編】名匠による娯楽長篇『スペース・オペラ』と、濃厚なたたずまいの短篇群

アメリカSF界で独自のポジションを築いたジャック・ヴァンスの魅力を、日本の読者へ伝えるために企画された《ジャック・ヴァンス・トレジャリー》全三巻が、本書で完結した。短めの長篇『スペース・オペラ』と、四つの短篇を収めている。

2017.6.6  駅を訪れる異世界人の心を魅惑の「駅メシ」でおもてなし! 異世界で繰り広げられる、グルメファンタジー『異世界駅舎の喫茶店』

近年、『異世界居酒屋「のぶ」』や『異世界料理道』『異世界料理バトル』など、異世界転移系にグルメ要素をプラスした作品が人気を集めている。

2017.5.23  【今週はこれを読め! SF編】世界全体・歴史全体を外側から描くSF──その最高到達点

キム・スタンリー・ロビンスンの《火星三部作》がついに完結した! 各作品がなんらかのSF賞を受賞している、SF史に残る名作だ。

2017.5.19  【今週はこれを読め! ミステリー編】アイスランド発、新米警官の奮闘物語〜ラグナル・ヨナソン『雪盲』

レイキャヴィークの警察学校を卒業したアリ=ソウル・アラソンは、北の外れといってもいい小都市シグルフィヨルズルの警察署に雇われる。

2017.5.10  三島と映画情熱の100点…きょうから山中湖文学の森

作家・三島由紀夫(1925~70年)と映画に焦点を当てた企画展「三島文学とその映画―『美しい星』と三島由紀夫映画作品」が10日から、山中湖村平野の「山中湖文学の森」で始まる。

2017.5.6  村上春樹さんは2時間のトークイベントで何を語ったのか?【WEBメディア単独取材ロングver.】

4月27日、新宿サザンシアターにて村上春樹さん13年ぶりとなるトークイベントが開催された。

2017.4.25  SUNDAY LIBRARY:著者インタビュー 窪美澄 『やめるときも、すこやかなるときも』

傷口を広げて見せるような物語は今の時代に合わないのだと思う

2017.4.25  【今週はこれを読め! SF編】未知との遭遇、10のスタイル

副題が示すとおりのテーマ・アンソロジーだ。「ファーストコンタクト」とは、地球外生命体との接近遭遇である。ファースト、すなわち最初の接触なので、お互いのことがわからず、手探りになるし誤解や疑心暗鬼を生じる。その過程で、人類の文化や知性が相対化される。

2017.4.18  【今週はこれを読め! SF編】独自の二十一世紀日本を舞台にした異色の侵略SF

『光の塔』は、日本SF史を語るうえで欠くことができない名作だ。初刊は1962年。解説で日下三蔵さんが指摘しているように「SF専門作家による長篇SFの第一号」であり、その歴史的価値もさることながら、その大胆なアイデアと議論喚起的(コントラヴァーシャル)な展開は、こんにち読んでも力強さを失っていない。

2017.4.4  「絶対無敵ライジンオー」矢立文庫で新作小説連載 シリーズ構成・脚本の園田英樹が執筆

サンライズの運営するウェブサイト「矢立文庫」にて、1991年から1992年にかけて放送された『絶対無敵ライジンオー』の新作小説が連載されることが決定した。同作のシリーズ構成・脚本を手掛けた園田英樹が執筆を担当し、4月18日より連載がスタートする。

2017.4.3  『君の膵臓をたべたい』の住野よるが憧れる小説家・紗倉まなの"冷たい目線"とは? 【住野よる×紗倉まな対談/前編】

2015年、『君の膵臓をたべたい』で彗星のごとくデビューした小説家・住野よるさん。

2017.3.28  【今週はこれを読め! SF編】無限に反復される抽象画、均質な空間に宿る悪夢

『時間のないホテル』は、建築SFであり、21世紀版の幽霊屋敷小説ともいえる。

2017.3.16  『人間じゃない』綾辻行人

1987年9月5日。

2017.3.15  「26歳で死ぬ」呪われた娘を巡る時代伝奇スペクタクル小説!【第15回『このミス』大賞優秀賞作】

縁はたゆむことなく、人と人とを結び続ける。それを周りが断とうものなら、祟られるのも、呪われるのも無理はあるまい。宝島社が主催する第15回『このミステリーがすごい!』大賞優秀賞を受賞したのは、とある呪いに苦しむうら若き乙女の物語だ。

2017.3.14  【今週はこれを読め! SF編】都市伝説と認知科学的が交叉する、異色の青春冒険小説

いっぷう変わった非日常サバイバル小説。個々の要素だけを取りだせば、先行作品はいくらでもあるが、その組み合わせかたがユニークだ。

2017.3.13  窪美澄最新作!「大切な人の死を忘れられない男」と「恋の仕方を知らない女」は、"最悪の出会い"から次第に惹かれあう…

全国から桜のたよりが届く頃、今年は書店の店頭にも美しい花が咲く。窪美澄さんの待望の新作長編『やめるときも、すこやかなるときも』(集英社)の表紙にはやわらかな青空をバックに花が美しく咲き誇り、結婚式の愛の宣誓を引用したタイトルと共に「幸せなはじまりの予感」をふわりと心に届ける。

2017.2.28  【今週はこれを読め! SF編】伊藤計劃のテーマを継ぐ、新世代作家たちの共演

〈SFマガジン〉編集長の塩澤快浩さんは「まえがき」で、このオリジナル・アンソロジーの成りたちについて次のように述べている。

2017.2.24  村上春樹さん4年ぶり長編小説が発売 午前0時から書店にファン

小説家・村上春樹さんの4年ぶりとなる長編小説が、24日から書店に並び、午前0時から販売を始めた書店には、いち早く買い求めようと熱心な読者が集まりました。

2017.2.23  『騎士団長殺し』発売前に、実在する場所を"村上春樹フィルター"を通して見ると? 村上春樹の旅行記おすすめ4選!

いよいよ明日2月24日(金)に発売される、村上春樹の長編小説『騎士団長殺し』(新潮社)。

2017.2.13  『騎士団長殺し』発売までに読んでおきたい! 村上春樹の短編小説たち

2017年2月24日に村上春樹の新作が新潮社から出版されることになった。

2017.1.18  いい意味でラノベイメージを裏切る作品ラインナップ!大人が楽しめる新レーベル『プライムノベルス』誕生!

大人気ライトノベルレーベル「ヒーロー文庫」から、兄弟レーベル「プライムノベルス」が立ち上がった。2017年1月18日(水)には創刊第1弾の4作品が発売されたのだが、その充実の内容に「うぉぉぉ、すげーラインナップ! このレーベルは期待できそう!」と大反響が上がっている。

2017.1.17  ディーン・フジオカが大人の色気たっぷりの結婚詐欺師に!? 映画「結婚」公開決定に「絶対見るしかない!」と沸き立つファン

NHKの連続テレビ小説「あさが来た」で大ブレイクし、勢いが止まらない、ディーン・フジオカ。

2017.1.10  【今週はこれを読め! SF編】ベルギーの幻想アンソロジー、戦慄の怪奇譚から幽暗な超現実まで

世界中それぞれの場所なりの幻想の地脈があるのだろう。ただ、それらがひとしく知られているわけではない。

2016.12.28  【今週はこれを読め! SF編】よるべのない世界、見知らぬ言葉、自分だけの記憶

エヴンソンは現代アメリカ文学の作家だが、SFやホラーのファンからも注目されている。先に邦訳された短篇集『遁走状態』(2009年)はローカス賞とシャーリイ・ジャクスン賞のリストにあがった。『ウインドアイ』(2012年)もジャクスン賞の候補となった。

2016.12.13  【今週はこれを読め! SF編】現実と情報を可逆化する海、人知を越えて流動する書字空間

十年ぶりの作品集。飛浩隆はまちがいなく現代SFのトップランナーのひとりだが、いちじるしく寡作だ。考えてみるとこれは凄いことで、ポツポツと発表するだけでその存在を読者の印象に刻みこんでしまう。一篇ごとのインパクトが非常に強いのだ。右に並ぶのはテッド・チャンくらいか。

2016.12.8  【今週はこれを読め! エンタメ編】ピアノの音が聴こえてくる物語〜恩田陸『蜜蜂と遠雷』

芸術の晩秋(←ギリギリ秋...。いや、厳しいか)! "音楽本スペシャル"第4回をお届けします。今年はほんとうに音楽を題材にした本が多いという印象。第1〜3回につきましては、10月26日・11月9日・11月30日更新のバックナンバーをお読みになってみてください。

2016.11.29  内容明かされず、発売前から話題騒然! ピース又吉の言葉がヒント?『サラバ!』から2年、西加奈子最新作『i』

"「アイ」=一人称の「I」? 主人公の名前?""「アイ」=虚数の「i」のこと? 数学の話?""「アイ」=親の「愛」""出生の秘密""恋の話をしない親友女子二人"……刊行のひと月以上前からオープンしていた特設サイトには、物語を形づくる粒子のような言葉たちだけが、明滅を繰り返している。

2016.11.22  よみカル小説教室から2人の女性作家が誕生

よみうりカルチャー(読売・日本テレビ文化センター)の小説教室から2人の女性作家が誕生した。「お師匠さま、整いました!」で第11回小説現代長編新人賞(講談社)を受賞した泉ゆたかさんと、「サイレント・ブレス」(幻冬舎)を出版した南杏子さん。

2016.11.22  SUNDAY LIBRARY:著者インタビュー 恩田陸 『蜜蜂と遠雷』

勝ち抜くのはたった一人 残酷で華やかなコンクール

2016.11.22  【今週はこれを読め! SF編】伊藤典夫ブランドが存分に堪能できる一冊

「伊藤典夫翻訳SF傑作選」と謳われた一冊。SFのアンソロジーにはさまざまな趣向のものがあるけれど、訳者名をブランドとして押しだしているのは珍しい。

2016.11.16  【今週はこれを読め! エンタメ編】ラスカル以来の感動!『アルバート、故郷に帰る』

世にロードムービー・ロードノベルは数々あれど、旅のお供がワニという作品はなかなかないのではないだろうか。

2016.11.15  【今週はこれを読め! SF編】「ブラッドベリというジャンル」の二十六篇

ブラッドベリが九十余年の生涯で執筆した短篇・中篇は、四百篇とも五百篇ともいわれる。

2016.11.9  【今週はこれを読め! エンタメ編】謎の絵画をめぐる成長小説〜青谷真未『ショパンの心臓』

芸術の秋! 隔週でお届けしている"音楽本スペシャル"、今回は第2回(最終回になる可能性もありますが...)。

2016.11.3  台湾で起こった密室殺人、鍵は日本の漫画!? 日本文化オマージュ満載の第三回島田荘司推理小説賞受賞作

中国語で書かれた未発表の推理小説に贈られる島田荘司推理小説賞。御手洗潔シリーズなどで人気の島田荘司が協力し、世界中から作品を募集するこの賞は、過去三回を数えている。すでに第四回の作品募集も開始されており、新しい才能が世界中に羽ばたくチャンスを提供し続けている。

2016.10.31  【今週はこれを読め! SF編】「どこまでもいっしょに行こうねえ」

ちょっと途方にくれている。山田正紀はどこへいくのだろう、どこまでいくのだろう?

2016.10.27  【今週はこれを読め! ミステリー編】凄まじくアナーキーな警察捜査小説『ノース・ガンソン・ストリートの虐殺』

この小説は失踪した麻薬密売人の行く先を知る男が、ハトの腐乱死体を口に突っ込まれるという斬新な手段で拷問される場面から始まる。

2016.10.18  【今週はこれを読め! SF編】ショートショート・マニアが地団駄を踏み、そして平伏す一冊

ショートショートは面白い。ひとつひとつが短くてさらりと読め、なのに良くできた作品は印象にくっきり深く刻まれる。

2016.10.17  「生きる希望がまた一つ出来た」 『ロウきゅーぶ!』蒼山サグ&てぃんくるコンビで贈る『天使の3P!(スリーピース)』アニメ化決定!

『ロウきゅーぶ!』の蒼山サグ&てぃんくるコンビで贈る、『天使の3P!(スリーピース)』が2017年にテレビアニメ化されることが決定した。

2016.10.16  劇場型自殺事件を起こした女性の謎に迫る、有能研究者。第36回横溝正史ミステリ大賞受賞作『虹を待つ彼女』に絶賛の声続出!

2016年9月30日(金)に発売された、第36回横溝正史ミステリ大賞受賞作『虹を待つ彼女』が大反響により発売から一週間で早くも重版されることが決定した。

2016.10.13  あなたの未練、お食べします――『はたらく魔王さま!』の和ケ原聡司が朗読劇で脚本に初挑戦&11月に上演決定!

勇者に追い詰められ、異世界への逃亡を余儀なくされた魔王サタン。たどりついた先は現代日本で、魔力を失いただの人間になっていた!? 生きていくには働かねばならぬ。

2016.10.7  【今週はこれを読め! ミステリー編】殺し屋オーラヴの魅力が詰まったネスボ『その雪と血を』

──人は何をきっかけに、自分は死ぬのだということを理解するのか。(中略)もちろん理由は人それぞれだろうが、おれの場合は親父が死ぬのを見たから、それがどれほど平凡で物質的なことかをまのあたりにしたからだ。蠅がフロントガラスにぶつかるみたいなものだった。

2016.10.5  【今週はこれを読め! エンタメ編】新米編集者の悪戦苦闘成長小説〜小嶋陽太郎『こちら文学少女になります』

こちらは文学中年になります。あ、これはタイトルへのアンサー。(ん? これどっかで見たなあ。あ、このコーナーで著者のデビュー作『気障でけっこうです』が取り上げられたときだ! ...ということで、よろしければ2014年12月第3週のバックナンバーをお読みになってみてください)。

2016.9.30  ノーベル文学賞、今年は1週間遅れ 10月13日発表

今年のノーベル文学賞は、10月13日に発表される見通しとなった。

2016.9.28  【今週はこれを読め! エンタメ編】文豪との山あり谷あり結婚生活20年〜植松三十里『猫と漱石と悪妻』

イケメンな文豪といえば、まず名前があがってくるのは太宰治・芥川龍之介あたりではないだろうか(現代作家であれば島田雅彦さんとか)。しかし、私は夏目漱石の方がハンサムなんじゃないかと思っている。森鴎外もいい(とはいえ、タイプなのは中島敦とか遠藤周作とかだが。我ながら統一感に満ちた好み)。

2016.9.27  【今週はこれを読め! SF編】神話空間としてのジャングル、知性と引き替えの不死

冒頭に掲げられているのはAP通信の記事(1995年3月19日付)で、「有名科学者、性的虐待の容疑」とセンセーショナルな見出しがついている。著名人のスキャンダルは珍しくないが、この記事にはとりわけ目を引く内容がふたつ含まれている。

2016.9.21  作家の読書道 第176回:阿部智里さん

早稲田大学在学中の2012年、『烏に単は似合わない』で史上最年少の松本清張賞受賞者となり作家デビューを果たした阿部智里さん。その後、同作を第1巻にした和風ファンタジー、八咫烏の世界を描いた作品群は一大ヒットシリーズに。なんといっても、デビューした時点でここまで壮大な世界観を構築していたことに圧倒されます。そんな阿部さんはこれまでにいったいどんな本を読み、いつ作家になろうと思ったのでしょう?

2016.9.15  【今週はこれを読め! ミステリー編】ヘレン・マクロイ『ささやく真実』の忘れがたい登場人物

ヘレン・マクロイ翻訳のペースが一段と加速している。

2016.8.31  金なし地位なし甲斐性なしの野良犬騎士と小さな魔女が出会って…? 「小説家になろう」発正道ファンタジー!

小説投稿サイト「小説家になろう」発といえば、いわゆる「異世界転生モノ」を思いうかべるひとは多いかもしれないが、投稿作には正道なファンタジー作品も少なくない。

2016.8.25  【エンタメ小説月評】つらい記憶と共に生きる

つらい記憶を過去のものだと葬り去り、今を生きていけるのであれば、人生はどれだけ楽なものになるだろうか。

2016.8.22  青春歌舞伎小説『カブキブ!』アニメ化決定に「心を揺さぶってくる大好きな作品! 絶対見るぞ!」とファン大興奮

ボーイズラブ小説やライトノベル、ホラー作品など様々な分野で活躍する作家・榎田(えだ)ユウリの大人気小説『カブキブ!』がアニメ化されることが決定した。

2016.8.20  倉田英之氏インタビュー

第十二巻発売記念! いま明かされる『R.O.D.』創作秘話

2016.8.16  【今週はこれを読め! SF編】FはフィメールのF、フジ隊員のF

1960年前後生まれのSF読者はたいてい夢中になって『ウルトラマン』を観ていたくちで、かくいうぼくも怪獣や星人の名前くらいはスラスラ出てくる。

2016.8.10  ネット発、3億PVを記録したモンスター作品がコミカライズ! プログラマー目線で描かれる、一風変わった異世界転生モノがおもしろすぎる件

ここ数年、「なろう系」と呼ばれるジャンルの小説が次々とヒットしている。「なろう系」とは、「小説家になろう」に代表されるような無料小説投稿サイトにて注目を集め、書籍化され市場に流通された作品のこと。

2016.7.27  「こんなに泣けた作品は久しぶりでした」かりゆし58の名曲「アンマー」に着想を得た、有川浩の書き下し感動長編小説『アンマーとぼくら』

2016年2月22日(月)にデビュー10周年を迎えたロックバンド・かりゆし58の名曲「アンマー」に着想を得た、有川浩の書き下し感動長編小説『アンマーとぼくら』が7月19日(火)に発売された。

2016.7.26  小説を投稿してAI分析できるサイト「ツギクル」ベータ版がオープン

ツギクル株式会社は26日、小説を投稿できるウェブサイト「ツギクル」のベータ版サイトをオープンし、作品の登録受付を開始した。正式オープンは今秋ごろの予定で、投稿や閲覧など、すべての機能が無料で利用できる。

2016.7.22  楽天ブックス: 著者インタビュー -あんびるやすこさん「『なんでも魔女商会21 おきゃくさまはルルとララ』 『ルルとララのコットンのマカロン』」

女の子が大好きなものといえばドレスにお菓子、そして魔法!そのすべてが盛り込まれた作品で、小学生を中心に絶大な支持を集めているあんびるやすこさん。少女たちが活躍する夢と希望に満ちた物語は、今や母親世代や男の子たちのハートも掴んでいます。絵本から読み物へと移っていく年代に、「読書の楽しさを教えてくれる」と大人気のシリーズに込めた思いをうかがいました。

2016.7.15  「ねじ巻き精霊戦記 天鏡のアルデラミン」原作者・宇野朴人、マンガ家・川上泰樹、アニメプロデューサー・中山信宏鼎談

電撃文庫より刊行され「このライトノベルがすごい!」で3度トップ10入りを果たすなど、高い人気を誇る小説「ねじ巻き精霊戦記 天鏡のアルデラミン」。電撃マオウ(KADOKAWA)では川上泰樹によるコミカライズ版が展開されており、この7月からはテレビアニメも放送がスタートした話題作だ。

2016.7.6  世界観の変更を迫りたい、もっと強く 小説で、"すごい経験"をしてほしい

"物事はこういうふうにも考えられるんだ"──最後のページを閉じた瞬間、自らの内に起こるそんな覚醒。登場人物に寄り添い、あるいは俯瞰し、ストーリーを夢中で巡ってきたはずなのに、意識は自分に向かっている。それが白石作品の摩訶不思議さである。

2016.7.5  【今週はこれを読め! SF編】アンドロイドはジャムセッションで人間と勝負できるか?

中核となるテーマはAIによる人間性の再現。その題名が示すように、ジャズが題材としてさまざまに扱われている。これがきわめて重要。物語の味つけにとどまらず、この作品の本質につながっている。

2016.7.4  SFとは「ステキなフィクション」! 人気声優・池澤春菜がいざなうSFの楽しみ方

SFといえば映画やアニメ、マンガでも定番の人気ジャンルである。

2016.6.23  これが5,788作品の頂点!Web小説コンテストの大賞作品がついに発表!

今年2月末の応募受付から約4ヶ月、第1回Web小説コンテストの大賞作品が遂に発表された。

2016.6.21  【今週はこれを読め! SF編】赤いリボンをつけ、買いもの籠を手に、不思議な世界をどこまでも

人間がいなくなった世界で、残された人造物が変わらぬ日常を営みつづけている。

2016.6.20  『虐殺器官』2016年冬の公開決定! 新PVに「待った甲斐があった!」とファン歓喜

SF小説家の伊藤計劃のデビュー小説『虐殺器官』の劇場版アニメが2016年冬に公開されることが決定した! 制作側の経済理由で延期となっていた注目作品の公開が決定したということで、ファンからは「やっと来たか!!絶対見に行く」「待ってたぞー!」「公開決定おめでとーー!」「冬か! ようやくか!!」「冬公開かぁ。ちょっと遠いけど、観れるだけ良かったな」「生きる目標ができたな」と喜びの声が上がっている。

2016.6.7  【今週はこれを読め! SF編】竜の神話と生物学のロジック、篠田節子のサイエンス・フィクション

篠田節子はこれまでも、毒性を有する変異カイコが猛威をふるう『絹の変容』、新種日本脳炎を媒介する軟体動物が蔓延る『夏の災厄』と、描線がくっきりとしたパニックSFを送りだしてきた。『竜と流木』はそれらにつづく最新作である。人間に仇なす生物の量感でみれば、こんかいはほとんど怪獣小説といってよい。

2016.5.25  bestseller's interview 第79回 三崎 亜記さん

出版界の最重要人物にフォーカスする『ベストセラーズインタビュー』!

2016.5.24  書評:武満徹・音楽創造への旅 [著]立花隆 - 細野晴臣(音楽家)

約800ページ、2段組みの大著を前に、武満徹という音楽家の人生を咀嚼(そしゃく)しようともがいてしまった。

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