トップページ > 最新小説ニュース > 白に関連する小説ニュースまとめ

白に関連する小説ニュースまとめ

キーワード"白"に関連する小説ニュースの検索結果まとめです。一度の検索結果は200件までとなります。スペース区切りで複合検索も可能です。
更新情報をTwitterでつぶやいていますので、よければフォローくださいませ。
 

白 ニュース検索結果

2021.8.10  【今週はこれを読め! SF編】江戸川乱歩をドストエフスキーへ還流する、文学的メビウスの環

巻頭に配された「アントンと清姫」、巻末を飾る書き下ろし作品「ドグラートフ・マグラノフスキー」。もうタイトルを見ただけでワクワクするではないか。文学とSFのセンスに優れた名手、高野史緒による超絶リミックス作品集である。全六篇を収録。

2021.7.22  【今週はこれを読め! ミステリー編】ヴァランダー・シリーズ最後の書『手/ヴァランダーの世界』

――これはクルト・ヴァランダー・シリーズ最後の出版物である。このシリーズはこの本をもって終了する。

2021.7.21  【今週はこれを読め! エンタメ編】失恋の真相を解き明かす〜大石大『いつものBarで、失恋の謎解きを』

社会学とエンタメの融合という独特の境地を切り拓きつつある新鋭・大石大の長編第2作。本書では、主人公・大谷綾の過去の失恋の真相を解き明かしていく安楽椅子探偵ミステリー的な趣向が、最大の読みどころといえよう。

2021.7.7  【今週はこれを読め! エンタメ編】死の近くにいる主人公の心の変化〜八幡燈『いつかたどりつく空の下』

「湯灌」という言葉を知っているのは、確か祖母に教えてもらったからだと思う。その祖母は遠方で亡くなり、私は死に顔も見られなかった。私の父は職場で、母は家で亡くなったため、遺体はいったん警察に引き取られた。家に戻ってきたときには身を清められた後だったので、実際に湯灌というものが行われているところを目にしたことはない。

2021.6.25  作家の読書道 第230回:一穂ミチさん

短篇集『スモールワールズ』が大評判となり、直木賞にもノミネートされている一穂ミチさん。文体も形式も人物造形も自在に操って読者の心を揺さぶる一穂さん、同人誌での二次創作からBL小説でプロデビュー、そこから一般文芸へと活動の場を拡張中。漫画も小説もノンフィクションも幅広いジャンルを読むなかで惹かれた作品とは? さらにはアニメや動画のお話も。リモートでたっぷりおうかがいしました。

2021.6.25  【今週はこれを読め! ミステリー編】ユダヤ人古書店主の決死の犯罪捜査『狼たちの城』

この設定で話がつまらなくなるはずがないだろう。

2021.6.22  【今週はこれを読め! SF編】血臭と瘴気が立ちこめる魔界西部

拳銃を携え無法の西部を旅する無頼の牧師ジュビダイア・メーサー。彼の行動原理は神への献身でも福音宣教でもなく、魔物たちの殲滅だ。ひたすら狩りまくる。

2021.6.18  【今週はこれを読め! ミステリー編】疾風怒濤のホラー西部劇『死人街道』

神を激しく憎みながらその憎悪の対象に祈りを捧げる以外の生き方を知らない男。

2021.6.1  【今週はこれを読め! SF編】マイリンク、シェーアバルト、ブラックウッド......夢幻の境地に踏みいる

『幻想と怪奇』は雑誌の体裁だが書店の扱いは書籍だ。毎号、特集形式を取っているので、実質的にアンソロジーといってよい。こんかいはドイツ幻想小説の紹介者として名高い種村季弘さんの未発表翻訳が発見され、それをきっかけに企画が練られたそうだ。

2021.6.1  【今週はこれを読め! ミステリー編】台湾ミステリーの最高傑作『台北プライベートアイ』

これまで翻訳された台湾ミステリーの最高傑作ではないかと思う。

2021.5.28  作家の読書道 第229回:蛭田亜紗子さん

2008年に第7回「女による女のためのR‐18文学賞」大賞を受賞、10年に『自縄自縛の私』(受賞作「自縄自縛の二乗」を改題)を刊行してデビューした蛭田亜紗子さん。現代人の日常を描く一方で、『凜』では大正期、開拓時代の北海道を舞台に過酷な環境を生きる男女を描き、最新作『共謀小説家』では明治期に小説執筆にのめりこんだある夫婦の話を描くなど、幅広い作風で活躍中。では蛭田さんが親しんできた作品とは? リモートでたっぷりおうかがいしました。

2021.5.26  田山花袋ら文学者の交流が映像で 久米正雄撮影のフィルム修復

大正から昭和初期にかけて活躍した作家の久米正雄が撮影し、劣化などによって内容が確認できていなかったフィルムの一部が修復され、田山花袋や里見※とんなど、当時の文学者どうしの交流の様子が映像で確認されました。

2021.5.20  【今週はこれを読め! エンタメ編】とびきりの「時間」を目指す〜古内一絵『最高のアフタヌーンティーの作り方』

本書の舞台は、都心に広大な敷地を有する桜山ホテル。うふふ~このティールームにねえ、行ったことあるんですよ。桜山ホテルは架空の場所ですから、モデルになった東京・目白の椿山荘にってことなんですけど。残念ながら庭園内で多数目にすることのできる桜は見頃を過ぎてしまっていた時期でしたが、いただいたのはまさに桜アフタヌーンティー。気の合う友人たちとの楽しい時間、窓から見える都会の真ん中とは思えない美しい眺め、そして一口ごとに至福の瞬間が訪れるおいしいスイーツやセイボリー(サンドイッチなどの食事)の数々。もう、天国かと思いましたね(家計には大きく響きましたけど)。

2021.5.19  【今週はこれを読め! SF編】登場人物たちが暮らす秘密の図書館、書き換えられる初版本

犯罪小説、ホラー、ファンタジイと幅広く活躍するジョン・コナリーの短篇集。大部な原書Night Music: Nocturnes Volume 2から、書物や物語を題材とした四篇を選んでの邦訳だ。

2021.5.18  山本文緒さん受賞 「自転しながら公転する」 島清恋愛文学賞決定 金沢学院大が主催

金沢学院大が主催する第27回島清(しませ)恋愛文学賞は17日、山本文緒さん(58)の「自転しながら公転する」(新潮社)に決まった。山本さんにとって7年ぶりの小説となり、「平凡な人々のほそぼそとした暮らしや、出会った人と手をつなぎ続ける困難さと素晴らしさを、また正面から描きたかった。ご評価いただきましたこと、心からうれしい」と喜びのコメントを寄せた。

2021.5.12  今村夏子の小説「こちらあみ子」映画化、井浦新と尾野真千子が出演

今村夏子の小説「こちらあみ子」が映画化。井浦新と尾野真千子が出演することがわかった。

2021.5.11  今村夏子の小説「こちらあみ子」映画化、井浦新と尾野真千子が出演

今村夏子の小説「こちらあみ子」が映画化。井浦新と尾野真千子が出演することがわかった。

2021.4.23  作家の読書道 第228回:阿津川辰海さん

大学在学中に『名探偵は嘘をつかない』でデビュー、緻密な構成、大胆なトリックのミステリで注目を浴びる阿津川辰海さん。さまざまな読み口で読者を楽しませ、孤立した館で連続殺人事件に高校生が挑む新作『蒼海館の殺人』も話題。そんな阿津川さん、実は筋金入りの読書家。その怒涛の読書生活の一部をリモートインタビューで教えていただきました。

2021.4.13  【今週はこれを読め! SF編】霊能者連続失踪事件を追うヴィクトリアン・ミステリ。

リサ・タトル『夢遊病者と消えた霊能者の奇妙な事件』(新紀元社)

2021.4.7  【今週はこれを読め! エンタメ編】過去から続く因縁と秘密〜遠田潤子『紅蓮の雪』

つらくなるのはわかっているのに手に取ってしまう、それが遠田潤子の小説だ。本書は、主人公・伊吹の双子の姉である朱里の葬儀のシーンから幕を開ける。朱里は「伊吹、ごめん」とだけ書かれた書き置きを残して、町外れにある城の石垣から飛び降りたのだった。伊豆の老舗旅館の跡取り息子である大学の先輩との婚約も整い、幸せそうに見えたのに。両親からの愛情を与えられずに育った姉弟として、お互いを一生守ると約束したのに。

2021.4.6  島由紀夫の掌編小説を発掘 占領下の家族描く「恋文」

三島由紀夫(1925~70年)が新進作家として頭角を現した20代半ばに掌編小説「恋文」を執筆、新聞に発表していたことが6日分かった。全集や単行本には収録されておらず、これまで存在が埋もれていた。

2021.3.16  【今週はこれを読め! SF編】甲冑から高度AIまで、さまざまなパワードスーツのアンソロジー

J・J・アダムズ編『この地獄の片隅に パワードスーツSF傑作選』(創元SF文庫)

2021.3.3  【今週はこれを読め! エンタメ編】豪華ショートショート集『超短編! 大どんでん返し』

チョコレートのアソートボックスとかたくさんのネタが並んだお寿司桶とか、いろいろな種類が揃ったものってうれしいですよね。本書はまさにそんな本。アンソロジーといっても30人もの作家の作品が1冊で読める本って、なかなかないと思います。そんな夢のような企画が可能になったのは、掲載作品がほぼ4ページという「超短編」だから。

2021.2.27  作家の読書道 第226回:酉島伝法さん

2011年に「皆勤の徒」で第2回創元SF短編賞を受賞、造語を駆使した文章と自筆のイラストで作り上げた異形の世界観で読者を圧倒した酉島伝法さん。2013年に作品集『皆勤の徒』、2019年に第一長編『宿借りの星』で日本SF大賞を受賞した酉島さんは、もともとイラストレーター&デザイナー。幼い頃からの読書生活、そして小説を書き始めたきっかけとは? リモートでお話をおうかがいしました。

2021.2.24  坊っちゃん文学賞大賞、「黒猫」さんの「ドリームダイバー」

「第17回坊っちゃん文学賞」(松山市主催)の審査結果が22日発表され、大賞に高知市の「山猫軒従業員・黒猫」さん(37)の作品「ドリームダイバー」が選ばれた。黒猫さんは「すごく驚いている。猫の日(2月22日)にこのような賞をいただきありがとうございます」と自身のペンネームにかけて喜びを語った。受賞作は3月発売の雑誌「ダ・ヴィンチ」4月号に掲載される。

2021.2.19  【今週はこれを読め! ミステリー編】フィルム・ノワールのような警察小説『刑事失格』

一言で表すなら、フィルム・ノワールの気配をまとった警察小説である。

2021.2.17  【今週はこれを読め! SF編】夏への扉はなくても、猫がいればあたたかい

芝村裕吏『統計外事態』(ハヤカワ文庫JA)

2021.2.9  【今週はこれを読め! SF編】独自のセンスで選んだ七篇、中国とアメリカの状況を照らしあう

柴田元幸・小島敬太編『中国・アメリカ 謎SF』(白水社)

2021.2.1  第72回読売文学賞…受賞6氏と作品

第72回読売文学賞(令和2年度)が決まりました。選考委員の選評を紹介します。

2021.1.26  【今週はこれを読め! SF編】陰に隠れた幻想小説の水脈の発見

橋本勝雄編『19世紀イタリア怪奇幻想短篇集』(光文社古典新訳文庫)

2021.1.25  梅田さんの「シルエット・R」選出 木山捷平文学選奨・短編小説賞に

笠岡市などは25日、「第16回木山捷平文学選奨・短編小説賞」に長崎県佐世保市、会社役員梅田昌三郎(筆名・三ヶ島零)さん(67)の「シルエット・R」を選んだと発表した。3月7日に笠岡市で表彰式があり、副賞50万円が贈られる。

2021.1.23  作家の読書道 第225回:町田そのこさん

2020年に刊行した『52ヘルツのクジラたち』が未来屋小説大賞、ブランチBOOK大賞を受賞するなど話題を集めている町田そのこさん。少女時代から小説家に憧れ、大人になってから新人賞の投稿をはじめた背景には、一人の作家への熱い思いが。その作家、氷室冴子さんや、読書遍歴についてお話をうかがっています。

2021.1.20  芥川賞は宇佐見りんさん・直木賞は西條奈加さん

芥川賞と直木賞の選考会が開かれ、芥川賞に宇佐見りんさんの「推し、燃ゆ」が、直木賞に西條奈加さんの「心淋し川」(うらさびしがわ)が、それぞれ選ばれました。

2021.1.19  【今週はこれを読め! SF編】羊羹を食べながら日本海軍を翻弄するオリオン太郎

林譲治『大日本帝国の銀河1』(ハヤカワ文庫JA)

2020.12.26  作家の読書道 第224回:伊与原新さん

2019年に『月まで三キロ』で新田次郎文学賞、静岡書店大賞、未来屋小説大賞を受賞した伊与原新さん。地球惑星科学を専攻して研究者になった伊与原さんが読んできた本とは、ある日小説を書きはじめたきっかけとは。エンタメから分かりやすい理系の本まで、幅広い読書遍歴を語ってくださいました。

2020.12.16  【今週はこれを読め! エンタメ編】5人の「白野真澄」の短編集〜奥田亜希子『白野真澄はしょうがない』

たまーにエゴサーチというものをしてみることがある。とはいえ、私のような零細ライターではだいぶ下方にスクロールしていってようやく関連記事を見つけることができる程度だし、Twitterも炎上するほど閲覧されてもいないので気楽なものだ。常に検索上位にあがってこられる「松井ゆかり」さんは、タレントさんや格闘技の選手の方など。名前が同じというだけの他人ではあるが多少なりともご縁があるように思われて、画像などをじっと見つめてしまうことがある(もはやエゴサーチではない)。

2020.12.9  【今週はこれを読め! エンタメ編】それぞれ味わいの異なるイヤミス短編集〜芦沢央『汚れた手をそこで拭かない』

ちょっと、みなさんご存じかしら? 独立短編集ってなかなか売れないんですって。

2020.12.8  【今週はこれを読め! SF編】高性能AIに挑む、落ちこぼれエンジニアとおかしなヤクザ

第八回ハヤカワSFコンテスト優秀賞受賞作。AI技術にかかわるアイデア満載の軽快エンターテインメントだ。とにかくセンスが抜群に良い。

2020.11.28  作家の読書道 第223回:中山七里さん

今年作家デビュー10周年を迎えた中山七里さん。話題作を次々と世に送り出すエンターテインナーの読書遍歴とは? 大変な読書量のその一部をご紹介するとともに、10代の頃に創作を始めたもののその後20年間書かなかった理由やデビューの経緯などのお話も。とにかく、その記憶力の良さと生活&執筆スタイルにも驚かされます。

2020.11.17  【今週はこれを読め! SF編】銀河英雄伝説トリビュート・アンソロジー

もはや『銀河英雄伝説』は古典である。SFの基礎教養というレベルさえ超え、ミームとして浸透・機能している。本書は、『銀英伝』の設定を活かして、六人の作家がオリジナル・エピソードを繰り広げる競作アンソロジーだ。

2020.10.24  作家の読書道 第222回:武田綾乃さん

学生時代に作家デビュー、第2作「響け!ユーフォニアム」がいきなりアニメ化され人気シリーズとなった武田綾乃さん。さまざまな青春を時にキラキラと、時にヒリヒリと描く武田さんはどんな本を読み、どんな思いを抱いてきたのか。お話は読書についてだけでなく、好きなお笑い芸人や映像作品にまで広がって…。意外性に満ちたインタビューをお楽しみください!

2020.10.20  【今週はこれを読め! SF編】稀覯書や古文書をめぐる怪奇譚、黴の匂いと書架の陰翳

著者マンビーは1913年にロンドンで生まれ、ケンブリッジ大学卒業後、古書店やオークションカンパニー勤務を経て陸軍に編入、フランス戦線で捕虜になり、収容所で怪奇小説を書きはじめた経歴の持ち主。職業作家ではなく、趣味で創作に手を染めたわけだ。作品数は少なく、49年刊行の本書に収録された14篇がすべてのようだ。その後は、書誌学者として業績を重ねた。

2020.10.15  独占インタビュー「ラノベの素」 大森藤ノ先生『ダンジョンに出会いを求めるのは間違っているだろうか』

独占インタビュー「ラノベの素」。今回は2020年10月15日にGA文庫より『ダンジョンに出会いを求めるのは間違っているだろうか』第16巻が発売された大森藤ノ先生です。TVアニメ第3期も10月より放送開始となる中、原作小説は新たな展開を迎える新章に突入します。2013年の『ダンまち』シリーズ刊行から約7年。過去から現在までを振り返り、作品との向き合い方や物語の立ち位置、そして本編から紐解くベル・クラネルをはじめとしたキャラクター達の成長に関するお話など、様々にお話をお聞きしました。ファン必見の『ダンまち』の今を語ります!

2020.10.15  高樹のぶ子さん 鏡花賞 金沢市主催「小説伊勢物語 業平」

金沢市が主催する第四十八回泉鏡花文学賞の選考委員会が十四日、東京都内であり、高樹のぶ子さん(74)の「小説伊勢物語 業平(なりひら)」が選ばれた。高樹さんは「新たな冒険をした作品が評価された。日本の美をきちんと書かれた作家の賞をいただけてうれしい」と喜びを表現した。

2020.10.13  【今週はこれを読め! SF編】物珍しさではなく、作品そのものの価値で語られるべき充実のアンソロジー

イスラエルSFのアンソロジー。原著はアメリカで2018年に刊行されたが、編者のふたりはイスラエル人だ。

2020.10.6  【今週はこれを読め! SF編】映像は武器たりえるか、レンズを通して語る女たちの年代記

書き下ろし長篇。ひとつの物語が順々に語られていくのではなく、いくつものエピソードが嵌めこまれている。エピソード間の連続性が明らかなものもあれば、断片的に挿入されるものもある。また、別のエピソードとつながるように思えるが、ずいぶん先まで読まないとその関係が見えてこないものもある。技巧的に設計されたモザイク小説というより、撮りためたドキュメンタリーフィルムのように未完成の部分を残しているかんじだ。整理しきらないからこそ伝わる迫真がある。

2020.9.26  作家の読書道 第221回:高山羽根子さん

この夏、『首里の里』で芥川賞を受賞した高山羽根子さん。これまでも一作ごとにファンを増やしてきた高山さん、多摩美術大学で日本画を専攻していたという経歴や、創元SF短編新人賞に佳作入選したことがデビューのきっかけであることも話題に。読んできた本のほか美術ほか影響を受けたものなど、高山さんの源泉について広くおうかがいします。

2020.9.23  【今週はこれを読め! SF編】オリジナル・アンソロジー・シリーズの三冊目。七篇を収録。

オリジナル・アンソロジー・シリーズの三冊目。七篇を収録。

2020.9.15  【今週はこれを読め! SF編】異質な敵の全容、失われた文明の謎、そして秘匿された人類史

林譲治による本格ハードSFシリーズがついに完結した。

2020.8.26  【今週はこれを読め! エンタメ編】おいしいものが励ましてくれる物語〜冬森灯『縁結びカツサンド』

カツはおいしい。関東出身であることも関係するのか、個人的にはやはりカツは豚肉というイメージがある。村上春樹さんが"関西ではカツといえば牛肉"といった趣旨のエッセイを書いておられて、長らくビーフカツを食べることを熱望していたのだが(そして、実際に食べてみてとてもおいしかったのだが)、トンカツの方が汎用性があることには多くの方が賛成してくださるのではないだろうか(卵でとじる一般的なカツ丼などは、豚で作る方が合う気がするし)。そこでカツサンド。ビーフカツのサンドウィッチももちろん美味だけれど、本書で登場するのは豚肉を使ったものものだ。夏の青空に規則正しく並んだ縞模様の雲を見て、スペアリブを連想してみるのも楽しいと思う(本文ご参照のこと)。

2020.8.11  【今週はこれを読め! SF編】新たな壮途へ乗りだした年刊日本SF傑作選

創元SF文庫で十二年つづいた《年刊日本SF傑作選》を後継するアンソロジー・シリーズ。版元を移した経緯や、編者が大森望・日下三蔵のタッグチームから大森ソロへ変わったことなど「序」で語られているが、支障なく友好的に運んだようだ。まずは欣快。

2020.7.25  作家の読書道 第219回:今村翔吾さん

2017年に『火喰鳥 羽州ぼろ鳶組』を刊行してデビュー、翌年『童神』(刊行時に『童の神』と改題)が角川春樹小説賞を受賞し、それが山田風太郎賞や直木賞の候補になり、そして2020年は『八本目の槍』で吉川英治文学新人賞を受賞と、快進撃を続ける今村翔吾さん。新たな時代小説の書き手として注目される今村さんは、いつ時代小説に魅せられ、何を読んできたのか? 軽快な語り口調でたっぷり語ってくださいました。

2020.7.8  【今週はこれを読め! エンタメ編】甲子園を整備するプロの仕事〜朝倉宏景『あめつちのうた』

もともと激ユルだった私の涙腺は、加齢とともに衰弱の一途をたどっている。にしても、我ながらいくら何でも泣きすぎだろうと思ったのが、数年前高校野球をテレビで見ていた際にまっすぐに引かれたグラウンドの白線を見て涙ぐんでしまったことだ。「ああ、こんなに美しくグラウンド整備をすることで、選手たちを支えるスタッフがいらっしゃる...!」と感極まり、一緒に見ていた家族たちを震撼させた。いま思えば、あのときの私は阪神園芸さんの芸術的な仕事ぶりに胸を打たれていたのか...。

2020.7.1  【今週はこれを読め! エンタメ編】"エンターテインメント小説界の至宝"の家族小説〜遠田潤子『銀花の蔵』

「エンターテインメント小説界の至宝」は、私が独断で作家・遠田潤子のキャッチコピーとして使用しているフレーズである(遠田作品のレビューではこれからもどんどん使っていこうと思ってます)。

2020.6.27  作家の読書道 第218回:藤野可織さん

不穏な世界を時に美しい言葉で、時に奇想を炸裂させた設定で描き出す藤野可織さん。2013年には『爪と目』で芥川賞を受賞、最近では女性2人が破滅に向かう世界で活き活きと冒険する『ピエタとトランジ<完全版>』が評判に。この世界観を生み出す背景に、どんな読書遍歴があったのでしょう? 小説だけでなく、影響を受けた漫画や好きな映画や俳優についてもたっぷり教えてくださいました。

2020.6.23  【今週はこれを読め! ミステリー編】追い詰められた者の小説『その手を離すのは、私』

逃亡者、あるいは追い詰められた者の小説というべき作品である。

2020.6.9  【今週はこれを読め! SF編】前作から大きくスケールアップ、映像的表現の迫力

希代のストーリーテラー、マイクル・クライトンの疫病SF『アンドロメダ病原体』の続篇。宇宙由来の菌株(ただし生物的存在ではなく自己展開する「因子」と呼ぶのがふさわしい機序を示す)が、ふたたび人類を脅かす。

2020.6.2  【今週はこれを読め! SF編】里程標的作品から現代の新鮮作まで、人狼テーマの饗宴

『幻想と怪奇』第2号は、特集「人狼伝説 変身と野生のフォークロア」。

2020.5.26  【今週はこれを読め! SF編】7分間のお楽しみ。いずれ劣らぬ十一篇。

昨夏に刊行された『5分間SF』につづく、草上仁の短篇集。〈SFマガジン〉に1991年から2006年にかけて発表された十篇に、書き下ろしの一篇を加えた一冊だ。

2020.5.5  【今週はこれを読め! SF編】ヤング・カーティス・ニュートン、青二才からヒーローへ

人気スペースオペラ《キャプテン・フューチャー》のリブート版。月面チコ・クレーターの秘密基地から出動する知恵と力と勇気のヒーロー、キャプテン・フューチャーことカーティス・ニュートンと、彼につきそうフューチャーメンという構図は元どおりだが、細かい設定が現代風にアレンジされている。たとえば、宇宙開発の歴史がアポロ宇宙船の月着陸の延長線上にあり、太陽系諸惑星への植民はテラフォーミングと人間のゲノム改造によって成されたといった具合だ。ちなみに元シリーズでは各惑星にネイティヴの知的種族が存在していた。

2020.4.29  【今週はこれを読め! エンタメ編】"最後の文士"の告白〜岩井圭也『文身』

主人公の庸一は、最初に就職した工場で自分の名前の漢字を聞かれて「凡庸の庸」と答えた。しかし、実際には凡庸どころの話ではない。須賀庸一という人間は、まぎれもなく希有な存在だと思う。

2020.4.28  【今週はこれを読め! SF編】一面に凍てついた世界を、ふたりで南へ。

投稿サイト発の『横浜駅SF』で日本SF大賞の候補になった著者の第一短篇集。六篇を収録している。

2020.4.25  作家の読書道 第217回:乗代雄介さん

2015年に「十七八より」で群像新人文学賞を受賞して作家デビュー、2018年に『本物の読書家』で野間文芸新人賞を受賞、今年は「最高の任務」で芥川賞にノミネートされ注目度が高まる乗代雄介さん。たくさんの実在の書物の題名や引用、エピソードが読み込まれる作風から、相当な読書家であるとうかがえる乗代さん、はたしてその読書遍歴は?

2020.4.23  【今週はこれを読め! ミステリー編】颯爽と八方破れな『弁護士ダニエル・ローリンズ』登場!

人生に絶望するにはまだ早い、と教えてくれる小説である。

2020.4.22  【今週はこれを読め! エンタメ編】変わってゆく主婦・絵理子がまぶしい〜窪美澄『たおやかに輪をえがいて』

主人公の絵里子は私と同じ52歳。以前はそんなに気にしたことはなかったのに、最近本を読んでいて登場人物が自分と同年代だとそのことについて強く意識するようになった。

2020.4.17  東野圭吾さんの人気作、初の電子書籍化 在宅読者のために 出版7社から1作ずつ

作家の東野圭吾さん(62)の作品が初めて電子書籍化される。出版関係者によると、東野さんは「書店を守りたい」との意向が強く、これまで自身の作品の電子書籍化には慎重だったという。しかし、新型コロナウイルスの感染拡大によって在宅者が増えたことや、書店の相次ぐ休業で書籍の購入も難しくなっていることから、東野さんの提案で出版7社から1作ずつに限って配信することが決まったという。

2020.4.9  【今週はこれを読め! ミステリー編】『短編ミステリの二百年vol.2』で評論と短編を楽しむ!

コロナ禍に遭われたみなさまにお見舞い申し上げます。また、緊急事態宣言発令で外出自粛を余儀なくされているみなさまにも。ざわざわとして心落ち着かない日々ですね。早く日常が取り戻せないものかと思います。

2020.3.26  【今週はこれを読め! エンタメ編】最高の青春ライバル小説〜安壇美緒『金木犀とメテオラ』

「もう1作みたい」という言い方を、世間ではわりとよくする気がする。例えば芥川賞・直木賞といった文学賞の選考会で授賞を見送ったときの、「もう1作様子を見てから判断したい」という申し開き的な意味で。あるいはM-1やキングオブコントといった、予選で1本目・決勝で2本目のネタを披露するような大会において。こちらは「(もう1作みたいと思ったので)高い評価をつけた」という場合もあれば、「(もう1本みたかったのに)たいへん惜しい結果だったという場合もある。私も『天龍院亜希子の日記』を読んだときに、「もう1作読みたい!」と強く思ったものだ。「次の作品もおもしろいに違いない」という確信に近い予感によるものだったが、本書を読んで自分の読みに狂いはなかったと大満足である。

2020.3.24  【今週はこれを読め! SF編】ケン・リュウ編の中国アンソロジー第二弾!

『折りたたみ北京』に続く、現代中国SFを紹介するアンソロジー。編者ケン・リュウは「序文」で、こう告げる。

2020.3.11  【今週はこれを読め! エンタメ編】リアルさに惹きつけられる絲山秋子『御社のチャラ男』

題名からして傑作の予感しかしない、と思った。「御社」と「チャラ男」のミスマッチ感は、作品自体の万華鏡めいたおかしみにも通じるものがある。

2020.3.3  【今週はこれを読め! SF編】第二次『幻想と怪奇』に喝采!

伝説の雑誌〈幻想と怪奇〉が45年の歳月を経て甦った!

2020.2.22  作家の読書道 第215回:相沢沙呼さん

『medium 霊媒探偵城塚翡翠』が2019年末発表のミステリランキングで3冠を達成、今年は同作が2020年本屋大賞ノミネート、第41回吉川英治文学新人賞候補となり、さらに『小説の神様』(講談社タイガ)が映画化されるなど、話題を集める相沢沙呼さん。そんな相沢さんが高校生の時に読んで「自分も作家になりたい」と思った作品とは? 小説以外で影響を受けたものは? ペンネームの由来に至るまで、読書とその周辺をたっぷりおうかがいしました。

2020.2.8  島清恋愛文学賞 綿矢りささんの小説に決定

第26回島清恋愛文学賞に、綿矢りささんの小説「生のみ生のままで」が選ばれた。

2020.2.5  【今週はこれを読め! エンタメ編】明るく前向きな気持ちになれる連作短編集〜凪良ゆう『わたしの美しい庭』

現在最も書店員から熱く支持される作家のひとりである凪良ゆうの新作。...というのが誇張でもなんでもないことを、私は先日実感した。

2020.2.1  読売文学賞に島田雅彦さんら

第71回読売文学賞(読売新聞社主催)が1日付で発表された。賞金は各200万円。贈賞式は17日、東京・内幸町の帝国ホテルで。各賞の受賞者は次の通り(敬称略)。

2020.1.28  【今週はこれを読め! SF編】悲しげな歌を歌う怪獣、全体主義に抗う《人間》

原著は1965年刊。邦訳は、まず67年に大光社《ソビエトS・F選集》の一冊として『怪獣17P』の題名で刊行、78年にはサンリオSF文庫で原題に即した『旅に出る時ほほえみを』として再刊、そして歳月を経たいま、こうして白水Uブックス《海外小説 永遠の本棚》に収められた。つごう三回、それぞれ傾向の異なるレーベルで、それぞれの読者層へと届けられたわけだ。それだけの力を持った名作である。

2020.1.16  渡辺利雄氏が死去 米文学者

渡辺 利雄氏(わたなべ・としお=米文学者、東京大名誉教授)1月10日、急性骨髄性白血病のため死去、84歳。

2020.1.14  【今週はこれを読め! SF編】ラヴクラフトを切歯扼腕させる十六篇

H・P・ラヴクラフトの系譜に連なるフィクションは、ひとつの文芸ジャンルを形成するほどである。ご本尊はその気はなかったのだろうけれど、彼の死後、オーガスト・ダーレスによって体系化された「クトゥルー神話」が、合い言葉さえ唱えればだれでも入会できる結社というか、わかりやすいアイテムに満ちた二次創作製造エンジンのようなもので、それが自走的に機能しているのだ。

2020.1.7  【今週はこれを読め! SF編】横たわるグリオール以前と、死んだグリオール以後

『竜のグリオールに絵を描いた男』につづく、シリーズ第二短篇集。この欄で前作を取りあげたおりにふれたが(http://www.webdoku.jp/newshz/maki/2018/09/11/173735.html)、麻痺状態で横たわりながらも成長をつづける超巨大竜グリオールをめぐる物語だ。グリオールは人間を操るとひとびとは信じている。しかし、実際に竜の意志がテレパシー的に働いているのか、それとも人間の心にある呪術信仰による誘導なのか、あるいは運命論的な見立てで事後に物語化されるのか、判然としない。そこから醸しだされる靄のような感覚がじつにみごとだ。定型的なファンタジイ設定にはおさまらない世界である。

2019.12.28  作家の読書道 第213回:河﨑秋子さん

東北と北海道で馬と暮らす人々を描いた物語『颶風の王』で注目され、単行本第二作『肉弾』で大藪春彦賞を受賞、新作短編集『土に贖う』も高い評価を得ている河﨑秋子さん。北海道の酪農一家で育ち、羊飼いでもあった彼女は、どんな本を読み、いつ小説を書きはじめたのか。これまでのこと、これからのことを含め、たっぷりと語っていただきました。

2019.12.24  【今週はこれを読め! SF編】寄稿者の持ち味が十二分に発揮されたオリジナル・アンソロジー

創元SF短編賞出身作家を中心に編まれたオリジナル・アンソロジー《Genesis》の第二巻。第一巻『一万年の午後』(http://www.webdoku.jp/newshz/maki/2019/01/08/144902.html)と同様、ホームグラウンドだけに、寄稿者それぞれが自分の持ち味をのびのびと発揮している。

2019.12.18  【今週はこれを読め! エンタメ編】音楽が聴こえてくるような短編集〜恩田陸『祝祭と予感』

優れた音楽小説であり、さらに直木賞と本屋大賞の両方を受賞した『蜜蜂と遠雷』の愛読者にはたまらないファンブック的な要素も持ち合わせているのが本書。私にとっても『蜜蜂と遠雷』はその年に読んだ本のベストだったので(確か朝井リョウさんも同じ趣旨のことを語ってらして、意を強くしたものです)、『祝祭と予感』は期待を胸に読み始めたのだが、もう涙ものだった。

2019.12.17  【今週はこれを読め! SF編】間口が広い物語と、ロジックの通った展開

松崎有理は現代日本SFの良き中庸といえるだろう。テーマと表現の両面で先鋭に走らず、かといって定型化した小説パターンで流すのでもなく、独自性があって間口の広い作品をコンスタントに発表している。本書は五篇を収めた短篇集。

2019.12.11  【今週はこれを読め! エンタメ編】ささやかな日常が素晴らしい〜『とんがりモミの木の郷』

セアラ・オーン・ジュエット。この名前にお心当たりのある方は相当のアメリカ文学通といえるのではないか。私も学生時代は英米文学専攻だったゆえ、テスト前の一夜漬けで作家の名前を暗記したりもしたものだが、ジュエットという固有名詞にはまったく覚えがない(訳者解説でも、ジュエットの知名度の低さは指摘されている)。しかし、いいですよ。すごくいいです、ジュエット! こんな月並みな言い方しかできないほどに。

2019.12.8  「あの泣ける小説が遂に映画に…!」 重松清の『ステップ』が山田孝之主演で実写映画化

重松清の小説『ステップ』が、山田孝之主演で実写映画化されることが明らかに。國村隼や余貴美子、広末涼子といった俳優陣の出演も発表され、「あの泣ける小説が遂に映画に…!」「このキャストなら絶対に観たい」と話題になっている。

2019.11.23  作家の読書道 第212回:呉勝浩さん

2015年に『道徳の時間』で江戸川乱歩賞を受賞、2018年には『白い衝動』で大藪春彦賞を受賞。そして新作『スワン』が話題となり、ますます注目度が高まる呉勝浩さん。小学生のうちにミステリーの面白さを知り、その後は映画の道を目指した青年が再び読書を始め、小説家を目指した経緯は? 気さくな口調を脳内で再現しながらお読みください。

2019.11.20  【今週はこれを読め! エンタメ編】亭主関白な夫の成長物語〜坂井希久子『妻の終活』

夫と自分のどちらが先立つだろうかということについては、ときどき考える。私の知る身近な夫婦(実の両親や祖父母)は圧倒的に妻が残されるというパターンが多かったため、これまではなんとなく自分たちもそうなるのではという気がしていた。しかし、こればっかりはどうなるかわからないということを、この小説によって思い知らされた。

2019.11.14  【特集】『エリスの聖杯』刊行記念特別企画 常磐くじら先生×大森藤ノ先生スペシャル対談インタビュー

2019年11月15日頃に発売されるGAノベル刊『エリスの聖杯』の刊行を記念して、著者である常磐くじら先生と、本作の熱烈なファンであり、書籍化のきっかけとなったGA文庫刊『ダンジョンに出会いを求めるのは間違っているだろうか』の大森藤ノ先生をお招きしてのスペシャル対談インタビューをお届けする。『エリスの聖杯』が書籍化に至るまでの道のりと、大森藤ノ先生が激賞する物語やキャラクターについて、さらにはお二人の視点から見る「悪役令嬢やダークヒーローの魅力」など、幅広く語っていただいた。

2019.11.12  【今週はこれを読め! SF編】「宇宙」と「時間」、対になった二冊のテーマ・アンソロジー

二冊組みのアンソロジー。いっぽうは「宇宙」、もういっぽうが「時間」がテーマだ。作品を寄せているのは、創元SF短編賞からデビューした俊英たちである。

2019.11.7  野間4賞、「文芸賞」は松浦寿輝『人外』に

野間文化財団が11月6日に発表。第72回「野間文芸賞」に、松浦寿輝『人外』(講談社)、第41回「野間文芸新人賞」に、古谷田奈月『神前酔狂宴』(河出書房新社)と千葉雅也『デッドライン』(「新潮」2019年9月号)、第57回「野間児童文芸賞」に戸森しるこ『ゆかいな床井くん』(講談社)を選出した。

2019.10.27  【今週はこれを読め! ミステリー編】最も読むべき翻訳ミステリー・アンソロジー『短編ミステリの二百年vol.1』

21世紀に入ってから、という限定付きではあるが、これは最も読むべき翻訳ミステリー・アンゾロジーになるであろう。

2019.10.26  作家の読書道 第211回:又吉直樹さん

お笑い芸人として活躍する一方で読書家としても知られ、発表した小説『火花』で芥川賞も受賞した又吉直樹さん。著作『第2図書係補佐』や新書『夜を乗り越える』でもその読書遍歴や愛読書について語っていますが、改めて幼少の頃からの読書の記憶を辿っていただくと、又吉さんならではの読み方や考察が見えてきて……。

2019.10.24  1年で最も面白かった小説を決める「山田風太郎賞」を犯罪巨編『欺す衆生』が受賞!

1年間で最も「面白い」と評価されたエンタテインメント小説を決める文学賞「山田風太郎賞」の選考会が、2019年10月18日(金)に開催された。月村了衛の長編小説『欺す衆生』が受賞作に決定し、「おめでとうございます! 本当に傑作だから読まれてほしい」「めちゃくちゃ面白い作品だから嬉しい」と話題を呼んでいる。

2019.10.20  ライトノベル「キミと僕の最後の戦場、あるいは世界が始まる聖戦」TVアニメ化決定

細音啓によるライトノベル「キミと僕の最後の戦場、あるいは世界が始まる聖戦」のTVアニメ化が発表された。

2019.10.18  【特集】『弱キャラ友崎くん』×『千歳くんはラムネ瓶のなか』最新刊同時発売記念 屋久ユウキ×裕夢 青春ラブコメ対談インタビュー

2019年10月18日に『弱キャラ友崎くん』第8巻、『千歳くんはラムネ瓶のなか』第2巻が同時発売となった。このたび2作品の最新刊発売を記念して、両作品の著者である屋久ユウキ先生と裕夢先生をお招きし、青春ラブコメ対談インタビューとしてお話をお聞きした。両作品は小学館ライトノベル大賞にて「優秀賞」を受賞すると共に、キャラクターや物語において「リア充」という存在も欠かせない共通点として有している。お互いの印象から各作品のキャラクターに込められた想い、地元を物語の舞台にした理由など幅広く語っていただいた。

2019.10.15  【今週はこれを読め! SF編】異常な光景の描写と巧みなストーリーの背後に、アメリカの歪みや傷を映しだす

四つの中篇を収録した作品集。空想的要素の度合いとその扱いは、作品ごとに違っている。

2019.10.9  【今週はこれを読め! エンタメ編】読まずにいられない小説〜遠田潤子『廃墟の白墨』

遠田潤子の小説を好きか、と聞かれたらなんと答えればよいのか迷う。手放しで共感できる登場人物も少ないし、描かれる状況も積極的に身を置きたくないシチュエーションがほとんどだ。だから、私にとって遠田作品は好き嫌いとは異なる次元にある。読まずにいられないから読むものなのである。

2019.10.8  【今週はこれを読め! SF編】著者初の短篇集。文化と歴史への洞察と、卓越した構成力、語りの技巧。

小川哲はハヤカワSFコンテストに投じた『ユートロニカのこちら側』で大賞を射止めてデビュー、受賞後第一作となる『ゲームの王国』で日本SF大賞と山本周五郎賞を受賞。まさに飛ぶ鳥を落とす勢いである。現代社会がはらむ諸問題への怜悧な眼差しと、複線的なストーリーを緊密に束ねる卓越した構成力は、舌を巻くばかりだ。

2019.10.7  【今週はこれを読め! ミステリー編】失われた人生のシークエンスを探す冒険行『戦下の淡き光』

こんなことが本当に起こりえたのかという人生の瞬間についての小説だ。

2019.10.1  【今週はこれを読め! SF編】有無を言わせぬ怒濤の展開! 正調ワイドスクリーン・バロック!

ブライアン・W・オールディスが激賞、この作品のために「ワイドスクリーン・バロック」なるサブジャンル呼称を提唱までした話題作がついに翻訳された。

2019.9.28  作家の読書道 第210回:町屋良平さん

今年1月、ボクサーが主人公の『1R1分34秒』で芥川賞を受賞した町屋良平さん。少年時代から「自分は何か書くんじゃないか」と思っていたものの、実は、10代の頃はなかなか本の世界に入り込むことができなかったのだとか。そんな彼が、読書を楽しめるようになった経緯とは? スマホで執筆するなど独特の執筆スタイルにも意外な理由がありました。

2019.9.26  【今週はこれを読め! エンタメ編】凪良ゆう『流浪の月』に打ちのめされる!

ただひたすらに打ちのめされる。こんな読書体験は久しぶりだった。どんな本にもおもしろみを見出すことができる得な性分なので(だからこのような文章を書いているともいえるが)、一冊読み終えるたびによかったと思える。しかし、読了後もいつまでも棘のように心に残る作品とは、そうそう出会えるものではない。『流浪の月』は、これからも折に触れて私の感情を揺さぶる小説であり続けるだろうと予感した一冊だった。

2019.9.17  【今週はこれを読め! SF編】SFというジャンルを問い直しつづけた年刊傑作選の、これが最終巻。

2008年刊行の『虚構機関』から12巻を数えた《年刊日本SF傑作選》もこれが最終巻。前年に発表された作品のなかから(しかも掲載媒体を問わず)、優れたSFを選びぬくという途轍もない労力をたゆまずにつづけてきた編者のおふたりには、感謝の気持ちしかない。このアンソロジーのおかげで現代日本SFの見通しがぐんと良くなった。傑作の紹介だけにとどまらず、SFというジャンルを問い直す契機を与えてくれた。

2019.9.10  【今週はこれを読め! SF編】きらめく青春小説にして、時間と現実と創作とをめぐる問い直し

サンライズ製作のSFアニメ『ゼーガペイン』のスピンオフ小説。ヒロインの守凪了子(カミナギリョーコ)、彼女の幼なじみ十凍京(ソゴルキョウ)は共通だが、小説版オリジナルの主要キャラクターも多く登場し、背景となる設定もいっそう深く練られている。

2019.9.6  【今週はこれを読め! ミステリー編】夏の終わりに読みたい二つの中編『エレベーター』『わが母なるロージー』

暑さ寒さも彼岸までと言う。まだ夏が終わらないうちに、この本を読んでしまおう。

2019.8.30  独占インタビュー「ラノベの素」 タンバ先生『最強出涸らし皇子の暗躍帝位争い』

独占インタビュー「ラノベの素」。今回は2019年9月1日にスニーカー文庫より『最強出涸らし皇子の暗躍帝位争い』が発売されるタンバ先生です。帝位争いが激化する帝国内において、出涸らし皇子とバカにされる一人の皇子が、双子の弟を帝位につかせるために暗躍を始めるファンタジーシリーズ。作品の裏側や内容についてはもちろん、2つの顔を有する主人公の暗躍の魅力、そして本作の見どころについてお聞きしました。

2019.8.25  小説家・原田マハ完全プロデュース! 京都・清水寺で8日間限定の展覧会開催決定

9月1日(日)~8日(日)の8日間限定で開かれる「CONTACT つなぐ・むすぶ 日本と世界のアート展」の記者会見が8月9日都内で行われた。

2019.8.13  【今週はこれを読め! SF編】これこそ現代のスペースオペラ!

脳が溶けるほど暑いので、気軽に読める作品でいきましょう。ちょっと前の刊行だけど、肩の凝らない現代スペースオペラ。ぼくはアイスキャンデーを囓りながら読んだ。

2019.8.7  トニ・モリスンさん(88)死去、黒人女性初のノーベル賞作家

黒人女性として初めてノーベル文学賞を受賞したアメリカの作家、トニ・モリスンさんが5日、亡くなりました。88歳でした。

2019.8.6  【今週はこれを読め! SF編】アイデアとロジックの名手!

草上仁、ひさしぶりの作品集である。草上さんは〈SFマガジン〉をホームグラウンドとしてコンスタントに作品を発表しているのだが、このごろの長篇偏重の出版事情のせいか、なかなか一冊にまとまらなかった。コアなSF読者およびプロ作家のあいだでは、草上作品の評判は高く、こんかいの『5分間SF』はかねてより待ち望まれていた、ちょっと大袈裟にいえば慈雨のような一冊である。YOUCHANの装画もシャレている。

2019.7.27  作家の読書道 第208回:葉真中顕さん

日本ミステリー大賞を受賞したデビュー作『ロスト・ケア』でいきなり注目を浴び、今年は『凍てつく太陽』で大藪春彦賞と日本推理作家協会賞を受賞した葉真中顕さん。社会派と呼ばれる作品を中心に幅広く執筆、読書遍歴を聞けば、その作風がどのように形成されてきたかがよく分かります。デビュー前のブログ執筆や児童文学を発表した経緯のお話も。必読です。

2019.7.26  【今週はこれを読め! ミステリー編】英統治下インドでもがく警部と部下『カルカッタの殺人』

解けない謎があることのもどかしさを楽しさに変換してくれる警察小説だ。

2019.7.18  独占インタビュー「ラノベの素」 八目迷先生『夏へのトンネル、さよならの出口』

独占インタビュー「ラノベの素」。今回は2019年7月18日にガガガ文庫より『夏へのトンネル、さよならの出口』が発売された八目迷先生です。第13回小学館ライトノベル大賞にて「ガガガ賞+審査員特別賞」を同作で受賞し、満を持してデビューされます。「本当に欲しいもの」を手にするために、時空を超える摩訶不思議なトンネルに挑む少年少女の物語を描く本作。駆けた先に待っているものはなんなのか。本作の内容や作品の着想、キャラクターについてもお聞きしました。

2019.7.16  【今週はこれを読め! SF編】ミルハウザーの新しい試み、しかし変わりのない魔法の言葉

スティーヴン・ミルハウザーの言葉は、ささやかな、しかし鮮やかな魔法のように、読み手の世界を変えていく。『イン・ザ・ペニー・アーケード』『バーナム博物館』『ナイフ投げ師』『十三の物語』といった短篇集に収められた諸篇を読むとき、ぼくの脳裡に浮かぶのは、十八世紀スイスの時計職人が生みだした精妙な機械細工だ。小さな空間に驚異と憧憬が詰まっている。

2019.6.26  【今週はこれを読め! エンタメ編】逆境に立ち向かう75歳正子の奮闘記〜柚木麻子『マジカルグランマ』

私の目に映る祖母は完璧な人だった。97歳で亡くなった母方の祖母とは、私が結婚して実家を出るまでほぼずっと同居していた。とにかく優しい。よくないことをしたら注意はされたけれども怒鳴られたり叩かれたりしたことは一度もない。

2019.6.25  【今週はこれを読め! SF編】もはやそれほど危険ではないが、アイデア・ストーリーとして面白い

アメリカSFはその揺籃期(二十世紀の幕開けから1920年代)において、科学技術ホビイストあるいはティーンエイジャーむけの大衆文芸として発展してきた。その後、1930年代末の〈アスタウンディング〉誌でのキャンベル革命、1950年代初頭の〈F&SF〉や〈ギャラクシー〉での文芸的洗練があり、読者層も大きく広がるのだが、作品が扱うテーマや表現面における自己検閲(作家自身による、または編集者による)は根強く残っていた。SF界の風雲児ハーラン・エリスンは、そうした風潮に敢然と叛旗を翻し、このオリジナル・アンソロジーを企画した。

2019.6.22  作家の読書道 第207回:最果タヒさん - 作家の読書道

作家の読書道 第207回:最果タヒさん

2019.6.18  【今週はこれを読め! SF編】狂気が漂う異様な作品ばかりの短篇集

一部の読書家のあいだでひっそりと語りつがれてきた飛びきりの異色作品を掘りおこす叢書《ドーキー・アーカイヴ》のうちでも、刊行前からとくに楽しみにしていたのが、このジョン・メトカーフの短篇集である。それまでアンソロジーに収録された作品をポツポツ読み、物語の底に狂気を湛えた、いつまでも覚めやらぬ悪夢のような読後感に、いったいどんな作家なのかと気になっていたからだ。この作者の作品は、正面から狂気をテーマにしているとはかぎらないが、作品空間にうっすらと漂う狂気の気配がある。気配なので形はなく、この部分が狂気だと示すことができない。

2019.6.11  【今週はこれを読め! SF編】実体と魔物に分かれたひとり。止められない戦争をいかに生きるか?

上田早夕里は小松左京の名を冠した公募新人賞からデビュー、その受賞経歴にふさわしく、人類史的スケールの視座から、しかしいっぽうで地に生きる個人の意志や情動を取りこぼさずに描く、骨太の作品を送りだして、読者の注目を集めてきた。そのいっぽう、《妖怪探偵・百目》や《洋菓子》など、別の領域の作品でも一定の評価を得ている。きわめて懐の深いクリエーターといえるだろう。

2019.5.25  作家の読書道 第206回:江國香織さん

読書家としても知られる江國香織さん。小さい頃から石井桃子さん訳の絵本に親しみ、妹さんと「お話つなぎ」という遊びをしていたけれど、その頃は小説家になることは考えていなかったとか。さらにはミステリ好きだったりと、意外な一面も。その膨大な読書量のなかから、お気に入りの本の一部と、読書生活の遍歴についておうかがいしました。

2019.5.22  【今週はこれを読め! エンタメ編】少年と20歳年上の女性の恋〜八幡橙『ランドルトの環』

【問題】ランドルト環とは何か? 答え:視力検査の際に使用されるアルファベットのCのような記号。ランドルトというのは、この記号による検査法を考案したスイス生まれの眼科医である。いや、このクイズは簡単すぎだ。ランドルト環については、本書の13ページでも早々に説明されるし。

2019.5.21  【今週はこれを読め! SF編】美のユートピアで繰り広げられる人間模様

『永遠の森 博物館惑星』の十九年ぶりの続篇。

2019.5.14  【今週はこれを読め! SF編】場所が特定できぬ孤峰、スパゲッティコードとしての世界

これは旅の物語であり、物語という旅である。地図はない。行ってみないと、その先がどうなっているかわからない。

2019.4.27  作家の読書道 第205回:今村昌弘さん

2017年に鮎川哲也賞受賞作『屍人荘の殺人』でデビューした今村昌弘さん。意表を突くクローズドサークルの設定が話題となり、年末の各ミステリランキングで1位になり、本格ミステリ大賞も受賞。第2作となる『魔眼の匣の殺人』も期待を裏切らない内容で、今後の活躍が楽しみな新鋭です。でも意外にも、昔からミステリ作家を目指していたわけではなかったのだとか。ではどんな本が好きだったのか、そして作家を目指したきっかけは?

2019.4.23  【今週はこれを読め! SF編】天皇機関vs.粘菌機関 特撮映画のような痛快活劇

カバー袖の登場人物一覧が絢爛豪華だ。南方熊楠、福来友吉、江戸川乱歩、西村真琴、佐藤春夫、宮澤賢治、石原莞爾、北一輝、......。

2019.4.17  【今週はこれを読め! エンタメ編】不穏な青春ミステリー〜浅倉秋成『教室が、ひとりになるまで』

最近の若者たちがどのように感じるかはわからないが、私くらいの世代だと"結婚相手との出会いのきっかけはSNS"という事例に対してまだまだ若干の驚きを禁じ得ない。

2019.4.17  宮野真守が太宰作品の主演に決定!『人間失格』を原案とした劇場アニメ公開決定

太宰治の小説『人間失格』を原案にした劇場アニメ『HUMAN LOST 人間失格』が公開されることが明らかに。主演を宮野真守が務めるとあって、「太宰作品と宮野さんの組み合わせは気になる」「近未来SFって感じだけどどうなっちゃうの!?」と注目を集めている。

2019.4.16  【今週はこれを読め! SF編】大胆なSFの設定に、現代社会の問題を写しとる

白水社の《エクス・リブリス》は、上質な海外文学を届けてくれる、小説読みにとっては慈雨のごとき叢書だ。そこに初めて収められたジャンルSFが本書である。七篇を収めた短篇集。著者のプロフィールを知って、のけぞった。

2019.4.12  現役大学生とは思えない堂々の書きっぷり――小説すばる新人賞受賞作『闇夜の底で踊れ』著者インタビュー

35歳、無職、パチンコ依存。その日暮らしの無為な生活を送る元極道の男が、ソープ嬢に恋をしたことがきっかけで、ふたたび闇社会の混沌へと飲み込まれてゆく——。

2019.4.10  千葉文学賞に宮岡さん 児童・随筆は佳作 三賞最終選考、23日表彰式

2018年度千葉文学三賞(千葉日報社主催、千葉県・県芸術文化団体協議会後援)の最終選考会は9日、千葉市中央区のホテルで行われ、第62回千葉文学賞に船橋市、パート、宮岡みすみさん(50)の「フォトフレーム」が選ばれた。

2019.4.8  34歳で1200万円を得た小説家志望の男の生き様

20代をダラダラし続けた倉井眉介さん

2019.3.31  低迷する文庫市場に光明 女性読者が支える"時代小説"

女性読者が増えた要因とは?

2019.3.27  【今週はこれを読め! エンタメ編】シングルファーザーの成長小説〜まはら三桃 『パパとセイラの177日間 保険外交員始めました』

ひとりで子どもを育てるのがたいへんなことは、母親も父親も変わらないことと思う。しかし一般的に、"ひとり親"と聞くとシングルマザーを想定する場合が多く感じるのは、日本においては親権を父親が持つことの方が少ないからだろう。私自身も父子家庭の例を知らないわけではないが、例えばフィクションなどでもひとりで子育てする父親に注目が集まるケースはあまりないという気がする。

2019.3.25  Production I.G、医療ファンタジー小説「鹿の王」をアニメ映画化

上橋菜穂子による小説「鹿の王」のアニメ映画化が決定。アニメーション制作を「攻殻機動隊」「PSYCHO-PASSサイコパス」のProduction I.Gが手がけるとわかった。

2019.3.23  作家の読書道 第204回:上田岳弘さん

デビュー作「太陽」の頃から、大きな時間の流れの中での人類の営みと、個々の人間の哀しみや郷愁を融合させた作品を発表し続け、『私の恋人』で三島由紀夫賞、そして今年『ニムロッド』で芥川賞を受賞した上田岳弘さん。5歳の頃から「本を書く人」になりたかった上田さんに影響を与えた本とは? 作家デビューを焦らなかった理由など、創作に対する姿勢も興味深いです。

2019.3.20  【今週はこれを読め! エンタメ編】心をざわつかせる短編集〜今村夏子『父と私の桜尾通り商店街』

第1話「白いセーター」を読んで、忘れられない記憶がよみがえってきた。

2019.2.26  【今週はこれを読め! SF編】総統になりそこねた男の「わが捜査」

「その女性は、いかにも知的なユダヤ女という顔つきをしていた」という、私立探偵のモノローグからはじまるハードボイルドである。彼女は、行方不明になった妹を捜してほしいという。それ自体は、よくある依頼だ。

2019.2.13  【今週はこれを読め! エンタメ編】アラフィフ世代に直球を投げ込む朝倉かすみ『平場の月』

特定の年齢層にとりわけ訴えかける名作というものがある。『かいけつゾロリ』シリーズはやはり小学生が読んでこそという気がするし(大人が読んでもおもしろいけど)、ライトノベルの類は中高生あたりの読者がボリュームゾーンであろう(10代だけに読ませておくのはもったいないと思うものも多くあるが)。そこで『平場の月』である。若い人が読んでも「大人っていろいろあるんだなあ」と感じ入るだろうし、もっと年配の人が読んでも「このくらいの歳の頃いろいろあったなあ」としみじみすると思うが、いわゆるアラフィフ(自分含む)が読んだらもうダイレクト。直球かつ剛速球が心の真ん中に投げ込まれた感じ。

2019.2.12  【今週はこれを読め! SF編】幻想への航海、宙づりのままに残る謎

カール・エドワード・ワグナーが「LSDでぶっとんだメルヴィルが書いた『宝島』」と評した奇書である。ただし、表面的な筋を追うぶんには、ストレートな海洋幻想譚にすぎない。重要なのは、物語の向こう側にある何かだ。

2019.2.10  作家の堺屋太一さん死去 小説「団塊の世代」

「団塊の世代」などの小説で知られ、平成10年から2年間、経済企画庁長官も務めるなど、政治や経済、文芸など、幅広い分野で活躍した堺屋太一さんが、8日多臓器不全のため亡くなりました。83歳でした。

2019.2.9  独占インタビュー「ラノベの素」 渋谷瑞也先生『つるぎのかなた』

独占インタビュー「ラノベの素」。今回は2019年2月9日に電撃文庫より『つるぎのかなた』が発売された渋谷瑞也先生です。第25回電撃小説大賞にて《金賞》を同作で受賞し、満を持してデビューされます。剣道を知らなくてもいい、読み終えた後に剣道がわからなくても構わない。ただこの物語を面白いと感じてもらえればそれでいい。剣道という舞台から降りた"元最強"と、孤独に頂点で君臨し続ける"現最強"が激突する時、少年少女たちの心情にどんな変化が訪れることになるのか、物語の内容や見どころについてお聞きしました。

2019.2.2  読売文学賞に平野さんら

第70回読売文学賞(読売新聞社主催)が2日付で発表された。賞金は各200万円。贈賞式は20日、東京・内幸町の帝国ホテルで。受賞作は次の通り。(敬称略)

2019.1.26  作家の読書道 第202回:寺地はるなさん - 作家の読書道

婚約を破棄されどん底にいた女性が、ひょんなことから雑貨屋で働くことになって……あたかい再生の物語『ビオレタ』でポプラ社小説新人賞を受賞、以来、現代人の心の沁みる小説を発表し続けている寺地はるなさん。幼い頃は親に隠れて本を読んでいたのだとか。読書家だけど小説家を目指していたわけではなかった寺地さんが小説を書き始めたきっかけは? 読むことによって得た違和感や感動が血肉となってきたと分かる読書道です。

2019.1.22  https://ddnavi.com/news/514263/a/

銀河帝国という設定は、物語の背景としては繰り返し描かれてきたが、それを前面に押しだした作品はさほど多くない。そもそも星間にまたがり、往来どころか通信にもままならない広大なエリアを、統一的な政治機構で統治するのはおよそナンセンスに思われる。多くの銀河帝国ものがスケール感に乏しく、未来の物語どころか、現代・近代以前の歴史の焼き直しに陥るのもしかたがない。

2019.1.18  独占インタビュー「ラノベの素」 上川景先生『撃ち抜かれた戦場は、そこで消えていろ』

独占インタビュー「ラノベの素」。今回は2019年1月19日にファンタジア文庫より『撃ち抜かれた戦場は、そこで消えていろ』が発売となる上川景先生です。第31回ファンタジア大賞にて「大賞」を同作で受賞し、満を持してファンタジア文庫よりデビューされます。人間の存在も、功績も、成果も、結果も、痕跡も、干渉も、そのすべてを消し去る悪魔の弾丸を手にした少年兵と、繰り返す戦争に暗躍する亡霊(ゴースト)の物語を描いた本作。主人公と共に一発の弾丸で変遷する世界を追いかける作品の内容や見どころについてお聞きしました。

2019.1.15  【今週はこれを読め! ミステリー編】血が滾る冒険小説『拳銃使いの娘』

血が滾る、としか言いようのない小説である。

2019.1.15  【今週はこれを読め! SF編】離れていても声が聞こえる。ウィリスのロマンチック・コメディ。

コニー・ウィリスの新作長篇。そう聞いただけで少々気が重くなるのは、ぼくが分厚い作品が苦手で、ウィリスの長篇といえば分厚い(それも尋常ではなく)のがあたりまえだからだ。かといって、無視するわけもいかない。なにしろウィリスの新作なのだ。面白いに決まっている。「苦手なのに面白いに決まっている」とは矛盾しているようだが、そうでもない。読者の好みを超えた圧倒的なストーリーテラーというのが世の中には存在する。

2018.12.26  【今週はこれを読め! ミステリー編】黒人テキサス・レンジャーの闘い『ブルーバード、ブルーバード』

朝から嫌なことがあり、感情を抑えるのに苦労しながら一日を過ごした。

2018.12.25  【今週はこれを読め! SF編】破滅と再生の寓話、イヴを畏れるアダム

『紫の雲』は、翻訳が待ち望まれていた古典である。作者M・P・シールは1865年生まれ47年歿のイギリス作家、二十世紀になる直前から作品を発表しはじめた。この経歴は、年代の上ではH・G・ウエルズとぴったり重なる。

2018.12.24  独占インタビュー「ラノベの素」 林星悟先生『人形剣士<ドールブレイブ>は絶ち切れない』

独占インタビュー「ラノベの素」。今回は2018年12月25日にMF文庫Jより『人形剣士<ドールブレイブ>は絶ち切れない』が発売となる林星悟先生です。第14回MF文庫Jライトノベル新人賞にて「最優秀賞」を同作で受賞し、満を持してデビューされます。いくつものテーマが組み木のように重なり合い、人形遣いの剣士と人形のヒロインによるバディものとしても強烈な魅力を詰め込んだ本作。一つの視点からだけでは語りきれない本作の魅力や作品の見どころについてお聞きしました。

2018.12.22  作家の読書道 第201回:古内一絵さん

映画会社に勤務したのち作家デビューを果たし、さまざまな舞台を選んで小説を執筆している古内一絵さん。ドラァグクイーンが身体にやさしい夜食を出してくれる「マカン・マラン」もいよいよ完結、今後の作品も楽しみなところ。では、どんな読書体験を経て、なぜ小説家へ転身を果たしたのか。その転機も含めて読書遍歴をおうかがいしました。

2018.12.21  青春と読書

対談 米澤穂信×青崎有吾

2018.12.18  【今週はこれを読め! SF編】ベテランから新人まで個性豊かな書き下ろしアンソロジー

もう何度も書いていることだが、ここ数年の日本SFは空前の収穫期にあって、ベテランから俊英まで多くの才能が質の高い作品を送りだしている。惜しむらくは本来の受け皿たるべきSF専門誌が隔月刊の〈SFマガジン〉しかなく、しかも連載中心になってしまっていることだ。一般誌やWebなどSFを受けいれる媒体は以前より広がっているものの、ジャンルの求心力となる場が圧倒的に少ない。

2018.12.11  入場料1500円の本屋 検索機なし、50音順に並べず

東京・六本木の青山ブックセンターの跡地で11日、入場料1500円を支払う書店「文喫(ぶんきつ)」が開店した。出版不況のなか、本の販売以外の新たなビジネスモデルを探ろうと入場料制を導入。付加価値のある空間を目指すという。

2018.11.29  【エンタメ小説月評】語りが持つ力に驚き

小説を読むことの醍醐味は、ストーリーや仕掛けを楽しむ部分と、語りの面白さを味わうという二つの側面がある。「何を書くか」と「どう書くか」という問題と言い換えることもできるかもしれない。

2018.11.24  作家の読書道 第200回:白岩玄さん

『野ブタ。をプロデュース』で鮮烈なデビューを飾り、その後着実に歩みを続け、最近では男性側の生きづらさとその本音を書いた『たてがみを捨てたライオンたち』が話題に。そんな白岩さん、実は少年時代はほとんど小説を読まず、作家になることは考えていなかったとか。そんな彼の心を動かした小説、そして作家になったきっかけとは?

2018.11.9  【コラム】 アニメ化決定!「俺を好きなのはお前だけかよ」最速インタビュー! シリーズ最新「俺好き10巻」情報も!

電撃文庫のラブコメ「俺を好きなのはお前だけかよ」のTVアニメ化が発表!シリーズ構成と脚本を原作者:駱駝先生が担当され、アニメ公式サイトには『原作とは違うアニメだからこそ!』が。アニメは原作から改変するのかなどお訊きしました!(取材・文:かーずSP、協力:MyDearest、平和)

2018.11.5  【今週はこれを読め! ミステリー編】ナチス殺人医師の虚ろな精神『ヨーゼフ・メンゲレの逃亡』

スリラーの名手ウィリアム・ゴールドマンに『マラソンマン』(ハヤカワ文庫NV)という作品がある。ナチの残党が主人公を拷問する場面があることで有名だ。健康な歯を歯科医のドリルで削るという想像するだけでも痛そうな拷問で、映画化作品では主人公をダスティン・ホフマン、ナチをローレンス・オリヴィエが演じた。

2018.10.27  作家の読書道 第199回:瀧羽麻子さん

京都を舞台にした「左京区」シリーズや、今年刊行した話題作『ありえないほどうるさいオルゴール店』など、毎回さまざまな作風を見せてくれる作家、瀧羽麻子さん。実は小学生の頃は授業中でも読書するほど本の虫だったとか。大人になるにつれ、読む本の傾向や感じ方はどのように変わっていったのでしょうか。デビューの経緯なども合わせておうかがいしました。

2018.10.25  【書評】『青少年のための小説入門』久保寺健彦 - 横丁カフェ

心からおもしろいと思える小説と出会ったとき、私は文庫と文芸書の担当の書店員なので、その小説を店頭であの手この手で売ろうとすることができます。おもしろい!伝えたい!売りたい!という、すごくワクワクした気持ちで売場をつくりますが、思ったように売れないときもあります。おもしろい、売りたい、そんな気持ちが強いときこそ、あと何が足りなかったんだろう......と悔しさと無力感を感じてしまうことがあります。

2018.10.17  【今週はこれを読め! エンタメ編】「知りたい」気持ちを持ち続ける〜三浦しをん『愛なき世界』

自分がそれまで知らなかったことを知りたいと思う気持ちは、誰にでもあるのではないだろうか。このような気持ちが強い人ほど心豊かな人生を送れるような気がしてならない。だいたいにおいて人間は加齢とともに好奇心の方は減少していくものだが、「知りたい」という気持ちをいつまでも持っている人がどんな分野でもいきいきと仕事や研究を続けられるように思う。

2018.10.9  【今週はこれを読め! SF編】This could be heaven or this could be Hell

レーナ・クルーンはフィンランドの現代作家。これまでかなりの作品が翻訳されており、そのほとんどが広義の幻想小説だった。本書ははっきりとSFに分類できる作品だが、同時に寓話性も強い。ただし、一意的に解釈されるような寓意ではなく、意味を解くよりも読者が考えつづける契機となる寓意である。

2018.10.3  インタビュー 高殿 円さん 『政略結婚』

幸せを決めるのは自分

2018.10.2  【今週はこれを読め! SF編】来歴・由来をめぐるミステリと、惑星間・異種族間との外交問題

SF賞を総なめにした《叛逆航路》三部作とおなじ宇宙を舞台にした新作。人類世界の中核としてのラドチ圏の統治機構(絶対支配者を頂点とした封建社会)、および独自文化(男女を区別しない)は三部作と同様だが、物語はまったく独立している。

2018.10.1  『やりすぎた魔神殲滅者の七大罪遊戯(ニューゲーム)』上栖綴人先生 インタビュー

『新妹魔王』の上栖綴人×アニメスタジオGoHandsが贈る『やりすぎた魔神殲滅者の七大罪遊戯(ニューゲーム)』とは!?

2018.9.26  【今週はこれを読め! エンタメ編】将棋と家族の40年の物語〜桂望実『僕は金になる』

ネットなどで最初にうまい言い回しを思いついた人(見知らぬ人だけど)にはつねづね畏敬の念を抱いているが、ここ最近のヒットは「見る将」。まだそんなに定着度合いは高くないかもしれないものの、"ルールや戦法などはまったくわからないけど、将棋(棋士)を見るのは好き"という状態を、簡潔に表現してもらえるのはありがたいので(「ツンデレ」以来の感謝を捧げたい)。

2018.9.25  【今週はこれを読め! SF編】天才でマッドなお姉さんと、知性の普遍構造を解きあかす宇宙計算機

第五回創元SF短編賞を受賞してデビューした高島雄哉の、これが最初の単行本。受賞作を表題として、その続篇ふたつを併録している。一篇ごとに完結しているが、内容は深く関連しあっているので、すべて通して長篇とみなしてもかまわない。

2018.9.22  作家の読書道 第198回:久保寺健彦さん

7年ぶりの長篇『青少年のための小説入門』が話題となっている久保寺健彦さん。この新作小説にはさまざまな実在の名作が登場、久保寺さんご自身の読書遍歴も投影されているのでは? 聞けばやはり、幼い頃から本の虫だったようで――。

2018.9.20  【エンタメ小説月評】一筋縄ではいかない異色作

タイトルを見て、よくあるスパイ小説だと思ってはいけない。一條次郎『ざんねんなスパイ』(新潮社)には、このジャンルならではの知的な駆け引きも、スリリングな冒険もほとんどないからだ。

2018.9.19  独占インタビュー「ラノベの素」 師走トオル先生『ファイフステル・サーガ』

独占インタビュー「ラノベの素」。今回は2018年9月20日にファンタジア文庫より『ファイフステル・サーガ』第2巻が発売される師走トオル先生です。2007年に刊行を開始した『火の国、風の国物語』より約10年。新たに動き出した王道ファンタジー戦記の気になる内容から誕生秘話、そしていよいよ発売となる第2巻の見どころについてお聞きしました。

2018.9.12  【今週はこれを読め! エンタメ編】甲子園復活に尽くした人々の物語〜須賀しのぶ『夏空白花』

この夏、いわゆる夏の甲子園(全国高校野球選手権大会)は第100回を迎えた。しかし、前身である全国中等学校優勝野球大会から数えると今年は104年目。この事実が示すものがピンとこない若者たちは、幸せだといえるだろう。戦中や戦後間もなくの不自由さを実際に経験していないのはもちろん、祖父母や両親たちから戦争中の話を折り入って聞く機会も少なければ日常生活において傷痍軍人や戦争孤児を見かける場面もない平和な時代に育った証しである。なぜ大会の回数と年数にずれがあるのか、それは太平洋戦争によって中断していた時期があったからだ。

2018.9.6  モデルはNHK!? 湊かなえ初の青春小説。高校の放送部によるドラマコンテストの熾烈な争い

初の新聞連載にして初の青春小説。湊かなえさんの新作『ブロードキャスト』は放送部を舞台に全国放送コンテスト出場をめざす高校生たちの熱血を描き出す。

2018.9.4  【今週はこれを読め! SF編】記憶は誰のもの? 意識はどこから? 迫真の近未来ノワール

近未来、脳内の記憶を、特定の切手サイズの素子に、保存・再生する技術が確立されていた。映像や音声だけでなく、味覚・嗅覚・触覚、さらには原体験者の当時の感情までも生々しく味わうことができるのだ。これを利用した擬憶体験(リメメント)は、新しいエンターテイメントとして浸透する。そのコンテンツ(MEMと呼ばれる)である原体験を提供する演者が、憶え手(メメンター)だ。主人公の宵野深菜(しょうのみな)もそのひとり。

2018.9.3  【今週はこれを読め! ミステリー編】極北の地での過酷な闘い『北氷洋』

大自然の真っ只中に取り残された人間は自分自身を見つめる以外にすることがない。

2018.8.31  『スレイヤーズ』18年ぶりの新刊発売決定 チートな美少女天才魔道士が好き勝手やりまくるライトノベルの金字塔

神坂一さんの代表作でライトノベルの金字塔『スレイヤーズ』が、18年ぶりの長編最新刊となる第16巻を刊行することが発表されました。10月20日にファンタジア文庫から発売予定。

2018.8.22  【今週はこれを読め! エンタメ編】心を動かされる恋愛小説〜フォースター『モーリス』

最近のニュースで、衆議院議員による"LGBTは『生産性』がないので支援する必要はない"といった内容の発言が大きな話題になった。この件に関していろいろ思うことはあるが、私が最も気になっているのは、この議員が自分の子どもさんや将来生まれるかもしれないお孫さんたちがLGBTであると自覚する可能性をまったく考えないのだろうかということだ。仮にそうなった場合、子や孫に「たとえ『生産性』がなくても、あなたは私の大切な子ども(孫)よ」と言うのだろうか。

2018.8.20  訃報:大塚勇三さん97歳=児童文学者「スーホの白い馬」

大塚勇三さん97歳(おおつか・ゆうぞう=児童文学者)18日、肺炎のため死去。葬儀は近親者で営んだ。

2018.8.7  【今週はこれを読め! SF編】至高のミリグラム、赤ちゃんのエネルギー化、人造美人の広告

こんな奇想小説家がいたとは! SF風のガジェットを用いたもの、メタフィジカルなもの、皮肉な風刺が効いた作品、宗教的含意がこめられた小品、さまざまな手ざわりの二十八篇が収録されている。どれもごく短い。

2018.8.6  「将棋界は創作を超えた!」 人気ライトノベル作家が語る「かつてないブーム」

空前の将棋ブームが到来している。八大棋戦のタイトルを8人の棋士で分け合う31年ぶりの"戦国時代"に突入したことに加え、藤井聡太七段(16)ら若手の台頭も著しい。「今の将棋界は創作を超えていると思います」。驚きをもって語るのは人気ライトノベル(ラノベ)「りゅうおうのおしごと!」(GA文庫)の作者、白鳥士郎さん(36)だ。

2018.8.3  『うわさのズッコケ株式会社』で児童文学の掟を破る!? 「ズッコケ」と歩んだ40年。那須正幹さんインタビュー

1978年に『それいけズッコケ三人組』が出版されて、今年でシリーズ40周年。わんぱくだけど短気でおっちょこちょいのハチベエ、博識で努力家だけどなぜかテストの点は悪いハカセ、動きはのろくぽっちゃりしてるけど誰よりも優しいモーちゃん。世代を超えて子供たちが夢中になってきた、みんなの"友達"だった三人組。著者の那須正幹さんに、40周年をふりかえってみてどう感じているのか、お話をうかがった。

2018.7.24  【今週はこれを読め! SF編】メタモルフォーシスと魅入られた者の情念

夏の楽しみは、東雅夫さん編の怪奇・幻想短篇集が読めることだ。2012年の泉鏡花『おばけずき』からはじまった平凡社ライブラリーの文豪怪異小品シリーズも、本書で7冊目となる。幻想短篇集はナイトテーブルにおいて、毎晩一篇ずつ、銘酒を味わうようにゆっくり読むのが理想だが、谷崎の文章の口当たりの良さにページをめくる手がとまらず、一気に読みあげてしまった。

2018.7.18  クリップ:第13回小説現代長編新人賞

■第13回小説現代長編新人賞(講談社主催)

2018.7.17  【今週はこれを読め! SF編】楽しく元気が出る一冊、銷夏に最適のポストうなぎSF短篇集

うなぎづくしのSF短篇集。題材は「うなぎ絶滅」だが、五篇それぞれに調理法も味つけも違っていて、つぎはどんなものが出てくるかと楽しみに読んでいくと、お腹いっぱいになる。みごとなフルコースだ。

2018.7.13  【今週はこれを読め! ミステリー編】虚実入り混じる執筆牢獄小説『さらば、シェヘラザード』

これはミステリーというか、へんてこりんな小説である。

2018.7.11  【今週はこれを読め! エンタメ編】惹かれあう女子二人の書簡小説〜三浦しをん『ののはな通信』

生涯ただ一度しか経験できないような、その人のことを思うと何も手につかなくなるほどの恋。

現在話題の小説ランキング
現在話題の作家ランキング
広告
新刊売上ランキング
(書名はAmazonリンク)
    現在話題の賞ランキング
    最新小説ニュース
    (外部リンク)
    ブログ(更新履歴等)